じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月25日の岡山は、最低気温氷点下3.9℃、最高気温5.5℃、平均気温氷点下0.2℃という寒い日になった。平均気温が氷点下となったのは、1月12日、1月24日に続いてこの冬3度目。
 写真は、氷点下3℃以下の凍てつく寒さの中で迎えた日の出。右側は備前富士(芥子山)。

2018年1月25日(木)


【思ったこと】
180125(木)「対応づけフレーム理論」(8)包含関係(1)

 この連載の最後の話題として、包含関係について考察することにしたい。

 日常会話表現で使用される包含関係というのは、ある事象がある集合に含まれるというような意味で使われる。その場合、いくつかの前提がある。
  1. 何らかの基準で、複数の集合に分類されている。もし、全体が1つであって、補集合さえ存在しない(補集合に言及しても意味が無い)とするなら、包含関係は意味をなさない。
  2. ふつう、当該の集合には複数の事象(要素)が含まれている。論理的には空集合であったり、要素が1つだけであったりする場合もあるが、包含関係としては意味をなさない。
  3. どのような基準で集合を定めるのかは、恣意的に決めることができる。但し、いったん基準を決めたあとでは、どの事象(要素)がそれに含まれるかどれが含まれないのかということは、恣意的には変更できない。
 まず1.であるが、例えば「宇宙」という集合は、現時点では1つの全体的な集合であって、「宇宙の外」という補集合は意味をなさないと考えられている。「地球は宇宙に含まれている」という言明は意味をなさない。もちろん、将来的に「マルチユニバース」が確認されて、地球を含む宇宙と、そうでない宇宙を区別する必要が生じれば、包含関係が意味を持つようになる。

 次に2.であるが、ここでは、長谷川ゼミという集合と、岡大文学部という集合を考えてみることにしよう。当然、長谷川ゼミという集合は、岡山大学という集合に含まれる。このことから、長谷川ゼミの学生は岡山大学の学生であると言うことができる。

 もし、長谷川ゼミの構成員がゼロになったとしても、長谷川が定年退職する前であれば、そのような集合は存在する。但し構成員がいないので、包含関係はあまり有用な情報とはならない。「文学部学生は、長谷川ゼミには属していない」という言明は可能だが、文学部学生であっても、学生ではないおじいさん、おばあさんであっても長谷川ゼミには属していないので、情報的価値は殆どない。

 もう1つ、3.であるが、例えば、草食動物という集合は草を食べる動物であるという分類基準を定めたとする。この基準は恣意的に設定される(但し、それを設定することが有用でなければ設定する意味は無い)。この基準のもとで、例えば、ある種類のサルは、果物や葉っぱばかり食べているという観察に基づいて、草食動物であると分類されたとする。ところが、その後、そのサルが鳥の卵を食べることが分かったとする。そうなると、草食動物ではなく、雑食性の動物というように所属を変更する必要が出てくる。この変更は恣意的にはできない。

 もっとも、学校のクラス替えで、A組とB組の構成員を一部入れ替えるというようなことは恣意的に可能ではある。といっても、何度も何度も入れ替えて、どちらに属するのかが不確定であるような「集合」では、包含関係もあやふやとなる。

 次回に続く。