じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月21日の日没時、西の空に蛇行しながら延びる細長い雲が見えた。「千と千尋の神隠し」に出てくる白龍に似ていた。ちょうど目玉の位置に、月齢4.2の月が見えていた。なおこの雲は飛行機雲と異なり拡散せず、同じ方向に流れているように見えた。


2018年1月21日(日)


【思ったこと】
180121(日)「対応づけフレーム理論」(4)

 引き続き大小関係の比較に関する話題。(当初の連載タイトルは「視点取り」であったが、話題が「対応づけ」ばかりとなってしまったので、「対応づけフレーム理論」に変更した。)

 昨日の日記では、大小の関係反応の対称性がどういう場合に成り立つのかを検討した。今回は、推移性や等価性について考えてみることにしたい。昨日同様、継時弁別課題あるいはその変形の手続で考えてみる。昨日同様、刺激が継時的に呈示される部分は丸括弧「( → )」で、いずれかのボタンを押す場面は角括弧「[ vs ]」、正解は「【 】」の中に示すこととする。例えば、

(A→B)→[○vs□] 【○】

というのは、刺激Aを呈示し、少し遅れて刺激Bを呈示(刺激Aはそのまま残っていても構わない)。そして、「○」と「□」のいずれかのボタンを押すという選択課題であることを示す。(○と□のボタンを押す代わりに、「大きい」とか「小さい」と発声してもよいし、○の時だけ手を上げるというような「GO/NO GO」課題であっても基本的には課題構造は変わらない。また【 】の中に「○」とあるのは「○」のボタンを押せば正解となって強化されるという意味である。

 推移性が示される典型的な訓練は、
  • (A→B)→[○vs□] 【○】
  • (B→C)→[○vs□] 【○】
という2通りの訓練を行うと、未訓練の、
(A→C)→[○vs□]
という課題において「○」が選ばれる確率が高まるというもの。この場合も「○」を押すことは、「より大きい」、「より長い」、「右にある」、「上にある」などに相当している。

 「同じ」の場合と異なるのは、
  • (B→A)→[○vs□] 【□】
  • (C→B)→[○vs□] 【□】
は、別途訓練する必要があるということ。これらが十分に訓練できた後は、

(A→C)→[○vs□]
という課題において、「□」が選ばれる確率が高まるかもしれない。但し、これらの「派生」は恣意的に設定された場合に限って検証できる。非恣意的な関係の場合は、「推移性」と無関係に、単にAとCの大きさが比較される可能性が高い。

 もう1つ、2つの刺激の関係を、○や□のボタンに対応づける際の推移性もありうる。例えば、
  • (A→B)→[○vs□] 【○】
  • (B→A)→[○vs□] 【□】
という訓練を行ったのち、今度は、
  • (○)→[αvsβ] 【α】
    ○が呈示された時にはαを選べば正解
  • (□)→[αvsβ] 【β】
    □が呈示された時にはβを選べば正解
そうすると一度も訓練されていなくても、

(A)→[αvsβ]
(B)→[αvsβ]

という課題で、Aを見せられた時にはα、Bを見せられた時にはβを選ぶ確率が増えるかもしれない。これは例えば、「○」は「より大きい」、「□」は「より小さい」、「α」は英単語の「larger」、「β」は「smaller」に対応づけさせた場合に派生的に生じる可能性がある。

 なお、以上までで例示してきた

(A→B)→[○vs□] 【○】

という課題において、「○」が「より大きい」に相当するのか、「より小さい」に相当するのかは、これまた恣意的に設定可能である。英語の場合は文法的に言って、「A」を先に呈示することは「A」+「is」、「○」は「larger than」という語に対応させるのが自然な並びかもしれない。いっぽう日本語の場合は、「A」が先にあったとしても、
  • A「は」B「より」「大きい」。
  • A「より」B「は」「大きい」
というようにAが先にあっても、「は」、「より」、「大きい」のつなぎかたによって大小関係が逆転する。

 次回に続く。