じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記に「朝日に輝く時計台」の写真を掲載したが、この時期は、「夕日に輝く時計台」を眺めることもできる。「朝日に輝く時計台」は時計台の南面のガラスが反射する仕組みであったが、「夕日に輝く時計台」のほうは、西面のガラスの反射によるもの。
 写真下は「輝く黒正巌先生像」。文法経1号館と2号館の間から夕日が射し込む今の時期だけ見られる。

2017年10月26日(木)


【思ったこと】
171026(木)日本行動分析学会第35回年次大会(15)超高齢社会における行動分析学(13)「活動の束」メタファ(1)

 話題提供では、「活動」概念に続き、「活動の束」メタファを取り上げた。これらは、
  1. 三項随伴性で強化、弱化される個々の行動
  2. 活動(複数の行動のまとまり)。一定の方向(目的志向など)を持つ場合もあれば、方向性を持たずに単に繰り返される場合もある。
  3. 活動の束メタファ:1人の人間が限られた時間の中で継続させる複数の活動のバランス
というように区別される。要するに、

個々の行動⊂活動⊂活動の束

という包含関係が成立する。(但し、徒歩通勤行動が健康増進活動と地球温暖化防止活動の2種類の活動に同時に含まれるという例のように、特定の行動が2つ以上の活動に含まれる可能性もある。)

 「活動」概念自体は般化オペラントに対するラベルであるという点で検証可能な学術用語であるのに対して、「活動の束」というのはあくまでメタファにすぎない。どのような人でも1日24時間、睡眠時間を除く17〜18時間程度の中でできる活動は限られている。「人生を活動の束として捉える」というのは、その限られた時間の中で、複数の活動がどのように強化されていくのかを把握するためのメタファーである。活動を列挙するだけなら簡単にできるように見えるが、さまざまな行動をどういう活動にまとめるのか、それぞれの行動はどのように強化されているのかを見極めるには、三項随伴性に基づく微視的な観点と、巨視的な観点を連携させながら分析をすすめる必要がある。

 「活動の束」は2014年1月1日の日記で図式化したものと基本的に変わらない。リンク先の図が示すように、高齢になるに従って、身体的・精神的衰えにより24時間に遂行可能な活動総量は縮小を余儀なくされる。また、定年退職や年齢制限によって継続困難となる活動もある。活動総量の範囲内で、どのような活動を残し、どのような活動は終了させるのかを取捨選択し、全体のバランスをはかることが必要である。このことが個人レベルのQOLの正確な把握につながるというのが私の持論である。

 次回に続く。