【連載】チコちゃんに叱られる! 「くしゃみをする時目を閉じる」
昨日に続いて、6月14日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- バスケットボールの得点が2点なのはなぜ?
- ハワイのお土産といえばマカダミアナッツチョコレートなのはなぜ?
- くしゃみをするときに目を閉じるのはなぜ?
という3つの話題のうち、最後の3.について考察する。
くしゃみをするときに目を閉じる理由について、放送では「目玉が飛び出るかもしれないから」が正解であるとされた。生活習慣病を初め人体について25年以上研究を続けている工藤孝文さん(内科医)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 口・鼻・目は顔の奥でつながっており、くしゃみをした時に目のほうにも空気が流れていく。
- くしゃみをする時に目を開けていると、その空気の圧力で目を押し出してしまう可能性がある。
- 目薬をした時に口で苦味を感じるのは、目薬が鼻涙管を通って鼻から口に流れ込むため。
- そもそも人間は目を開けてくしゃみができないと言われている。実際に3人がくしゃみをした時の映像を見ると3人とも目を閉じていた。
- くしゃみの最大速度を測った研究【Mengtao Han, Ryozo Ooka, Hideki Kikumoto, Wonseok Oh, Yuchen Bu, Shuyuan Hu. (2021). Experimental measurements of airflow features and velocity distribution exhaled from sneeze and speech using particle image velocimetry. Building and Environment, 205, 108293.】によると、くしゃみの最大瞬間速度は秒速15.9m、時速に換算するとおよそ57.24km。
- くしゃみをする時に鼻や口を閉じると、車と同じくらいのスピードの空気が勢いよく目に流れてしまい、目玉が飛び出る可能性がある。そのため目を閉じて押さえている。
- さらに、目を閉じると瞬間的に鼻腔が膨み、鼻の空気の通りがよくなる。実際、岡村さんの鼻の穴の横幅を測ったところ、目を開けている状態では1.2cmだったものが目を閉じると1.5cmに広がることが確認された。
- くしゃみをする時の目を閉じる強さは、くしゃみをしない時に力いっぱい目を閉じている状態よりも強い。嶋脇聡さん(宇都宮大学)の研究室で筋電図による電流の大きさを比較したところ、ある女性の場合、
- 目を力いっぱい閉じている状態では0.4ミリボルト
- くしゃみをした時は0.5ミリボルト以上
であり、くしゃみをした時のほうが最大の筋力がかかっていることが確認された。
- くしゃみは全身運動であり、ぎっくり腰、ぎっくり首、ろっ骨にヒビ、などになる恐れがある。
- ということでくしゃみが出そうになった時は、壁に手をついて急激な前屈を防ぐことが大事。
- くしゃみを我慢しようとして鼻をつまみ、口を閉じると空気の逃げ道がなくなるため、目玉が飛び出るだけでなく、のどの奥が破裂したり、鼓膜が破れる危険性がある。
ここからは私の感想・考察になるが、このクイズが出されたとき、私は「目玉が飛び出さないためだろう」という考えが浮かんだので、正解を出すことができた。
ちなみに、私自身は、物を口に入れる瞬間、咳をする時、あくびをする時、ウンチを出す瞬間などにも目を閉じている。また数年に一度程度のことなのでハッキリした記憶は無いが、気分が悪くなって嘔吐する時にもおそらく目を閉じるのではないかと思う。
放送では「目玉が飛び出るかもしれないから」が正解とされていたが、実際に目玉が飛び出したという話は聞かないので、おそらく「鼻の空気の通りがよくなる」効果のほうが大きいように思う。もっとも、通常、くしゃみの空気は大部分は口から出ているはずだ。
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