Copyright(C)長谷川芳典 |
半田山植物園の裏山にはムサシアブミの群落があり、地上部は枯れるものの、赤い果実をつけた茎だけが残っていてまるで林の中の宝石(もしくはイクラ)のように見える。晩秋から2つの株を定点観察していたが、少し前に3株目と4株目を見つけた。 |
【小さな話題】共通テスト(英語と地理)雑感 1月16日と17日に2021年度大学入学共通テストが行われた。記述式問題の導入や採点、英語民間試験の活用などいろいろ議論があったようだが、最終的にはこれまでのセンター試験と殆ど変わらない方式で実施されたようである。 現役の頃は、センター試験の問題を自分で解いてみたりしていたが、定年退職からまもなく3年を迎えようとするなか、もはやその気力が失せてしまった。というか、実際に解答できそうな科目は英語と現代国語のみ、他に、数学の一部、経済、政治、地理、倫理などに関連した社会科系科目の一部の問題に限られそうである。 以下、1日目の科目のうち、英語と地理の問題についての雑感。 まず、英語はリーディングとリスニングに分かれていた。 リスニングの問題が格段に増えており、ざっと聞き流してみたところでは、どんな内容の話であるかということは大体理解できた。もっとも私の場合、日本語のテレビ番組を視ている時でもそうだが、関心の持てない会話内容などは聞こえていてもすぐに忘れてしまう。リスニング問題の中にも、私にとってはどうでもよい話題がいくつか含まれており、音声が流れた直後に何の話だったか思い出せないほどであった。なので、英語力以前に記憶力の低下により、得点できない可能性がある。問題の中で比較的記憶に残ったのはヒュッゲ(「デンマークを起源とする、健康を促進する居心地の良い陽気な雰囲気を作り出すという概念」)くらいのものか。 次にリーディングの問題だが、こちらは本気で取り組めば、90%以上は解けると思う。問題の1番目は、提出課題を保存したメモリースティックを忘れてきた、と思ったらカバンの底のほうに入っていたというような話だが、私が担当している授業ではそもそも、レポート課題も専用サイトからオンラインテキスト(フォームに書き込み)もしくはファイルのアップロードで提出できる仕組みになっており、大学までUSBメモリーを持参して印刷して提出するということは考えられない(卒論などは別だが)。ま、それはそれとして、USBメモリースティックという言葉が、説明なしに使われているところなどは、私の受験時代には全く考えられないことであった。 もう1つ、地理の問題をざっと見たが、「地点Aから見た天橋立の写真」というのは、1月9日放送のブラタモリ(#172)で、Aの地点からの眺めを放送しており、番組を視ていた受験生は瞬間的に解答できたものと思われる。と思ってネットで調べたら、すでにニュースネタになっていた。 同じ問題のなかに、外国人の延べ宿泊数に関するものがあったが、コロナ禍のもとでいまや各国とも鎖国状態。今後、コロナ以前の状態に戻ることも、残念ながら期待できない。今年は、出題や印刷の都合上、やむを得なかったとしても、来年はどうするのだろうか。コロナ禍以前のデータを利用した問題でもそれなりの一般性はあるだろうが、この先の世界の産業や人の移動を論じる上ではあまり役に立たないようにも思われる。 |