じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 12月4日に最高気温20.6℃、最低気温は14.8℃という暖かさを記録した岡山であったがその後一気に寒くなり、県北の人形峠や千屋では降雪がみられるようになった。
 「岡大七不思議」の1つに勝手に選定している「落ちないアメリカフウ(モミジバフウ)」は今年も健在。

楽天版(12/8付)に、「落ちないイチョウ」などと合わせて「落ちない○○」のコレクションを掲載した。

2018年12月7日(金)



【小さな話題】

大中恩氏ご逝去/みんなのうた「でか ちび のっぽ」

 「サッちゃん」「いぬのおまわりさん」などで知られる作曲家の大中恩さんが12月3日、お亡くなりになった。94歳。葬儀は12月8日正午から「日本キリスト教団 霊南坂教会」で行われるという。

 大中さんの作品は童謡のほか、合唱作品など1300曲に及んでいるが、私にとって馴染み深いのは、私が小学生であった1960年代前半にNHKみんなのうたで放送されていたいくつかの歌であった【こちらに資料あり.】

 その中で以前から気になっていたのが「でか ちび のっぽ」【作詞:岩本敏男 、作曲:大中恩、1964年2月〜3月、こちらに資料あり】という歌。必ずしも好きな歌というわけではなかったが、風邪で寝込んでいた時によく耳にしたためか、今でもメロディーははっきり再現できる。

 歌詞の一部がどうしても思い出せないのでネットで検索したところ、ぷりんと楽譜から楽譜が入手できることが分かり、さっそく345円払ってダウンロードした。

 でもって、改めて3番までの歌詞に目を通してみたが、やはり、体格ステレオタイプの表現(「のっぽちゃん=のんびり」など)や、背の低い子どもへの差別的表現(「ちんちくりん」)など、いまの時代であれば学校教育上不適切であると見なされそうな言葉のオンパレードであることが確認できた。NHKのアーカイブ特集番組などでこの歌が放送されることはまずあるまいと思う。

 ちなみに、身長160cmの私にとっていちばん不快であるのは「ちびちゃん」に関する歌詞である。では当時はなぜあの歌がイヤでなかったのかと思い出してみるに、じつは小学校時代は私はクラスでは背の高いほうであり、他人事で気にならなかったのである。

 単に身長の特徴から「ちび」や「のっぽ」と呼ぶこと自体は差別表現ではなく、どうやら放送禁止用語リストにも含まれていないようだ。ま、じっさい、「ちびまる子ちゃん」とか「ノッポさん」などの表現もある。しかし、私自身の経験を含めて言えば、思春期の背の低い男性に対して「ちび」と呼ぶことは絶対に差し控えるべきだと思う。以前にもこの日記に書いたことがあるが、私は高校時代、フォークダンスの練習の際に、クラスで男子のほうが5人ほど多かったため、背が低いという理由だけで、女生徒の列に回されたことがあった。こういう身長差別の扱いは生涯の屈辱・怨恨として残っている。(もっとも66歳になった私自身は「ちびじいさん」とか「ちびじいじい」などと呼ばれても全く不快には感じない。今さら身長が1cm伸びても何の得にもならない、それより健康寿命が1年延びたほうがよっぽどいい。) 

 なお、クレッチマーの3気質論のように、体型と気質の間に相関があるとする学説もある。こうした類型論的アプローチには一定の意義があるとは思うが、差別やステレオタイプな見方を助長することはあってはならない。