Copyright(C)長谷川芳典 |
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ウォーキングコース沿いの県道で、片側1車線を閉鎖してプラタナスの剪定が行われていた。清掃の手間を省くため、毎年、まだ落葉が始まらないうちに刈り取ってしまうため、黄葉の風景を楽しむことができないのが残念。もっとも、落葉が積もれば歩道上での転倒やスリップ事故が起こりやすくなるのでやむを得ないところか。 |
【連載】笑わない数学(5)非ユークリッド幾何学(2)第4公準の必要性?/錯角が等しいことの証明 昨日に続いて、10月4日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』: ●非ユークリッド幾何学 についてのメモと感想。 まず、昨日の日記で、 ●4番目の「直角は全て等しい」は、そもそもなぜこれが公理として必要なのかが分からなかった。 という点についてBingに「ユークリッド幾何学の4番目の公準に「直角はすべて等しい」というのがありますが、この公準が無いとどんな不都合が生じるのでしょうか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 ユークリッド幾何学の4番目の公準には、「直角はすべて等しい」というものがあります1。この公準が無いと、例えば、三角形の内角の和が180度にならない場合があります。また、直角が等しくない場合、同じ長さの辺を持つ二つの三角形が合同であるとは限らなくなります1。このように、直角が等しいことを前提としているため、この公準が無いと幾何学的命題を証明することが困難になる場合があります1。回答の中で「三角形の内角の和が180度にならない場合があります。」とあったが、これは5番目の公準があれば十分。4番目の公準を外しても「内角の和が180°になる」ことは成り立つのではないか、と思ってさらに質問を重ねたが、 おっしゃる通りです。5番目の公準である「平行線公準」があれば、4番目の公準を外しても「内角の和が180°になる」ことは成り立ちます。この場合、三角形の内角の和は180度になります。しかし、平行線公準が無い場合、三角形の内角の和が180度にならない場合があります。このように、直角が等しいことを前提としているため、この公準が無いと幾何学的命題を証明することが困難になる場合があります。.という回答をいただいた。しかし、私にはイマイチよく分からないところがある。おそらく図形の相似を定義する際に、「同じ角度」が問題になるためかと思う。最も相似自体は(角度を使わなくても)辺の長さの比だけで定義できる。また、例えば「直角はすべて等しい」という公理を、 ●直角は、αという直角と、−αという直角があり、2つの角を合わせるとゼロになる というように置き換えた場合に別の「非ユークリッド幾何学」が構築できるのかどうかもよく分からない。 元の放送内容の話題に戻るが、放送では続いて、ユークリッド幾何学の5つの公理だけから「平行線の錯角は等しい」ことを証明する方法が紹介された。なお、現在の中学校の学習指導要領には、公理からの証明は含まれていないという注記があった。なお以下の記述は図示せず言葉だけで説明するため、適宜、補足してある。
放送では続いて、尾形さんが「三角形の内角の和は180°である」ことを証明した。方法は、
ここからは私の感想・考察になるが、私が中学生の頃には確か5.の公理は「平行線の錯角は等しい」となっていて、「直線と点があるとき、点を通って直線に平行な直線は1本しか引けない。」というのは後から証明されるべき定理であるように教わったような記憶があった。というか、「錯角は等しい」自体を証明せよという問題は出されなかった。放送の注記にもあったように、中学校の学習指導要領では、「錯角が等しい」は自明のものとして扱ってよいとされていたためかもしれない。 あと、上掲の「2つの錯角が等しくない」というのは「常に等しくない」ではなく「等しくない場合がある」という仮定であり、その場合には「2つの点の間に2本の直線が引ける」となることを導くものであったが、考え方としては、 ●2つの錯角が等しい場合もあれば等しくない場合もある と場合分けした上で、2つの点の間に引ける直線は、錯角が等しい場合には1本、それ以外の場合は無限の本数引ける、というように拡張できそうな気もしたがそういう「非ユークリッド幾何学」が創れるのかどうかはよく分からない。もちろんその場合、どういう条件の時に限って錯角が等しくなるのか、場合分けする必要があるだろうが。 次回に続く。 |