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半田山植物園のナリヒラダケの茎に地衣類のようなものが付着していた。Googleレンズで検索したところ、こちらに詳しい説明があり、『Stereostratum corticioides (メダケ赤衣病菌、めだけあかごろもびょうきん) 』であることが分かった。 リンク先によれば【抜粋。長谷川による要約改変あり】、
なお、引用元のoso的キノコ写真図鑑には膨大な数の写真が収納されており、大いに勉強になる。 |
【小さな話題】TV番組よりYouTubeのほうが面白い(3)将棋解説動画の魅力 昨日に続いて、最近ハマっているYouTube動画の話題。本日は、表記の将棋解説動画の魅力について考察させていただく。 将棋解説動画は、元奨励会員アユムの将棋実況を初め、多数のチャンネルがあり、タイトル戦などが行われるたびに、実況解説や勝因、変化手順などの解説が行われている。 こうした解説動画の「乱立」は、藤井聡太八冠人気に依るところも大きいが、いちばんの理由は、AIの進歩により、誰でも最善手を知った上で実際の対局を観戦できるようになったという点にあるように思う。 AIの進化は、シャーロック・ホームズ型のドラマから、刑事コロンボ型の倒叙形式のドラマへの転回をもたらした、とも言える。 AIの棋力がまだ初心者並みであった時代は、プロ棋士同士の対局は雲の上のハイレベルの戦いであり、一般観戦者は、他のプロ棋士の大盤解説などを通じて、一手一手の意味や予想手を教えてもらうことしかできなかった。また、あまりにもハイレベルになると、解説者でも形勢や最善手が分からなくなり、当然一般観戦者もどこが勝敗の分かれ目になったのか分からないままに終わってしまうこともある。 しかしいまやAIの棋力はプロ棋士を遙かに凌ぐようになり、AIによる形勢判断や最善手の表示を見ながら観戦できるようになった。 AIとトップ棋士たちとの対戦でAIが圧勝するようになった当初は、これで人間が指す将棋というゲームはオワコンになるという声もあった。しかし実際には、AIが示す最善手をどこまで発見できるのか、細い勝ち筋をどこまで繋ぐことができるのか、あるいは、最善手とは言えないが相手のミスを誘うような「毒饅頭」に対してどこまで読み切ることができるのか、といった人間同士でなければ見られない対局の面白味を楽しむことができるようになった。 これは、機械がいくら進歩しても、人間が機械に取って代わられるわけではないことを意味する。スポーツの世界を見れば分かるが、今の技術を活用すれば、マラソンを1時間で走ったり、100メートルを5秒で走ったり、あるいは走り高跳びで10メートルを超えるようなロボットを作ることは可能であろうが、だからといって生身のスポーツ選手がロボットに置き換わるわけではないのと同様である。 元の話題に戻るが、細い勝ち筋をつなげて勝利するというようなことはAIであればいとも簡単にできるかもしれない。しかしそれを生身の人間がやり遂げたというのはスゴいことであり、だからこそ観戦者は感心するのである。これはAIの進歩で最善手が計算し尽くせるようになったからこそ実現した。 冒頭に挙げさせていただいたアユムさんは、「水匠」というソフトを使って解説動画を作成しているという。もちろんアユムさんご自身も元奨励会会員であり相当の棋力の持ち主ではあるが、AIがあればこそ瞬時に最善手や変化、形勢判断を行うことができる。これは上にも述べたように、倒叙形式に似た解説を意味している。実況中継では、視聴者たちは、これが最善手だと知った上で対局者がそれを指すか指さないか、固唾を呑んで見守る。また、時には「毒饅頭」に引っかかって大逆転になるということもある。そうした一手一手の意味や、それがいかに見つけにくい手であったかなどを分かりやすく示し、盛り上げていくのが解説動画の役割であると言えよう。 公式戦の対局の棋譜を別の動画の中で再現することについては、現在のところ、棋譜は「公表された客観的事実。自由に利用できる情報」という判決が出ており、特に違法性はないようだ。これまでのところ、各種の将棋解説動画が多くの視聴者を集めることは結果的に将棋人口を増やし将棋界の発展に貢献しているように思われる。もっとも棋譜が直ちに引用できるとなれば、タイトル戦のスポンサーがお金を出す意味が無くなり、賞金や運営費をまかなえなくなる恐れがある。またプロ棋士の大盤解説よりもAI活用の解説動画のほうが分かりやすいということになればプロ棋士たちの生活が苦しくなる恐れがある。このあたりのことは私にはよく分からない。 次回に続く。: |