じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 一週間前に訪れたタオル美術館で見かけたキティちゃん。タオルの芯を組み合わせて作られている。集合写真しか撮っていなかったので写真の一部にモザイクをかけてある。
 写真下は今回の放送に登場した着ぐるみ。今回に限らないが、着ぐるみでは「鼻」の部分が黄色に点滅し、何かを喋る時には口のように見えてしまう。↓の記事参照。


2024年12月29日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「キティちゃんのリボン」/キティには口はあるか?

 昨日に続いて、12月27日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
  1. カニの値段が高いのはなぜ?
  2. キティちゃんがリボンをつけているのはなぜ?
  3. 身に覚えのない罪を「濡れ衣」というのはなぜ?
  4. 「善玉」「悪玉」ってなに?
  5. 【ひだまりの縁側で…】2024年 重大チコニュース/Q.2024年の反省点は?
という5つの話題のうち、2.について考察する。

 キティちゃんがリボンをつけている理由は、放送では「人々の心と心を結ぶため」であると説明された。

 日々キティちゃんの魅力を発信し続けている山本淳美さん(大手エンターテイメント会社広報【←社名は伏せられていたが、サンリオであることは見え見え】)&ナレーション&担当ディレクターによる解説・諸情報は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 赤いリボンをつけたキティは今年で50周年を迎えた。大人から子どもまで今や知らない人は殆ど居ない人気キャラクターになっている。
  2. 1974年の誕生当初のファンは小さな女の子だったが、1987〜1988年にモノトーンやタータンチェックなどのファッショントレンドを取り入れてから徐々に高校生、大人へと人気が広がった。
  3. 1996年に、それまでのリボンの代わりにハイビスカスをつけたデザインが登場し、当時のギャルたちの心をつかんだ。熱心なキティファンは『キティラー』と呼ばれるようになった。日本国内ばかりでなく、レディ・ガガやケイティ・ペリーといった海外スターもファンになった。
  4. キティちゃんはれっきとした日本発祥のキャラクターである。
  5. プロフィールによると、キティちゃんはロンドン郊外で生まれた女のコであり、パパは『ジョージ』、ママは『メアリー』、色違いのリボンをつけた双子の妹ミミィ【←リボンはキティとは逆で向かって左側についている】、パパが誕生日にプレゼンとしてくれたペルシャ猫のチャーミーと一緒に暮らしている。
  6. キティは「みんななかよく」を伝えるメッセンジャーとして活躍しているキャラクター。
  7. 「リボンを結ぶ」ということから、人と人の心を結んでなかよくなるという意味を込めてリボンをつけている。
  8. 「人は一人では生きていけない」というサンリオ創業当時からの思いのもと、支えあい・助けあう心を大切にしている。

 ここからは私の感想・考察になるが、私自身は、ハローキティというキャラが存在することは知っているものの、何かのアニメの主人公として人気を得ているのか、それとも家紋と同じように衣装のデザインとして使われているだけなのかについては何も知らなかった。リンク先によれば、コミック化やアニメ化もされているようだが、ドラえもん、スヌーピー、ムーミンなどのようにストーリーが先にあってそこから出てきたキャラクターとは経歴が異なっているようである。

 ところで、ウィキペディアには、キティの口について以下のような記述がある。
  1. キティには口が描かれていないが、「口がない」のではなく、見ている人と感情を共有できるようにあえて「描かない」とされている。また、「思いやりや優しさを言葉だけでなく態度で示そう」というメッセージも込められている。
  2. アニメ版では、表現上口を描かないわけにもいかないので口がある(口が描かれていないのに喋れるキャラクターはロボットのみである)が、現デザイナーである山口は「初アニメ化の際に口をつけたのは失敗だった」と語っている。2006年度制作の『ハローキティ りんごの森シリーズ』では口がない。
 もっとも、上掲の写真下にあるように、着ぐるみでは「鼻」の部分が黄色に点滅し、何かを喋る時には口のように見えてしまう。キティはあまりにも有名になっているため、口が描かれていなくても自然な顔であるように見えるが、じっと見つづけると何だか宇宙人のようで不気味な感じがしないでもない。

 ちなみに、口なのか鼻なのか見分けがつかないキャラとしては、ウサギの女の子のミッフィーが知られている。ネットで検索したところ、こちらに、
――愛らしいミッフィーですが、なぜ口が「×(バッテン)」なのでしょうか?
広報担当者 作者のブルーナさんがウサギの顔を見た時に、鼻から口の部分が「×」に見えたそうです。それがそのまま「ミッフィー」の姿となっています。
という説明があった。私はミッフィーの「×」は鼻であって口は描かれていないと思っていたが、どうやら口と鼻の両方を表しているらしい。

 もとの話題に戻るが、動物が可愛らしく見える要因の1つとして、口元が「ω(オメガ)」の形をしていることが挙げられる。このことは過去日記でも何度か取り上げたことがあった。
  • 2018年6月9日:動物のω(オメガ)と「もふもふ」
  • 2019年6月14日:又吉直樹のヘウレーカ!「“かわいい”ってどういうこと?」【翌日以降に続編あり】
  • 2020年12月25日チコちゃんに叱られる!「なんで猫はカワイイの?」
じっさい、こちらにあるように、ネコの可愛さの一因は口元にある。そういう意味では、

●動物が可愛く見える一因は口元にあると言われているが、口が描かれていないキティちゃんが可愛く見えるのはなぜ?

というのは大きな謎である。あくまで私の考えだが、キティちゃんの「可愛さ」というのはネコのペットなどの可愛さとは異質であり、自分とは独立した、独り立ちした存在としての魅力にあるのではないかと思われる。なお、Copilotに上記の疑問について尋ねてみたところ、以下のような回答をいただいた。
ハローキティが可愛く見える理由はいくつかあります。口が描かれていないことが、実はその魅力の一つです。
  1. 感情の投影:口がないことで、見る人がキティちゃんに自分の感情を投影しやすくなります。悲しい時には悲しそうに、嬉しい時には嬉しそうに感じることができるのです。
  2. シンプルなデザイン:シンプルなデザインは、視覚的に心地よく、誰にでも親しみやすいです。複雑でないため、誰もが共感しやすいキャラクターとなります。
  3. 目の大きさ:大きな目は、多くの人にとって可愛さの象徴です。目が大きいと、キャラクターが子供っぽく見え、保護本能をくすぐる効果があります。
  4. 丸みを帯びた形:キティちゃんの丸みを帯びた形やふっくらした輪郭も、可愛らしさを引き立てています。丸みは柔らかさや温かさを感じさせます。
これらの要素が組み合わさることで、口がなくてもハローキティは非常に可愛らしく見えるのです。



 今回の放送ではキティちゃんは誰の創作なのか、全く触れられなかった。ウィキペディアによれば、ドラえもん、スヌーピー、ムーミンなどと同じような意味での作者は存在せず、代わりに、デザイナーとして、
  • 清水侑子(初代。1974年 - 1976年)
  • 米窪節子(2代目。1976年 - 1979年)
  • 山口裕子(3代目。1980年 - )
が挙げられていた。なお、『サンリオ』の社名の由来についてはウィキペディアでは諸説ありとされており、
  • サンリオの公式な説明として、スペイン語で「聖なる河」を意味する San rio に由来するとしている。
  • サンリオの「サンリ」は「山梨」の音読みであり、残るオは「オウ、オウ、オウ」という叫び声が聞く者を陶然とさせるから。
などが挙げられている。

 今回の放送ではキティちゃんの着ぐるみが登場しており、NHKの番組が特定企業のキャラを扱ったという点では異例という気もした。私自身が違和感を覚えたのは、デザインや人形のキティちゃんがほぼ2頭身であったのに対して、着ぐるみは4頭身〜5頭身で顔が小さすぎた点であった。ほぼ3頭身のチコちゃんに合わせればよいのではないかとも思ったが、CGで映像化されているチコちゃんと異なり、生身の人間が中に入っている着ぐるみでは2頭身、しかも胴体より頭のほうを大きくするというのは物理的に難しいのかもしれない。
 このことを含めて、キティちゃんの顔や容姿は、デザイン、人形、着ぐるみでは随分とバリエーションがあるように見える。にもかかわらず同一のキティちゃんとして受け止められているところもまた興味深い。

 次回に続く。