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岡山では10月29日の夕方から30日の01時頃まで雨が降ったが、その後は晴れ上がり、日の出前には月齢27の月や、霧に包まれた備前富士(芥子山)を眺めることができた。なお、月はこの日の朝7時50分に最遠。 |
血液型と出身県で病気リスクや体質が分かるか?(10)「県民性」ではなく個々の遺伝子型で 昨日に続いて、「カズレーザーと学ぶ。」で9月10日に初回放送された、 ●血液型と出身県でわかる!最新タイプ別の病気リスク&太りやすい体質の県 についてのメモと考察。今回で最終回。 放送の終わりのあたりでは縄文人由来の遺伝的変異をどの程度持っているのか、ということが体質をある程度左右していると解説された。 まずお酒の強さの地域性は縄文人遺伝子の影響であるという。【以下、要約・改変あり】。
最後に補足説明として、「今回の話題から悪いものを持っているという印象を持たないでほしい」と要望があった。遺伝的な弱さはみんな持っており、しかもみな歴史的な事情で持っている。悪い変異だから排除しましょうということになったら、みんないなくなってしまう。そうではなくて、みな遺伝的な弱さを持っているのだから補いながら生活することが重要なポイントであると強調された。 ここからは私の感想・考察になるが、お酒の強さ、中性脂肪の溜めやすさ、肥満、アレルギーなどの特徴を『県民性』と結びつけることにはやはり無理があったように思われる。すでに述べたように、今の世の中ではいろいろな都道府県を移り住む人も多く、出身県がどこかというだけで縄文人度合いを当てることはできない。けっきょく縄文人由来変異保有率が重要ということであるなら、各自のゲノムや出身県以外の別の情報を利用すれば済むことだろう。太田博樹さんもその点はふまえておられたが、民放の番組ということもあってどうしても県民性にこだわりたかったのかもしれない。 縄文人については、2023年3月9日の日記で、 ●「縄文人はスゴい!」のウソホント という話題を取り上げたことがあった。またネット上でもいろいろと拡散されているように、顔の特徴、(今回の放送でも紹介された)体質などから自分の縄文人度合いを調べることはできる【←インチキなものもあるが】。 このほか、過去日記をざっと検索したところ、
なお、縄文人由来変異保有率が高いか低いかということと、自分の祖先が縄文人か弥生人か、ということは区別して考える必要がある。上掲のお酒の強さ弱さの場合もそうだが、我々が両親から遺伝子を受け継ぐ時にはいろいろな組合せがあり、同じきょうだいでも縄文人由来変異保有率が高かったり低かったりというように変化するはずだ。同じきょうだいなら祖先も同じはずなのに、兄の祖先は縄文人、弟の祖先は弥生人などというのは間違った話であることがすぐに分かる。 もちろん、ある地域にかつて縄文人が多く住んでいた場合、その地域で独自の食文化や飲酒習慣が形成される可能性がある。その後他地域から弥生人が移り住んできても元の文化や習慣が受け継がれていくのであれば「県民性」が生まれる可能性もある。その場合、縄文人由来変異保有率はわずかながら県民性の説明ファクターになるかもしれないが、あまり説得力は無さそう。じっさい、今回の放送で示された女性のBMI、5歳児のBMI、中性脂肪の溜まりやすさなどの県別比較図は、縄文人由来変異保有率の比較図とシンクロしているようにも見えるがかなりの例外もある。東北地方で共通性が高いことで全体がシンクロしているように見えるが相当数の例外もあるので、あまり強調しすぎるとコジツケになってしまいそうだ。結局、これ以上「県民性」と関連づけることには意味は無く、実用的価値も殆ど無いように思われた。ま、研究の方向は「遺伝子タイプに合った個別医療」を目ざすということなので大いに意義深いとは思うが。 |