じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月20日、夕食後の散歩時に細い月が見えていた。幼稚園の園庭にあるアンパンマンとのコラボを試みたが、アンパンマンが暗すぎてはっきり写らなかった。月齢は3.3。2016年7月9日にも同じアングルからの写真がある。この時の月齢は4.9。

2018年1月20日(土)


【思ったこと】
180120(土)「対応づけフレーム理論」(3)

 昨日に続いて、大小関係の比較に関する話題。

 昨日までのところで、2つの刺激を時間をずらして呈示し(2つの刺激の独立性を担保するため)、そのあとで、「○」もしくは「□」のボタンを押すという継時弁別課題を取り上げた。昨日までの記述を分かりやすく表現するために、刺激が継時的に呈示される部分は丸括弧「( → )」で、いずれかのボタンを押す場面は角括弧「[ vs ]」、正解は「【 】」の中に示すことにした。例えば、

(A→B)→[○vs□] 【○】

というのは、刺激Aを呈示し、少し遅れて刺激Bを呈示(刺激Aはそのまま残っていても構わない)。そして、「○」と「□」のいずれかのボタンを押すという選択課題であることを示す。(○と□のボタンを押す代わりに、「大きい」とか「小さい」と発声してもよいし、○の時だけ手を上げるというような「GO/NO GO」課題であっても基本的には課題構造は変わらない。また【 】の中に「○」とあるのは「○」のボタンを押せば正解となって強化されるという意味である。

 昨日も述べた大小比較の訓練というのは、
  • (A→B)→[○vs□] 【○】
  • (A→C)→[○vs□] 【□】
  • (B→A)→[○vs□] 【□】
  • (C→A)→[○vs□] 【○】
という4通りの訓練をすることに他ならない。また、「同じ」という関係の学習は、
  • (A→B)→[○vs□] 【○】
  • (A→C)→[○vs□] 【□】
  • (B→A)→[○vs□] 【○】★
  • (C→A)→[○vs□] 【□】★
ということになる。これらの訓練は、刺激等価性クラスの研究でしばしば紹介されている標準的な手続とは異なっているが、上記の★印をつけた課題は、一度も訓練されなくても正解を出せる可能性があり、もしそうなったとすれば、対称性が成立したということができるだろう。

 すでに述べたように、上述の課題は、AやBの呈示のしかたがそれぞれ関係刺激となり、その関係刺激の特徴に対応して「○」または「□」という反応をするという構造になっている。刺激の固有の特徴に反応したのではなく、2つの刺激の相対的特徴に基づいて反応したという点で、「○」や「□」のボタンを押すという反応は関係反応であると見なすことができる。

 大小比較の訓練において、「A→B」と「B→A」は異なる関係となっているので(大小関係で言えば、「より大きい」と「より小さい」)、いっけん対称性は成立しないように見える。しかし、「○」や「□」を先に呈示して、AとBのいずれかから選ぶという課題とセットで考えれば、立派に対称性が成立していることが分かる。
  1. (A→B)→[○vs□] 【○】
  2. (○)→[AvsB] 【A】
 大小関係で言えば、上記1.と2.は以下と同じことになる。
  1. AよりBが大きい時には「より大きい」というボタンを押す。
  2. 「より大きい」という刺激が呈示された時には、AとBのうちAのボタンを押す。
同様に、
  1. (A→C)→[○vs□] 【□】
  2. (□)→[AvsC] 【C】
 大小関係で言えば、上記1.と2.は以下と同じことになる。
  1. AよりCが小さい時には「より小さい」というボタンを押す。
  2. 「より小さい」という刺激が呈示された時には、AとCのうちCのボタンを押す。
こうした訓練を行ったあとで、
  • 「○」→[AvsC] 【A】
  • 「□」→[AvsB] 【A】
という未学習の課題を出し、【 】内に示した正解を出せたとすれば、これこそ、派生的関係反応と言うことができるだろう。

 次回に続く。