じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】チコちゃんに叱られる! 「指をこする体験」「ルビの語源」 昨日に続いて、1月17日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
まず、3.の『こんなんのコーナー』だが、この体験の方法は以下の通り。もっとも言葉だけで表すのは難しい。
このコーナーではお馴染みの坂井建雄さん(順天堂大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
4.の「なぜふりがなを『ルビ』という?」については、放送では「宝石のルビー」が正解であると説明された。日本語の歴史に詳しい今野真二さん(清泉女子大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
明治時代からの日本の活版印刷用語であり、「ルビ活字」を使用し振り仮名(日本語の場合)やピン音(中国語の場合)などを表示したもの。日本で通常使用された5号活字(10.5ポイント相当)にルビを振る際、7号活字(5.25ポイント相当)を用いたが、一方、イギリスから輸入された5.5ポイント活字の呼び名がruby(ルビー)であったことから、この活字を「ルビ活字」とよび、それによってつけられた(振られた)文字を「ルビ」とよぶようになった。明治期つまり19世紀後半のイギリスでは活字の大きさを宝石の名前をつけてよんでいた。放送中の画像では「※諸説あり」という但し書きがあったが、上掲以外にどのような説があるのかは分からなかった。なお中国語では「漢字注音」と呼ばれており、以下のように解説されていた【DeepLによる翻訳】。 朱印(英語: ruby、日本語: ルビ、ローマ字表記: rubi)、または朱印捺印、朱印付加、ピンイン捺印は、漢字に発音記号を付ける方法で、日本語や中国語の印刷やコンピュータ組版で広く使われている。 一般的には、表意文字の上や右側にピンインや注釈として付けられる。 活版印刷と日本の製版印刷の話題だが、製版印刷であれば文字のほか図版も同じ程度の手間で彫ることができる。このことから、日本では浮世絵の文化が発達したのではないかという気もする。 なお活字を使わない印刷としては、中国・東チベット・徳格の徳格印経院(デルゲ・パルカン)を見学したことがあった。 放送では活版印刷の優位性・有用性が解説されていたが、今の時代、実物の金属活字を目にする機会は無くなり、さらにはペーパーレス化が進められるようになった。私自身の体験を回想すると、卒論を提出した1975年頃はまだまだ手書きのみで、引用文献表の時だけ英文タイプライターを使用していた。修論も同様であったが、博論作成の際にはすべての文章をワープロで作成している。またワープロの登場によって、漢字を1個ずつ拾うような和文タイプライターは使われなくなった。英文タイプライターも同様。もっとも、ワープロの登場により編集作業の手間が大幅に節約されたわりには、人間の知的生産技術はそれほど飛躍的には進歩していないようにも思う。 |