じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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【カナリア諸島その5:空港の物価が高すぎる】
 5月25日に続いて、カナリア諸島旅行の小ネタ。

 カナリア諸島に向かう途中、マドリードの空港に13時30分(日本時間では6時30分)に到着。18時30分発のテネリフェ行きの国内線に乗り換えた。この日は夕食の用意が無く、また国内線は機内食が出ないので、お腹の減った人は空港で適当に食事をしてくださいという案内があったが、空港内の物価があまりにも高いことに驚いた。
 写真上は握り寿司のパックで22.95または29.95ユーロ(日本円で3900円または5090円相当)、写真下は缶飲料の自販機の価格で缶コーラやファンタが3.5ユーロ(日本円で595円)となっていた。私自身は関空〜ドバイ、ドバイ〜マドリード間の機内食で提供されたパンを食べて空腹を満たした。
 なお、カナリア諸島はスペイン本土に比べると多少は物価が安くなっていた。カナリア諸島では カナリア諸島一般間接税 (Impuesto General Indirecto Canario (IGIC)) という独自の間接税が適用されており、標準税率は7% で、0%から20%まで5段階の税率になっているという【スペイン本土の消費税「IVA(Impuesto aobre el Valor Anadido)」は3種類で標準税率の21%、軽減税率10%、超軽減税率の4%】。

2025年05月27日(火)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「漫画雑誌のカラフルな紙の色」

 5月23日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 本日は、
  1. 日本でクリスチャンじゃな人が教会で結婚式を挙げるのが多いのはなぜ?
  2. なぜ甘いものは別腹?
  3. 漫画雑誌の紙はカラフルなのはなぜ?
  4. 【ひだまりの縁側で】
    • キョエちゃん「1回だけ何でも叶うとしたら何をお願いする?」「ドラえもんに出てくるもので何が一番欲しい?」「タイムマシンが1回だけ使えるとしたらどの時代に行きたい?」
    • 長く大事に使っているものはありますか?
という3つの話題(ひだまりを加えると5つの話題)のうち、3.について考察する。

 漫画雑誌の紙の色については、放送では「正解は「再生紙のインクが抜ききれないから、そして飽きさせないため」が正解であると説明された。

 漫画雑誌の出版社【←映像にKODANSGAの文字あり】で広報をつとめる佐藤雅一さん&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 漫画雑誌の紙は、昭和40年代、『あしたのジョー』や『巨人の星』などの大人気漫画の連載で発行部数を伸ばしたころからカラフルになった。
  2. 当時の週刊漫画雑誌の発行部数は1年間で2億部以上。大量に印刷する必要があったため、コストの安い「更紙(ざらがみ)」という再生紙を使って印刷するようになった。
  3. ザラ紙は新聞や雑誌の古紙を使った再生紙である理由から色をつけている。放送ではじっさいに再生紙が作られるまでの過程が紹介された。
    • 富士市にある更紙の製造工場を見学。紙を作るには大量の水が必要で、1kgの紙を作るのに60kgの水が必要。このため富士山の水資源が豊富な富士市周辺は製紙業が盛ん。
    • パルパーという機械で古紙と水・薬品を混ぜて溶かす。
    • 溶かした紙は高速で回転させ、紙と、ホチキス・ホコリ・砂などのゴミに分ける。
    • 溶かした古紙に漂白剤を入れ、インクや墨を抜く(『脱墨』)。
    • しかし現在の技術をもっても完全にインクや墨を取り除けずまだまだ黒ずんでいる。これ以上脱墨しようとすると薬品代・エネルギーコストが増えてしまう。
    • そこで黒インクが目立たないように、古紙に染料を入れて色をつける。
    • プレス機で脱水&成形し、約100℃の高温のローラーで乾燥させればザラ紙が完成。
  4. 現在、漫画雑誌用のザラ紙は『樺色』、『ひわ色』、『黄色」の3種類の色を使って抜き切れていないインクの色を目立たないようにしている。着色していないと紙全体がグレーになり文字が目立たないが、紙に色をつけることで印刷した文字が見やすくなる。

 週刊漫画雑誌編集次長の山野史郎さん&によれば、漫画雑誌用のザラ紙が3色である理由は以下の通り。
  • 上記のようにして作られたザラ紙は漫画雑誌1冊ごとに使える色の量が決まっている。
  • 編集部では3色のザラ紙それぞれにどの作品を印刷するかを決める『台割り』という作業を行っている。
  • ひわ色・樺色(肌色)・黄色を順番に並べることで読者を飽きさせないようにしている。
  • 色が変わることは1つの作品の終わりを示しており、作品の区切りを分かりやすくしている。
  • 漫画雑誌の1作品は18〜20ページあって、間に記事を挟むことで作品の途中で色が変わらないようにしている。

 放送ではさらに、ザラ紙から漫画雑誌が完成するまでの工程が紹介された。
  1. 編集部では漫画家の先生が書いたセリフの文字を抜き出しページごとにテキストデータを作成。印刷用のデータを作る製版会社に送られる。
  2. 製版会社では文字のフォントや配置が調整される。この作業は、すべての作品、すべてのページで行われる。
  3. 完成したデータは印刷工場に送られる。
    • 原稿のデータから白黒を反転させたネガフィルムを作成し、印刷用の樹脂板に転写。
    • 樹脂板を印刷機にセット。編集部が割り当てたザラ紙に1時間で1万冊分の原稿が印刷される。
    • 1枚のザラ紙には1面に16頁分、裏表で32ページ分が印刷されている。それを折り込むことで雑誌の形にする。
      ※1枚のザラ紙16ページ分の配置は、
      • 17、16、1、32
      • 【逆さ】20、13、4、29
      • 21、12、5、28
      • 【逆さ】24、9、8、25
      となっている。
    • これらを半分に切って折り込むと1〜32ページの順番になった『一折(ひとおり)』が完成。
    • 一折りを14個重ねて本の形にしていく。これでおよそ400ページ。
    • カラーの表紙を付け、最後に繋がっている部分をカットすれば完成。なおカットした時の『裁ち落とし』はふたたび古紙として再利用される。
  4. 週刊少年漫画雑誌のような輪郭の太い少年漫画では樺色・ひわ色・黄色のザラ紙が使用されるが、線の細い女性向け漫画では線がきれいに見えるよう、コストがかかった白色の再生紙が使用されることが多いと補足説明された。


 ここからは私の感想・考察を述べる。
 まず私と週刊漫画雑誌とのかかわりであるが、私が当時の『少年チャンピオン』、『少年サンデー』、『少年マガジン』、『少年ジャンプ』、『ビックコミック』、『漫画アクション』などの雑誌をほぼ毎号読んでいたのは学部生〜大学院生の頃(1971〜1980年)に限られていた。といってもお金を出して買ったことは一度もない。すべて大学構内の古紙集積所に積まれてあったものを持ち出して学生控え室で読んでいた。放送でも言及されていたが、私が大学に入学した1971年(昭和46年)は週刊漫画雑誌の最盛期であった。その後、定職に就いて結婚した後は【←正確に言うと「結婚した後で定職に就いた」】も週刊漫画雑誌は1冊も買っていないが、『三丁目の夕日』、『銀河鉄道999』、『がきデカ』、『男おいどん』などいくつかの作品は、古本市場で売られていた1冊100円の単行本を購入。今でも書棚に並んでいる。
 ということもあって、放送で取り上げられたような週刊漫画雑誌は少なくとも40年以上、一度も手にしたことがないし、いくらで売られているのかも分からない。念のためCopilotに最近の状況を尋ねたところ、現在でも大部分は刊行されているようだが、ペーパーレス化が進んだ現在では発行部数はかなり減っているのではないだろうか。
懐かしいですね!現在も刊行されているのは、**『週刊少年ジャンプ』、『週刊少年マガジン』、『週刊少年サンデー』、『週刊少年チャンピオン』**の4誌です。これらは「4大週刊少年誌」とも呼ばれ、今も多くの人気作品を輩出しています。
**『ビッグコミック』**も健在で、青年向け漫画誌として続いています。一方、**『漫画アクション』**も現在刊行されていますが、週刊誌ではなく隔週刊誌として発行されています。
学生時代に愛読されていた作品の中で、今も続いているものはありますか?それとも、懐かしさを感じながら新しい作品を楽しんでいますか?


 放送で紹介された「カラフルなザラ紙」や週刊漫画雑誌の製造工程はまことに素晴らしいものであったが、この先、ペーパーレス化がますます進む中で斜陽産業化していくことは否定できないように思う。今の時代、電車車内で新聞や漫画誌を読んでいる人はまず見かけないし、私の住んでいるマンションで印刷媒体の新聞を購読している家は新聞配達のバイクのカゴに積まれた束の量や玄関ドアに挿入された新聞の度合いから推測して1割程度と推定される。カラフルなザラ紙を目にする機会はますます減っていくであろう。

 次回に続く。