Copyright(C)長谷川芳典 |
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昨日の日記に美しい朝焼けの写真を掲載したが、翌10月28日の朝は雲が殆ど無い空となった。朝靄もやのせいか、太陽の輪郭が比較的はっきりした日の出となった。 |
【小さな話題】相対論と量子論から見た宇宙の始まりと終わり(4) 昨日の続き。 昨日の日記では、宇宙の始まりとビッグバンの間にインフレーションという現象が起こっているという須藤先生の説明を取り上げた。このことについて、橋本先生は素粒子論の立場から、数式を使って以下のように説明された。 まず数式1行目の右端にある宇宙定数Λ(ラムダ)が大きな値をとると宇宙は加速的に膨張する。しかし今は加速膨張はゆっくりになっているのでΛは小さくなっている。グラフを描くと、Λは時間とともに減少しており、これによって加速膨張がゆっくりとなっている事実は説明できる。しかしΛを定数であるとすると変化するわけがない。そこでΛは定数ではなくて他の物と関係しているのではないかという説が生まれる。数式の中に含まれているg、F、Ψ、Φは、電子やクォークなど素粒子の種類に対応しているが、その中にある特殊な素粒子があってだんだんと時間変化する、そしてその素粒子がΛに関わってその値をどんどん小さくしていったとすれば全部うまく説明できるような気がする。この仮想の素粒子はインフラトンと呼ばれているが、まだ観測されていないという。 このインフラトンというのは単なるつじつま合わせの仮説では無さそうであった。放送によれば、インフラトンは当初は高い位置エネルギーを持っており、そのもとではインフレーションが起こる。それが時間とともに急速に位置エネルギーを失うと加速膨張は終わり、その時のエネルギーは他の素粒子に受け渡される。これはあたかも滑り台を転げ落ちた物体によって滑り台の下のところの水たまりがはねるような現象に喩えることができる。そして、その時のエネルギーの受け渡しで他の素粒子が熱せられたことがビッグバンを引き起こす、というような説明であった。 インフラトンを見つけようとする研究は行われており、またすでに数式に反映されている素粒子の中にインフラトンが含まれている可能性もあるという。 このあと放送では、橋本先生についての簡単な紹介(「ある物理学者の部屋」)があった。それによれば橋本先生が素粒子物理学を選んだ理由は、「このすごくたくさん現象がある宇宙とか、人間の作業とか、そういうものは数えるほどしかない素粒子の種類で全部記述されることを知って、この宇宙の複雑なところからシンプルな本質だけを抜き出せるんじゃないか?」というところにあったという。ネットで検索したところ、こちらにもう少し詳しい紹介があり、抜粋引用させていただくと、以下のようになる。
次回に続く。 |