じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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4月30日の楽天版に記したように、妻の実家のある北九州から岡山に戻る際には中国道を利用した【厳密には下関までの九州道、岡山道、岡山JCTから岡山ICまでの山陽道も利用】。リンク先のマップに示したように、途中、美東SA、吉和SA、安佐SA、七塚原SA、大佐SA、高梁SAというように6箇所のSAに立ち寄ったが、以前に比べると業務が縮小されていて驚いた。 中でも吉和サービスエリアは
吉和サービスエリアは中国道のSAの中では最も標高が高く、春先にはまだ雪が残っていて、雪だるまを作ったことがあった。また秋には美しい紅葉を眺めることができた。 写真はA〜Dは2013年2月11日に上り線SAで撮影したもの。写真Eは今回の撮影。
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【連載】チコちゃんに叱られる! 「プレゼントをする理由」 昨日に続いて、5月2日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。 この日は、
放送では、人がプレゼントするのは「贈る側が幸せを感じるから そして生き残れるから」が正解であると説明された。プレゼントする人の心理を研究している森本裕子さん(人間環境大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
このうち、「生き残れるから」に関しては、約30万年前に遡ることができる。当時の資料はないが、狩猟をしていたホモ・サピエンスは肉などのプレゼントを贈り合うことで生存率を高めていたと推測される。
人間以外でも、プレゼントしあって生存率を高めている動物がいる。
ということで、
放送では続いて2番目の理由「贈った人が幸せを感じるから」について解説された。出典は ●Elizabeth W Dunn, Lara B Aknin, Michae l Norton (2008).Spending Money on Others Promotes Happiness. Science, 319(5870), 1687-8. となっており、無料で閲覧できる。632人のアメリカ人を対象に調査したところ、自分のためにお金を使っても幸福度は上がらなかったが、他人のためにお金を使った時には幸福度が上がったと報告されている。 今述べた傾向は子どもたちでも見られる。2012年にシドニー大学が20人の幼児を対象にして行った実験: ●Lara B. Aknin ,J. Kiley Hamlin, Elizabeth W. Dunn (2012).Giving Leads to Happiness in Young Children. PLoS One, 7(6) によれば、大好きなお菓子をもらった時よりも、そのお菓子をぬいぐるみにプレゼントした時のほうがより嬉しそうな笑顔を見せたという(笑顔はコンピュータにより計測された)。つまり、私たちがプレゼントするのは贈った自分が幸せになれるからである。この幸せな気持ちがプレゼントの習慣を生み、結果的に生き残れたと解説された。 ここで留意すべきなは、プレゼントを渡された側は必ずしも幸せとは限らないという点である。プレゼントを貰うと「お返ししなきゃ」と感じることがあり『心理的負債感』と呼ばれている。プレゼントには「お返しが面倒」とか「貰っても嬉しくない」というケースがある。これは「相手の満足感を大きくしよう」ということより、「相手のリアクションを一番大きくしたい」が優先されるためで、結果としてうれしくないプレゼントになってりまう。 なお、「他人のためにお金を使うと幸福度が上がる」という研究に関して、ねだられて買った場合や経済的に厳しい場合は幸福度は必ずしも上がらないと補足説明された。 ここからは私の感想・考察を述べるが、まず1番目の理由に関して、放送では「肉を手に入れたとしても家族だけでは食べきれない。そこで集落の人全員にプレゼントして、逆に自分たちが肉を取れない時は他の人たちからプレゼントしてもらうという形で生存率を高めていた。」と説明されていたが、イマイチ納得できないところがあった。カメルーンの映像だけでは分からないが、いっぱんに狩猟民族が狩りをする時は、家族単位ではなく集落全体の共同作業として行われるのではないだろうか。でなければそもそも集落を作る意味が無い。「おすそわけ」の習慣はむしろ農耕時代に収穫物が余った時、あるいは異なる作物を栽培していて交換し合うという形で発生したのではないだろうか。 人間以外の動物の「利他的行動」については、見かけ上はプレゼントを交換しあうように見えても、じっさいは子育ての際の給餌行動から派生した場合や、求愛行動の一環として行われる場合(相手を自分に惹き付けたり興奮を高めたりする効果)もある。さらには、ハチやアリのように集団で生活している場合もあり、人間のプレゼント行動と同じカテゴリーに含めて説明できるのかどうかは何とも言えないように思われた。 2番目の「他人のためにお金を使うと幸せになれる」に関しては2つの論文が引用されていたが、これらは同じ著者が含まれており、同一のグループによる研究であるように思われた。1番目の利他的な行動のほうが幸せになれるという結果は、利己的と思われがちなアメリカ人を対象としていただけに意外性があり注目されたものと思われる。日本人を対象にした研究で同じ結果が得られたとしても、(他者との関係を重んじる日本人であれば)そんなの当たり前じゃないかと言われるかもしれない。2番目の20人の幼児を対象とした実験では、「ぬいぐるみにお菓子をプレゼントする」という行為が利他的と言えるのか、あるいはその行為自体が新たな遊び場面であるため「遊びとして喜んだ」だけなのかは区別がつかないように思われた。 次回に続く。 |