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ツマグロヒョウモンの交尾。前翅の先端部表面が黒色地で白い帯が横断しているメスのほうが幾分大きく、主導的に飛んでいるように見えていた。 なお数日前、集団で飛行しているウスバキトンボの中に飛びながら交尾している個体を目撃した。メスが単独で産卵するということだが、この時期に産卵・孵化しても冬越しできないように思われる。 |
【連載】太陽系の基本知識を更新する(11)火星(5) 昨日に続いて、NHK「コズミックフロント: ●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」 についての備忘録と感想。 昨日の日記に記したように、バイキング計画による探査(1975年〜1976年)のあと、火星探査はいったん中断し、その後1990年代に復活した。放送では南極で発見された火星由来の隕石に生命存在の可能性を示す痕跡があり、このことが再び火星探査の追い風になったというように説明された。 もっともこの「有機物を含む隕石」の発見と、火星探査の復活については時系列的に矛盾があるような気がする。というのは、隕石の分析結果が発表されたのは1996年8月であったが、昨日引用の探査機打ち上げのリストによれば、「マーズ・オブザーバー」が打ち上げられたのは1992年9月でそれよりも早い。続く、「マーズ・グローバル・サーベイヤー(1996年11月7日打ち上げ)、マーズ・パスファインダー (1996年12月4日打ち上げ)は、隕石分析結果の発表の数ヶ月後であるが、発表を受けてから探査機を作ったとするにはあまりにも期間が短すぎる。 ということで、バイキング計画から約15年後の1992年6月に、マーズ・オブザーバーがどのような経緯で打ち上げられたのかについては、よく分からないところがあった。放送でもそのシーンがあったが、1つの理由は、クリントン政権(1993年1月〜2001年1月)が火星探査に前向きであったことが挙げられるかもしれない。また、火星由来の隕石についての1996年8月の発表は、マーズ・オブザーバーの打ち上げが失敗したことで火星探査の予算の縮小を求める動きに対して、対抗策として政治的に機能した可能性があるように思えた。なお、火星由来の隕石の分析についてはウィキペディアにも該当項目があり、南極で発見された「ALH 84001」のほか、エジプト・アレキサンドリアに落下した「ナクラ隕石」、インドに落下した「シャーゴッティ隕石」などについて現時点での見解や論争点などが紹介されている。 さて、放送ではマーズ・オブザーバーで復活したいくつかの探査機により、火星表面には、かなりの期間水が存在していたこと。それを示す川の痕跡や、水で運ばれて角が丸くなった岩石が存在することが明らかになったことが紹介された。 そして、次に登場した画期的な探査が、2004年1月に着陸成功した「スピリット」と「オポチュニティ」であった。それぞれ別の場所に着陸して動き回り、水の痕跡を探査した。この時点でのミッションは「火星に生命が存在するか」ではなく水の存在の有無に関心が向けられていた。 このうちスピリットはグセフクレーターに着陸し、すぐに写真の写真を始めた。ここは湖の跡であり水の痕跡があるのではないかと期待されたが、実際は火山性の玄武岩の平原で、水の流れの跡は確認できなかった。 いっぽう、オポチュニティはイーグルクレーター着陸し、水の痕跡を示す堆積岩の地層、地下水の痕跡、地層の中の小さな球体(=赤鉄鉱)などを発見した。 探査機の運用期間は当初は90日であったが、両機とも耐用年数を大幅に超えて働き続け、数々の成果をもたらした。 次回に続く。 |