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小学校時代、私の一番の愛読書であった『理科実験の図鑑』(小学館、1959年)。学研『科学』の付録と異なり、実験器具や材料は自分で調達しなければならなかった。実際に自分でやったことのある実験や工作は、表面張力、大気の圧力、竹筒の吸い上げポンプ、糸電話、竹笛、望遠鏡、砂鉄の磁石遊び、二酸化マンガンとオキシフルによる酸素生成、酸とアルカリによる色の変化、などであった。 |
【連載】武田鉄矢の昭和は輝いていた『胸ときめいた雑誌“科学”と“学習”』その3 昨日に続いて、4月30日に放送された表記の番組についての感想と考察。 番組の後半では、ユニークな付録が紹介された。学年別の『○年の科学』の最初の付録は、「てんきしらべ すたんぷせっと」(1年)、「風しらべ ジェットき」(2年)、「水さいばいセット」(3年)、「ポンプセット」(4年)、「解ぼう器」(5年)、「金属・岩石標本実験セット」(6年)であると紹介された。昨日も述べたように、学年別の『科学』は1963年創刊であり、私が小学校5年の時であったので、私が最初に受け取ったのは「解ぼう器」(5年)ということになるが、記憶には残っていない。翌年、6年になった時には、確か、「金属・岩石標本実験セット」が付録になっており、いろいろな石ころに興味をもつきっかけとなった【←このこともあって、中学の時は、「地学・天文・気象」のサークルに入った】。 いろいろな付録が開発されたいっぽう、中には危険なものも含まれていた【こちらの64ページ以降の詳細な資料あり】。そのこともあって、1968年には「安全審査室」が設置され、刃物や、火を使う付録は自粛されるようになったという。 また、科学技術の進歩とコスト低減により、付録の中身も進化していった。ラジオの付録は、「(ゲルマニウム)ダイオードラジオ」から「トランジスタラジオ」、さらに「ICラジオ」へと進化した。放送の中では、形状記憶合金の特性を活かした付録などが紹介された。安全性などの理由でボツとなった子ども向け付録の一部は、「コップ蓄音機」のように「大人の科学」として商品化された。 放送内容はだいたい以上の通りであったが、私がいちばん疑問に思ったのは、1979年には月販670万部を売り上げを誇った『学習』と『科学』がなぜ休刊に追い込まれたのか、という点であった。ネットで「学研 なぜ休刊」というキーワードで検索したところ、
ちなみに、私が中学・高校生の頃には、学習雑誌として、学研の『○○コース』や旺文社の『○○時代』があったが、 となっているし、ウィキペディアの学年誌の項目を見ても、小学館の『小学○年生』や、講談社の『たのしい○年生』などが廃刊となった経緯が記されていた。 学年誌が衰退したからといって、付録そのものの人気も同時に衰えたのかどうかは更なる分析が必要であるように思う。じっさい、付録の一部は独立商品として販売されているというし、100円ショップでは、それなりに面白そうな教育玩具も売られている。このほか、高齢者施設向けの認知症予防商品として販路を開拓する余地はまだまだ残っているようにも思われた。 |