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各種報道によれば、現地時間の9月8日深夜、モロッコ中部のマラケシュから南西およそ70キロにあるハウズ州の山岳地帯でマグニチュード6.8の地震が発生。9月11日の時点で死者はすくなくとも2862人に達しているという。 モロッコと言えば、ちょうど1年前の9月にツブカル山登頂ツアーに参加したことがあり、伝えられている被災地域を通っていた。写真は震源に近いと思われる山岳地帯の風景。 モロッコの建物は崩れやすい構造のように見えたが、古い建物も残っていることから地震の少ない地域ではないかと思い込んでいた。今回の地震で、ツブカル山の登山基地となったイムリル村、あるいはマラケシュの旧市街なども相当の被害を受けたものと推測される。一刻も早い救出と復興を願うばかりだ。 なお、私が2022年9月に参加したのと同じ日程のツアーは、2023年は9月10日から20日に予定されていたようであるが、リンク先を見ると「募集終了」となっていたことからたぶん催行されなかった可能性が高い。仮に催行されていたとしても、大幅な日程変更、もしくは、カサブランカ到着後に引き返しを余儀なくされたものと思われる。 |
【連載】笑わない数学(2)虚数(2)ゼロとはどういう意味か? 昨日に続いて、NHK『笑わない数学で2022年8月17日に初回放送された、 ●虚数 のメモと感想。 放送では、自然数→有理数→無理数という数の拡張の続きとして、人類が受け入れるのに苦労した数として「ゼロ」と「マイナス」の概念が取り上げられた。 このうち「ゼロ」については、まず記数法(命数法)において、例えば「百二」を「102」と表す時に当初は「0」ではなく、数字ではない「●」という記号が使われていたこと、さらに商取引が盛んだった7世紀頃のインドで縦計算をする際に「●」が他の数字と同じように使われていたことなどが紹介された。 「ゼロ」の概念についてはウィキペディアでもいろいろな観点から解説されているが、私がいちばん重要だと考えるのは、いかなるa、bに対しても
「零の発見」はインドのグプタ朝時代(4〜5世紀)においてであった。6世紀頃に位取り記数法が行われるようになり、7世紀初めごろのインドの数学者ブラーマグプタの書物には、「いかなる数に零を乗じても結果は常に零であること」、また、「いかなる数に零を加減してもその数の値に変化がおこらないこと」という零の性質が記載されているという。と解説されており、記数法における「ゼロ」と、ゼロの性質についての発見は数百年程度のズレがあるようだ。 ゼロの概念を導入しても四則演算の法則に矛盾を生じることは無いが、1つだけ「ゼロで割ってはいけない」という例外事項を付け加えることが必要となった。ここで1つ、虚数が発見(考案)されたのと同様、ゼロのわり算についても、 任意の数a(但しa≠0)に対して、j=a/0 というように、aをゼロで割った値jを新しい数として定義することはできないのか?という疑問が生じる。このようにjを定義すること自体は間違いではないとは思うが、それを認めてしまうと、とんでもない混乱が生じてしまう。ウィキペディアをヒントにその一例を挙げてみると、
なお上述では「0/0=1」を前提にしているが、1つ前に述べた「a/0=j」という新しい数を導入した場合は、上の式は、
このほか、a/0=jというjを勝手に作ってしまうと、無限大の概念に抵触する矛盾が生じるように思われる。 次回に続く。 |