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4月から始まった新プロジェクトXの第二話で、 ●弱小タッグが世界を変えた〜カメラ付き携帯 反骨の逆転劇〜 という話題が取り上げられた。そう言えば、私が最初に使った携帯電話は、J-PHONE(但しカメラ無し)の名前の入った機種で、プリペイド方式のため、旅行先で連絡が必要な場合などに限って使用していた。 使い始めた時点ではボーダフォン、さらにソフトバンクモバイルへと移行したが、2008年に犬に囓られて消滅した。以後、2022年まで、携帯やスマホを使わない生活が続いた【←タブレットでWi-Fiによる通信は利用していた】。 |
【小さな話題】『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』と『新プロジェクトX』 4月から表記の番組が始まった。いずれも過去の放送の続編となっている。以下、ネタバレあり。 まず『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン2』だが、これまでに、 の2話、これらを含めて5月までに8話が放送される予定だという。 2話までを視た限りでは、過去の放送分に比べるとストーリーが単純で意外性に乏しい展開となっており、イマイチ物足りなさを感じた。 もっとも、この話題を日記に書こうとした時に初めて気づいたのだが、私は、
星新一と藤子・F・不二雄はいずれも偉大な作家ではあるが、昨年4月21日にも書いたように、星新一原作のドラマのほうが時代設定のスケールが大きく、人類存亡にかかわる諸問題に触れているように思う。ちなみに、リンク先で言及した『笑ゥせぇるすまん』は、YouTube動画で配信されたものは全編視聴している。最初からハッピーエンドは期待していないので、結末に後味の悪さを感じることもない。 もう1つの『新プロジェクトX』は18年ぶりの復活になるという。3月28日には、放送直前スペシャルが放送され、前シリーズの歴史や裏話、新番組の紹介などが行われた。 この直前SPによれば、前シリーズは2000年から2005年まで放送されていた。放送期間は意外に短かったという気がするが、ウィキペディアによれば、全放送作品は191本(正式な放送回数としてカウントされた作品187本 + 特別編4本)という膨大な量にのぼる。取材の対象となったのは、終戦直後から1995年地下鉄サリン事件のあたりまでであったようだ【2000年のシドニー五輪女子ソフトボールなども取り上げられており、一番新しい取材対象が何であったのかは未確認】。 私自身もこちらの連載リストにあるように、いくつかの作品について感想を述べたことがあった。 このSPでは言及されていなかったが、前シリーズはどちらかと言えば不本意な終わり方をしていた。ウィキペディアにはその経緯が以下のように書かれている。 ...2004年に入ってからはマンネリ化やNHK自体の不祥事が相次いで発覚したことなどにより視聴率が頭打ちになり始める。当番組でも2004年に『プロジェクトX21展』と称した特別展を開催した際、協賛企業から最高で3150万円の協賛金を集めていたことが衆議院総務委員会で取り上げられた他、2005年5月10日放送分においてやらせが行われていたことが判明。2005年9月22日、同年12月での番組の終了が発表された。通常4月の改編期に一斉に改変を行うNHKにおいて、それを待たずの終了は打ち切りを示唆するものだった。 私自身は、当時の放送内容に対しては比較的冷めた見方をしており、3つのタイプの演出効果として考察したこともあった。私自身の好みのタイプとしては、
さて、新プロジェクトXではどのような話題が取り上げられるのだろうか。SPで紹介された年表を見ると、
上記年表には含まれていないが、『QRコード』や『LINE』の開発秘話などはぜひとも取り上げて欲しい内容だ。 前シリーズ以降最大の出来事と言えば4番目の新型コロナではないかと思うのだが、そもそも新型コロナ対策のどの部分が成功し、どの部分が反省点として残ったのかを総括することは難しい。多くの医療従事者がたいへんなご苦労をされたことは言うまでもないが、プロジェクトX的にはどう捉えられるのだろうか。 さて、新シリーズは4月以降これまでに、
の2本が放送されている。 スカイツリーの話はそれなりに感動的であったが、そもそもあのような巨大プロジェクトでは、個人は工程に従って着実に職務を遂行することが大前提であり、職人技や熱意で左右されるものであってはならないという気もする。 放送ではスカイツリーの3つの足が、東側は村松組・西中建設。北側は鈴木組。西側は宮地建設というように別々の担当で作られていったというが、本来、こうした巨大プロジェクトであれば、3者の連携・協力が求められるべきであり、知恵や教訓は当初から共有されなければならず、競争やライバル心で動くものではないようにも思われた。 2本目のカメラ付き携帯では、「カメラ付き」というアイデアに焦点をあてるのか、小さな携帯電話機器の中にどうやってカメラの回路を組み込み正常に作動させるのか、という2つの話題があったと思うのだが、焦点が絞り切れていないように思われた。後者の解決は殆ど一人の技術者に委ねられており、また技術上の秘密情報もあるのか、あまり詳しくは紹介されなかった。 いずれにせよ、せっかく成功しながら「反骨の逆転劇」とか「世界を変えた」というほどの持続的な成果には繋がらず、シャープがカメラ付き携帯の絶対王者として君臨することは無かった。 |