じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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  4月30日の楽天版に中国道・上り線の風景を掲載した。岡山〜北九州間の高速道路を移動する時は、中国道経由、山陽道経由にかかわらず、また、往路、復路いずれの場合も、美東SAに必ず立ち寄ることにしている。
 この美東SAでは、秋吉台の風景を取り入れたトリック写真を撮ることができる。写真左は下り線、写真右は上り線。もっとも撮影を楽しむ人はあまり見かけない。なお過去日記を検索したところ、2019年3月及びその前年12月にも撮影したことがあった。少なくとも6年以上、模様替えをしていないようだ。

2025年05月2日(金)





【小さな話題】あさイチ「まさかの想定外が…がんとお金のリアル 経験者が語る落とし穴」(2)転移を防ぐための医療費、がん保険の見直し

 昨日に続いて、4月30日の『あさイチ』で取り上げられたがんとお金の話題。

 まず昨日の日記の追記。放送では「がんは手術費用以外にも想定外のお金がかかる」として、乳がんのステージ1と診断された39歳の女性の事例が紹介されていた。
  • 早期のがんなので手術だけで終わると思っていたところ、MRIやCT、骨の転移を調べる検査が何ヶ月も続き、会計するまで金額がわからなかった。
  • 3ヶ月で8種類の検査を受け、3割負担で14万円かかった。
  • 乳房の一部を切除する5泊6日の入院手術、部屋代なども含め、かかったのはおよそ8万円。
  • その後も放射線治療で1か月に20日通院することになった。
  • 35万円かけてようやく一通りの治療が終わったところ、主治医から『オンコタイプ検査』(がん細胞の遺伝子を調べ再発リスクを予測する最新検査)。抗体をアメリカに送る検査で、保険適用だが13万円。
  • 検査の結果、再発リスクが高いと判断され抗がん剤治療も受けることになった。抗がん剤は卵巣機能に影響が出るので、今後の妊娠・出産を考えるならば卵子凍結が必要。卵子凍結にかかったお金はおよそ40万円。
  • がんの疑いがあると言われてから1年、ようやく治療が一段落する日を迎えた。窓口で支払った総額は先月までで95万円にのぼった。


 上記の事例で留意すべき点、この女性がステージ1と診断されただけなのに放射線治療や抗がん剤の予防的投与を受けていた点である。しかし、他のすべてのがんでこのような治療が行われるわけではない。念のためCopilotに尋ねたところ、ステージ1と診断されたがんで転移の確率が高いがんと低いがんは以下の通りとなっていた。
  • 転移の確率が高いがん(ステージ1でも注意が必要)
    1. 膵臓がん - 早期でも進行が速く、血行性転移を起こしやすい。
    2. 肝細胞がん - 肝臓の血流が豊富なため、転移しやすい。
    3. 悪性黒色腫(メラノーマ) - 皮膚がんの一種で、リンパ行性・血行性転移が早い。
  • 転移の確率が低いがん(ステージ1なら比較的局所にとどまりやすい)
    1. 前立腺がん - 進行が遅く、局所にとどまる傾向が強い。
    2. 子宮頸がん - 早期発見で治療すれば、転移のリスクは低い。
    3. 大腸がん - ステージ1では転移の可能性が低く、手術で根治できることが多い。
なお、Copilotによれば、
ステージ1の乳がんは、一般的に転移の可能性が低いとされています。この段階では、しこりの大きさが2センチ以下で、リンパ節や他の臓器に転移していない状態です。そのため、適切な治療を受ければ**生存率は約90%**と高く、完治が期待できるがんの一つとされています。
ただし、乳がんの種類によっては転移のリスクが異なります。例えば、HER2陽性やトリプルネガティブ乳がんは比較的進行が速く、転移の可能性がやや高いとされています。また、乳房温存手術を選択した場合、まれにがん細胞が残っていることで転移のリスクが生じることもあります。
乳がんは治療後も定期的な検診が重要で、再発や転移のリスクを最小限に抑えるために、医師の指示に従うことが推奨されています。気になる点があれば、専門医と相談してみるのが良いでしょう。
とのことであった。ま、いずれにせよ、がんは早期発見で局所にとどまっている限りは大したことはない。厄介なのは転移が見つかったあとの治療であり、そうなった時には治療方法の選択のほか、根治ではなくQOL、QODをできるだけ維持するための治療、さらに緩和ケアへの移行といった可能性を含めて、終活を実践する必要があると思う。




 ということで元の話題に戻るが、放送では続いて医療費としてどのくらいの備えが必要なのか?が解説された。その際に考慮すべきなのは高額療養費制度の自己負担額である。これは年収によって異なっており、70歳未満の場合、年収約370万円の課税者は年間約58万円だが、約770万円以上では年間約135万円、約1160万円以上では年間約201万円というように大きな違いがある。もっとも、じっさいの計算はかなり複雑で岡山市の説明サイトを見てもサッパリ分からない。また私の場合はあと2年半で(生きていれば)75歳になるが、こちらの説明に、
複数の病院での入院・通院のほか、同じ公的医療保険制度に加入している場合は、家族の分も合算できます。「同じ公的医療保険に加入している場合」とは、75 歳未満の場合、健康保険証の記号番号が同一の場合のことを指します(記号番号は、マイナポータルや資格確認書などで確認できます)。75 歳以上になると後期高齢者医療制度に加入するため、75 歳未満の家族とは合算できません。
となっていて、我が家では、妻が70歳未満の場合、私だけが先に75歳以上になった場合、夫婦2人とも75歳以上になった場合で計算方法が異なり、けっきょく区役所の窓口に相談するほかはなさそう。といっても高額療養費制度を利用するというのはそれなりの病気にかかっていて自力で区役所に出向いて長時間待たされるのはしんどいという状態になっているのではないかと想定される。マイナンバーカードが導入され、スマホで月々の医療費を確認できるほか、年収額もリンク可能であるはずで、これらを利用し絵自宅で居ながらにして申請できるとか、もしくは自動的に手続が完了するとか、もう少し簡素化してもらいたいところである。

 がん保険について留意すべき点は以下の通り。
  1. 大腸ポリーブなどの『上皮内新生物』が保障対象になる場合、ならない場合がある。←病理検査で悪性と診断されれば『がん』。
  2. 15年以上前に契約した保険は入院日数の制限がないか要確認。
  3. 治療の種類により対象外になる場合がある。抗がん剤が「点滴」であれば保険金が出るが「服薬」では出ないなど。
  4. 最新の治療に合わせて1〜2年に一度は見直しを! 但し、加入中の保険会社に相談すると、【保険会社が儲かるような】てんこ盛りの保険に勧められる恐れもあるので、複数の保険の乗り合い代理店や独立系のファイナンシャルプランナーを利用することも一案。
  5. がん治療経験者があってよかったと挙げている保障内容としては、
    • 複数回受給可能な診断一時金
    • 通院保障(回数上限が多いもの)
    • がんになったら保険料が免除になる特約(保険料払い込み免除特約)
    • 女性がなりやすい病気への特有(女性特有疾病特約)
  6. がんであると診断された後は、基本的に、一般の医療保険・がん保険には入れない。「がん経験者向け」の保険はある。
  7. がん保険に限らず、保険は必要な分、必要な期間だけ入るのが鉄則。





 ここまでのところでいったん私の感想・考察を述べる。
 まずがんへの備えであるが、押川先生の動画などでも指摘されていたと思うが、がんに罹らないための最も確実な方法は「【がんにかかる前に】早く死ぬこと」。要するに食べ物や生活習慣を改めたからといって、がんに罹ったり転移や再発が起こったりするのは運次第であって防ぐことはできない。「災害そのものを防ぐには限界がある。それよりも災害が起こることを前提として最善の対策をとる」という防災の精神に則って、そのような事態に陥った時に少しでも治療の選択肢の幅を広げるために、日頃から体力を整えておくことが第一かと思う。

 若い世代の人は家族のためにもがん保険に入っておいたほうがいいとは思うが、医療技術の進歩によって治療方法が変わり、それに合わせて見直しをしていくと保険料がどんどん上がってしまう。ま、医療保険というのは結局は保険会社がちゃんと採算がとれるように設計されており、契約者が必ず儲かるような保険などあるはずがない。何度も言うが、保険に入るのはあくまで万が一の時、多額な出費を補う必要がある場合に限られている。何事も起こらずに無事に定年を迎えた時にはそのことに感謝すべきであり、それまでに支払った保険料は決して損をしたことにはならない。

 次回に続く。