じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 1月10日の夕食時に食べた七草粥。七草の材料は1月6日に買ってあったのだが、妻が忙しかったため、食べたのは1月10日になった。残念ながら私自身はうまく作ることができない。
 12月下旬に孫たちが来た時は盛大にクリスマスパーティをしたが、皆が帰ったあとの正月はこれといったおせち料理はなく、お雑煮も作らなかった。夫婦だけで暮らしているとどうしてもあり合わせの食事になってしまうが、可能な限り年中行事を盛り上げたいとは思っている。といって私自身は料理嫌いであり、一人で食べる時はどうしてもレトルトやスーパーの惣菜に頼ってしまう。

2025年01月11日(土)




【連載】NHK『ダークサイドミステリー 神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論(3)ソーラン節、古代テュルク語、日本語に他言語と類似した単語が多く見つかる理由

 昨日に続いて、2024年11月29日に再放送された表記の放送についてのメモと感想【初回放送は2023年7月13日】。

 本日は、昨日の日記に関して3点ほど補足させていただく。
 1つ目は『ソーラン節』の「ヤーレンソーラン」がヘブライ語では「ヤーレン」は「神に喜び」、「ソーラン」は「一人歌う者」という意味になっているという話題だが、ウィキペディアではヘブライ語との共通性は特に記されておらず、代わりにいくつかの説が紹介されていた。「ヤーレン」はおそらく民謡などの囃子ことば「ヤレ」に由来すると思われる。「ソーラン」についてはウィキペディアでは、

「元はソーラ、ソーラァだったが、青森県のような寒冷で風の強い地域では、大きく口を開いてラァの音を作ることが困難だった。そのため口が結ばれ、ソーラァがソーランになった。しかも荷役のような力仕事では、口を結べば腰を落とせ、作業効率の上でも好都合だった」と考察している。

と記されていた。「ソーラ」の起源は不明だが、物を投げ渡す時などの「そーれ、投げるぞ」に由来、さらにそのもとは「それ」が語源ではないかと思われる【←長谷川の全くの個人的推察】。

 次に、余談として「私がお世話になっていた某先生が定年退職後にトルコ語(チュルク語)と日本語の類似性に興味を持ち、かなりの資料を収集していた。」と記した点であるが、ネットで検索したところこちらに研究成果についての詳しい紹介があった。
ご著書は総説以下三部の構成です(出版迄に一部変更される場合も有り得ます)。

○ 総説「騎馬民族がもたらした古代テュルク語」では、「突厥族及び日本民族の原郷、古代テュルク語(オルホン・エニセー碑文)とその文字・文法、その中に見る日本語の語源、日本語の訓読との関係」等基本的内容を取上げます。
○ 第1部「生活の基本となった用語とその語源」は、「明るくなる」、「黒い、暗い、暮れる、たそがれる」、「とる」、「うつ」、「かたい、かためる」、「やわらかい、和らぐ、弱る」、「すごい」、「きれい」他の用語についての検証です。
○ 第2部「日常的な用語とその語源」は、「かえる、かえす」、「ひっくりかえる、ぐらっとくる」、「あら」、「ひざをつく、嘘をつく」、「かぶる、かぶせる」、「うとうと、うつらうつら」、「ぶすっと」他の言葉についての検証です。

 なおこの先生は2015年に91歳の誕生日を迎えられたとのことなので今年101歳になられるはずだが、私自身は同窓会費は一度も払っていないし、Eメールは非公開、住所も「定年退職に伴う隠遁生活のため郵便物一切不要」として届けているので【←それでも郵便番号だけから同窓会案内が届いたことがあるが】、残念ながらその後のことは存じ上げていない。いずれにせよ、せっかくのライフワークが言語学の学界では注目されず同窓会の回想ネタとして語られるだけというのはまことに残念な気がする。

 3つ目の補足は、ヘブライ語と日本語の類似性に関するものであるが、放送ではヘブライ語の1つの動詞の活用が主語の人称や性別、時制の組合せによって68種類にも変化することから、その中には偶然日本語と同じ発音をする語が見つかっても不思議ではないと指摘されていた。確かにそのような理由も1つであるが、私は日本語のほうにも他国語の発音と類似しやすくなる特徴があるのではないかと思っている。2022年2月26日の日記で述べたことがあるが、日本語では50音1文字に「く、う、す、つ、ぬ、む、る」をつけただけの動詞が多数存在し、中には「ひく」のように多義構造を持つものもある。さらに動詞以外も含めれば、例えば「あ」のあとに50音をつけた2文字語としては、

●あい(愛)、あう(会う)、あお(青)、あか(赤)、あき(秋)、あく(悪、空く、開く)、あさ(朝、麻)、あし(足)、あす(明日)、あて(宛て)、あと(後、跡)、あな(穴)、あほ(阿呆)、あま(尼、亜麻、海女)、あみ(網)、あむ(編む)、あめ(雨)、あや(彩、綾)、あり(蟻)、ある(或る、有る)、あれ(代名詞)、あわ(泡、泡)、あん(餡、案)

というように色々な言葉を挙げることができる。
 なので他の言語、特に「母音」と「子音プラス母音」が基本となって発音される言語と比較すれば偶然的に類似したことばが見つかる可能性が高まるように思われる。

 念のためCopilotに「日本語のように「母音」と「子音プラス母音」が基本となって発音される言語は外にもありますか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
はい、あります。「母音」と「子音プラス母音」のパターンを持っている言語は他にも多く存在します。例えば、以下の言語がその一例です。
  • ハワイ語(Hawaiian)
    ハワイ語はほとんどの音節が「子音+母音」または「母音」から成り立っています。言語全体に母音が豊富で、メロディアスな響きを持っています。
  • タガログ語(Tagalog)
    フィリピンの主要言語であるタガログ語も「母音」と「子音+母音」が基本の組み合わせです。例えば、「maganda」や「kaligayan」などの単語があります。
  • スワヒリ語(Swahili)
    スワヒリ語も多くの単語が「子音+母音」のパターンで形成されています。「Jina≫(名前)や、 ≪Rafiki≫(友達)のように、リズム感があり、覚えやすい特徴があります。
  • ハンガリー語(Hungarian)
    ハンガリー語もまた、多くの音節がコンソノント+ボウエル(母音パターン)で構成されています。この言語特有のため、特に歌ったり詩を読む時にリズムが重視されます。
以上のような言語に共通する特徴は、発話にリズム感やメロディを与えることが多く、学習者にとっても比較的発音しやすいとされています。
 「母音」と「子音プラス母音」のパターンを持っている言語はカタカナで表しやすいように思ったが、例えばハンガリー語では母音が14種類もあるという。
 スワヒリ語は5母音を区別して使う言語であるというが、日本語にない子音があるという。なおリンク先に記されているように、日本語の発音は必ずしも50音表の通りではなく、
  • いくつかの子音が[i]を伴うと類似した別の子音に変わる。
  • 認識されていないが、日本語には「ng’」という音がある。
という特徴がある。発音とは関係ないが、日本語とスワヒリ語の違いとしては、

コトバ化の有無・志向性・強さ、事象叙述と状況依存、状況的・主体的表現、自動詞・他動詞表現」があげられます。このほかにも例えば、物事が主語になり人に働きかける表現である「物主構文」など種々の面で両言語間には多くの相違があります。

といった点があるという。なかなか興味深い。

 次回に続く。