じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記で、津山線「さくびさくら」は、前面と後部では形に違いがあると述べた。岡山駅側の面には、他の車両と連結した際の貫通路の黒い枠(連結用ホロをたたんだもの)があるが、前面には見当たらない。
 この特徴は他の車両にも共通しているのではないかと思い、過去に撮影した写真やウォーキングの際に目撃した列車を観察したところ、オレンジ色のキハ40、47系や、「みまさかノスタルジー」車両では、すべて、岡山駅方面側に連結用ホロが装着されており、津山駅方面側は貫通路のドアはあるものののっぺらぼうでホロは装着されていないことが確認できた。こんな違いがあるということは人生70年(マイナス2か月)になるまで全く気づかなかった。なお、新型のキハ120系だけは、岡山駅方向と津山駅方向の両方に黒い枠がついていた。これが収納式ホロというのかどうかは未確認。
※車両の詳細についてはこちらを参照。

 津山線では時間帯によって異なる乗客数に対応して1両から4両が連結されているが、その作業がやりやすいように、ホロのついた面が岡山駅方向に統一されているのではないかと推測される。

2022年8月28日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる!「ビーチサンダル」「嫌なことの記憶」「天井の模様」

 8月26日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、
  1. なぜビーチサンダルは生まれた?
  2. なぜ嫌なことは妙に覚えている?
  3. 学校の天井にあるあの模様ってなに?
という3つの疑問が取り上げられた。

 まず1.だが、放送では「レイと庄太郎(レイ・パスティンと生田庄太郎)が出会ったから」と説明された。ビーチサンダル開発の経緯にういてはこちらにより詳細な解説があったのでここでは繰り返さないが、私が初めて知ったのは、
  1. ビーチサンダル(ゴム草履)は草履にヒントを得て日本で開発された。
  2. 草履は左右対称だが、ビーチサンダルは左右で形状が異なる。
  3. ゴム製の草履ビーチサンダルの形はすでにある履物の派生ということで特許(意匠)などはない。
  4. 各国ビーチサンダルの呼称は日本にちなんだものが多い。→アメリカ「フリップフロップ」、マレーシアでは「スリッパジャポン」、ニュージーランドでは「(ジャパニーズサンダルを略して)ジャンダル」、トルコでは「トーキョー」、ペルーでは「サヨナラ」。
といった点であった。

 私がサンダルということで思い出すのは、エチオピア・ダナキル砂漠で、塩のキャラバンのラクダを引いていた人たちが履いていたサンダルである。砂礫の荒野を毎日何十キロも歩いても破損しないという驚異の耐久性があり、古タイヤを加工して作られたものであった。バザールでは安価に売られていたが、買いそびれてしまって残念。




 次の2.「なぜ嫌なことは妙に覚えている?」については、もしかしてまたまた「医学博士 元東大病院医師」によるトンデモ解説が飛び出してくるのかと身構えたが、今回の解説者は人間の行動と信念について研究されている心理学者の戸梶亜紀彦さん(東洋大学社会学部)であり、一安心。ちなみに、「医学博士 元東大病院医師」の回では「短期記憶は楽しいことが優先される」と説明されていた。今回の疑問は長期記憶に関するものなので別物であるが、短期記憶に関しては楽しい記憶のほうが優先的に記憶されるという説を唱える場合は、長期記憶との整合性をとる必要がある。

 でもって、放送では「「悲劇を繰り返さないため」と説明された。

 戸梶先生によれば、
  1. 嫌なことを覚えているのは、将来同じ目にあわないように対策をするため。教訓のような役割。
  2. 嫌なことが起きたりそ前触れを感じると人間の脳はたくさんの情報を集め始める。脳内でアラートが鳴ると、その時の状況・音・光・温度など周囲の情報を集め始める。そして同じことを繰り返さないように、これらの情報をきっちりと脳に刻み混む。
  3. 交通事故のときにスローモーションのように見えるというのも、周囲の情報を1つ1つ記憶しようとするため時間の流れが遅く感じられる。
  4. 逆に楽しい時はその経験だけで満足しているため周囲の情報に注意が向かないのでざっくりとした記憶になる。
  5. 同じ悲劇を繰り返さないように情報をたくさん集めているため、嫌なことは妙に記憶に残る。

 また、嫌な出来事を忘れる方法としては、

完全に忘れるというのは難しいが、嫌なことをため込むことはよくないので、人に話したり紙に書いたりして外に出す。

方法が推奨された。また、楽しい時間が早く過ぎるのに対して、ツラい・退屈な時間を遅く感じるのは、

楽しい時はやっていることだけに集中するが、嫌な時や退屈な時は同じことを繰り返さないように周囲の情報を集めて記憶しようとするため、ゆっくり感じる。

と説明された。

 ここからは私の感想・考察になるが、以上の説明から生じた更なる疑問としては、
  1. 上記の説明は「楽しいこと」、「嫌なこと」自体の記憶ではなく、その「こと」に関係した諸刺激についての記憶のことを言っているのではないか? 例えば、「合格」を楽しいこと、「不合格」を「嫌なこと」とした場合、その事実自体は同じように記憶されるが、「不合格」の時のほうが、試験中の解答場面、合格発表時の周囲の様子などをいろいろ記憶しているという可能性がある。しかしだからといって「不合格」という事実そのものの記憶が強いとは言えないのではないか? であるとすると、そもそも当初の疑問「なぜ嫌なことは妙に覚えている?」というのは不正確であり、「なぜ嫌なことがあった時はそれが起こった文脈や周囲の状況まで詳しく覚えているのか?」と するべきであろう。
  2. 上記では、「将来同じ目にあわないように対策をするため」と説明されたが、悲しい出来事やツライ出来事の中には、死別のように、自分の力が及ばない出来事、一度限りのことで将来は起こりえない出来事もあるはず。その場合の記憶はどう説明されるのだろうか?
  3. そもそも、様々な出来事は、100%楽しいとか100%嫌だというように二分できるとは限らない。山登りなどもそうだが、部分的にはツライ体験があり、それらを繰り返した上で「登頂による達成感、見晴らし」といった楽しい体験にたどり着く。なので、「出来事"を微視的に見るか巨視的に見るかによって評価が変わってくるように思われるのだが、そうすると記憶の程度も基準・枠組みにより変わってくるように思われる。

 なお、「嫌な出来事を忘れる方法」については、忘れる方法というよりも想起しない方法を考えるべきであり、私は、関係フレーム理論に基づく対処法が有効ではないかと思っている。




 最後の3.の天井の模様は、放送では「トラバーチン模様」であると説明された。この模様は、視聴覚教室のような吸音・防音の目的で開発されたのかと思っていたが、実際は、そのような効果を期待しつつも、もともとは天然の石灰岩の石壁を模して見栄えをよくしたものであり、かつ、ネジや釘の跡が目立たないなどのメリットがあるため、コスト削減のために採用されたものであるらしい。

 放送では、日本人のよく見る模様として、
  • 「銀河」:窓ガラスに星の入った模様。昭和時代に流行した型板ガラスの一種。他にもいろいろな模様が製造されている。
  • 「ダマスク」:高級感を感じさせる模様で、ホテルや洋館などで使われる。
  • 「ヘリンボーン」:ニシンを開きにした時の骨の形に似ており、昨冬はトレンド柄として流行した。
が紹介された。そういえば、窓ガラスの模様は私の生家にもあったし、妻の実家には今でもそれらしき模様の入ったガラスが残っている。