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10月9日に放送された「ポツンと一軒家」で、 ●福岡・大分県境の山間集落 たった一軒が守り続ける伝統工芸 という話題を取り上げていた【TVerで視聴可能】。「伝統工芸」というのは「英彦山がらがら」で、日本最古と言われる土鈴【写真上】。赤と青は太陽と水を象徴。この土地では古くから魔よけなどに使われており、かつては十数軒あった窯元は、今では取材先の1軒だけになったという。これは珍しい土鈴だ、いちど見てみたいものだと妻に言ったら、なっなんと、以前から我が家の玄関口に吊ってあることが判明した【写真下】。毎日目に入っているのに全く気づかなかったとは...。 |
【連載】太陽系の基本知識を更新する(19)木星(3) 10月7日に続いて、NHK「コズミックフロント」: ●「冒険者たちが語る 太陽系のヒミツ」 についての備忘録と感想。引き続き木星を取り上げる。 ガリレオの次の探査機は、2011年8月に打ち上げられたジュノーであった。ジュノーはそれまでの探査機の経験から、
いっぽう、木星表面のジェット気流の原動力については、金属水素が関係していると推測されるものの、未だ解明されていない。なお、ウィキペディアによれば、ジュノーの探査は2018年2月に終了する予定であったが、運用期間が延長され2022年までの資金が提供されているという。任務終了後は、ジュノーに付着している可能性のある地球微生物をエウロパに持ち込ませないため、木星に突入させて処分する予定になっているという。特別の変更が無い限りには、まもなく実行されるものと思われる。 放送の終わりのところでは、今後の探査計画として、ヨーロッパ宇宙機関による「ジュース」が紹介された。このプロジェクトには日本も参加しており、11の観測機器のうち4つは日本製となっている。ジュースは、木星の放射線の詳細な観測のほか、表面の下に液体の水や氷を持つと考えられる、ガニメデ、カリスト、エウロパを主な観測対象としている。特にガニメデは太陽系の衛星の中で最も大きく、かつ磁場が確認されている。またエウロパと同様に海があるのではないかと推測されているという。放送では2022年に打ち上げとされていたが、ウィキペディアによれば2023年にアリアン5で打ち上げられ、2029年に木星系に到着、その後2033年6月まで観測を続けるという。 放送ではもう1つ、NASAが開発中の探査機「エウロパ・クリッパー」(2024年打ち上げ予定。公式サイトはこちら)や、氷の下の海を探索する別の計画なども簡単に紹介された。 ここからは私の感想・考察になるが、木星本体は、地球生物は全く住めない、というか、近づいただけで生命が奪われてしまうような過酷な環境であることがよく分かった。もっとも、火星のような有人探査の対象だけが惑星のすべてではない。各種の機器を通じて、岩石惑星以外の仕組みを解明することで、太陽系全体の成り立ちが明らかになってくるものと思う。 いっぽう、いくつか、氷の下に海をもつ衛星が存在していることも確認されつつある。そこには、地球型の生命ばかりでなく、地球生命とは全く異なる化学反応を利用してエネルギーを取り込んだり繁殖をしたりしている生命体が存在している可能性があるように思われる。もちろん、宇宙のどの場所でも、物理・化学の法則は同一であるが、地球生命の生存・繁殖方略だけが宇宙で唯一というわけではあるまい。もっとも、方略が異なる生物とは、棲み分けはできても共存・共生は困難であろう。 今回の放送やウィキペディアの情報によれば、ジュノーに続く探査計画の成果が期待されるのは、おおむね2030年代となる見込み。私個人としては80歳代に到達しており、果たしてその時まで長生きできるのかどうかは心許ないが、なんとかして、エウロパやガニメデでの新発見を知るまでは死にたくないものだ。2035年9月2日には日本で皆既日食が見られるはずなので(←秋雨前線の影響で天候は微妙だが)、当面はその日まで生き延びられるように日々精進したいと思っている。 次回に続く。 |