じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 180110(水)関係、対応づけ、文脈をめぐる議論(13) 複合的相互的内包(複合的内包)と推移性・等価性(2) 昨日取り上げたように、刺激等価性クラス研究は、ふつう。 ●「A→B」、「B→C」が学習されると、「A→C」や「C→A」が勝手に学習される というパラダイムになっている。これに対して、 ●「B→A」、「B→C」が学習されると、「A→C」や「C→A」が勝手に学習される という例が、『ACT第二版』(第一版にも同様の例あり)などで紹介されている。後者の例では、直接的な推移性は成り立たない。あくまで、対称性の成立(「B→A」が学習されると「A→B」が勝手に学習される)を前提として生じると考える必要がある。 刺激等価性クラスの研究の中で後者のパラダイムがどの程度、実験的に検討されているのかは調べていないので分からないが、日常場面では当然、こういう例もあり得るとは思う。 例えば、(日本人が)円をドルやユーロに換える場合は、円を中心として「円→ドル」、「円→ユーロ」という交換ができることを学習する。これにより、「ドル→円」、「ユーロ→円」のほか、ドルとユーロの交換も学習されるであろう。【もっとも、日本円を新興国通貨に交換するような場合は、新興国通貨から円に戻そうとしても手数料が高くて大損をすることもある。】 また、英単語を学習する際には、「実物→英単語」が学習され、これによって「英単語→実物」も勝手に学習される。これと別に、日本人であれば「実物→日本語」や「日本語→実物」はすでに学習されていることから、「英単語→日本語」、「日本語→英単語」も勝手に学習されることになる。【もっとも、英単語と日本語の単語は必ずしも一対一に対応しないこともある。】 何かの対応づけを効率的に学習する方法として、上記の2つのどちらが有効であるのか、いろいろな事例で確かめてみる必要がありそうだ。 次回に続く。 |