じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 【インドネシアその14】緑のピラミッド(円錐カルスト)
 ジョグジャカルタからスラカルタに向かう途中、車窓からピラミッド型や乳房型の山が見えた。
ウィキペディアによれば、カルスト台地で形成される岩山には、多角形カルスト、コックピットカルスト、円錐カルスト、円頂カルスト、塔カルストなどがあるという。現地の博物館でも説明があったが、岩山の形に影響を与える要因としては、
  • 石灰岩の質;水に溶けやすいかどうか
  • その土地の気候:雨が多ければ浸食されやすい
  • 年代:浸食がどれだけ進んでいるか
などがあるという話だった。
 日本の円錐カルストが見られる場所としては沖縄県などがある。
 なお香川県にも円錐カルストに似た形の山があるが2023年8月31日に記したようにこれらは
もともとあった花崗岩の分厚い地層を突き破りマグマが湧き上がり大地を覆い、それが冷え固まってできた安山岩から構成されている。その後風雨により浸食が進むが、風化しやすい花崗岩に比べて安山岩は硬くて浸食されにくいため、マグマの突出した部分だけが富士山型の三角の山として残った。
という地形であり、石灰岩由来ではない。

2025年07月6日(日)



【小さな話題】「アスペルガー」、「ADHD」、「愛着障害」/高齢者になってからどうなる?

 某所でこのことが話題になっていたので、これを機会にChatGPTに解説をお願いしてみた。なお私は、長崎在住時に発達障がい児の研究に取り組んだことがあったが【こちらこちら】、岡山に移ったあとはそのような研究に携わる機会が無く、全くの素人であり、AIの説明内容が正しいか間違っているかをコメントする立場にはないことをお断りしておく。以下、要約・改変あり。

 まず概略は以下の通り。
アスペルガー症候群(現在は自閉スペクトラム症に含まれます)と、ADHD(注意欠如・多動症)、そして愛着障害は、**行動や対人関係の問題**があるという点では似ていることがありますが、**根本的な原因や特徴、支援の方法が異なります**。

 次に3者の違いは以下の通り。なお以下、アスペルガーは「ASD」、注意欠陥・多動症は「ADHD」、愛着障害(Attachment disorder)は「AD」と略す。「A」や「D」はそれぞれ異なる用語の略であることに留意されたい。
  • 分類
    ASDとADHD:神経発達症(発達障害)/AD:心理的トラウマ関連障害
  • 主な原因
    ASDとADHD:生まれつきの脳の特性(遺伝の関与が強い)/AD: 幼少期の不適切な養育(ネグレクト、虐待)
  • 対人関係
    • ASD:空気が読めない、相手の気持ちが分かりにくい、一方的に話す
    • ADHD:衝動的に話しすぎる、友人関係の維持が苦手
    • AD:人を信用しにくい、または過剰にしがみつく、不安定な関係性
  • コミュニケーション
    • ASD:言葉の裏や冗談が通じにくい、興味のある話題ばかり話す
    • ADHD:おしゃべりすぎるが、文脈は理解している
    • AD:その場に応じた話し方ができない場合がある(不安・試し行動)
  • 行動の特徴
    • ASD:こだわりが強い、習慣や予定の変化が苦手
    • ADHD:落ち着きがない、多動、忘れ物やうっかりが多い
    • AD:突然怒る・無反応になるなど、情緒が不安定
  • 発症の背景
    • ASD:生まれつき(3歳前後で兆候が出ることも)
    • ADHD:生まれつき(幼児期から)
    • AD:養育者との関係性に深く関係
  • 診断方法
    • ASD:発達検査・行動観察・家族歴など
    • ADHD:発達検査・行動観察・家族歴など
    • AD:養育歴・トラウマ歴・愛着行動の評価など
  • 支援方法
    • ASD:ソーシャルスキルトレーニング(SST)、認知行動療法
    • ADHD:薬物療法+行動支援
    • AD:安定した関係の構築+心理療法


 次にこれらは似て見えるけれど異なる例が挙げられていた。
  • 授業中にじっとしていない
    • ASD:興味のない話に集中できず、違うことを考えている
    • ADHD:動きたくて我慢できない
    • AD:先生の関心を引きたくてわざと行動する
  • 会話で空気が読めない
    • ASD:相手の感情や暗黙のルールが分からない
    • ADHD:衝動的に割り込んでしまう
    • AD:「嫌われたくない」「試してみよう」という心理で不自然になる
  • 友達関係が続かない
    • ASD:自分の話ばかりしてしまう、相手の気持ちが分からない
    • ADHD:おしゃべりや失言でトラブルに
    • 相手を疑うか、過度に依存して関係を壊す
 以上、いくつかの例を挙げて区別されてきたが、併存の可能性にも留意する必要がある。
  • ASDとADHDは**同時に併存することがよくあります**(ASD+ADHD)。
  • 愛着障害がある子どもがADHD様の行動(落ち着きのなさ、衝動性)を示すこともあります。
  • そのため、**見た目の行動だけでは区別できず**、**背景や発達歴の丁寧な評価**が不可欠です。
最後にまとめとして、以下のように要約されていた。
  • ASD:人との関わりの「ズレ」が本質。
  • ADHD:集中力や衝動性のコントロールが本質。
  • 愛着障害:人間関係への不信感や不安定さが本質。


 続いて、私自身にもかかわりそうな質問をさせていただいた。

子ども時代にASD、ADHD、愛着障害などの症状があった人は歳を取ってから認知症になりやすい傾向、もしくは高齢者施設において子ども時代とよく似た不適応を起こすことがありますか?

いただいた回答は以下の通り【要約・改変あり】。


 とても鋭いご質問です。
 結論からお伝えすると、**ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、愛着障害などの特性を持つ人が、高齢期に特有の課題を抱えやすいことはあります**。しかし、「必ず認知症になりやすい」といった明確な因果関係はまだはっきりしていません。以下に、それぞれのケースについてわかりやすくご説明します。
  • ## ?? 各発達特性と高齢期の関連
    1. ASD(アスペルガー・自閉スペクトラム症)と高齢期
      **認知症のリスク**:現時点でASDと認知症(アルツハイマー病など)の**明確な関連は示されていません**。
      * **ただし**、構造化された生活を好む特性があるため、高齢者施設での「日課の変更」「人間関係の複雑さ」などに**強いストレスや混乱を感じやすい**です。
      * **例**:
      • * 食事の時間が一定でないと不安になる
      • * 他の入居者との雑談にうまく入れず孤立する
      • * 感覚過敏(音・においなど)で環境に適応できない
    2. ADHD(注意欠如・多動症)と高齢期
      • * **認知症のリスク**:
        • 近年の研究で、**ADHDの人は認知症(特にアルツハイマー型)のリスクがわずかに高い可能性**が指摘されています。
        • 一因として「注意制御や記憶機能の低下が元々あるため、認知症と似た状態が早く現れやすい」とも考えられています。
      • * **高齢期の不適応**:
        • * 複数の予定や指示を覚えられない
        • * ルールを守れず、職員とトラブルになることがある
        • * じっとしていられず不穏な行動を取ることも
      ---
    3. 愛着障害と高齢期
      * **認知症との直接的な因果関係は明確ではない**ですが、長期にわたる対人関係の不安やストレスは**うつや不安障害、社会的孤立を通して間接的に脳機能に影響**を与えることがあります。
      • * **高齢者施設での不適応**:
        • 介護者に対して極端な依存または拒絶
        • 自分を大切に扱ってくれないと感じやすく、怒りや抑うつを示す
        • 試し行動や「自分は捨てられる」という思い込みが再燃することも


  • ## ?? 高齢者施設での「子ども時代の特性の再現」の可能性
    • 高齢になると認知機能やストレス耐性が低下し、**幼少期・青年期の特性が再び表面化するケース**があります。
    • 認知症と間違われやすいのは、以下のようなケースです:
      • 急に怒る、攻撃的になる:
        →ADやASDの不安から起こる場合と、前頭側頭型認知症から起こる場合がある
      • 時間や予定に固執する
        →ASDのルーチンへの強いこだわりによる場合と、軽度認知障害で混乱する場合がある
      • 落ち着きなく歩き回る
        →ADHDの多動傾向の再燃の場合と、認知症の徘徊の場合がある
  • ## ?? まとめ
    子どもの頃にASD・ADHD・愛着障害があった人は、高齢期に認知症とは別に、環境への適応困難が起こりやすい傾向があります。
    また、もともとの特性が認知症の症状と**区別しにくい**場合もあるため、理解と丁寧な支援が重要です。|

  • ## ?? 支援のヒント(施設や家族向け)
    • 発達歴や特性を事前に把握し、\*\*個別対応(ルーチン尊重、刺激の制御)\*\*を行う
    • スタッフが「その人の生涯にわたる特性」を知っておくことが、不適応の誤解を防ぐ
    • 本人の「過去の自分らしさ」が尊重される場づくりが大切です


 このWeb日記に何度か書いているように、私自身は
  • 相手の気持ちが分かりにくい、一方的に話す。
  • 言葉の裏や冗談が通じにくい、興味のある話題ばかり話す。
  • こだわりが強い、習慣や予定の変化が苦手。
といったASDの傾向があり、協調性がまるで無く、集団行動を好まず、小中高を通じて「変わった人だ」と言われてきた。この先、高齢者施設に入居することにでもなれば、確実に不適応を起こしそうだ。
 そう言えば、海外旅行の団体ツアーに参加すると、ASDやADHDではないかと思われる人が数人含まれていることが多い(うち1人は私)。その特徴としては、
  1. 専用バス内でガイドさんが説明をしている最中、突然、それを遮って全く関係の無い質問をする。
  2. 車内あるいは食事中、自身の別の旅行時の体験を一方的にしゃべりまくる(しかも同じ話題を何度も喋る)
  3. 食事中、他の人たちの話題に溶け込めず、一人だけテーブルの隅の席で無言で食事をする。
  4. ガイドさんの解説を聞きながら観光地をめぐっている時、集団から離れて写真を撮りにいったりする。
  5. 集合時間にいつも遅刻する。
などがある。私の場合は1.や2.は該当しないが、3.はしばしばありうることで最初から隅の席に座ることが多い(もっとも直近2回は、それなりに他の参加者との談笑に加わった)。【4.はたまにあり。5.は時刻を勘違いしていない限りは滅多に無い。】

 元の話題に戻るが、軽度の認知症と診断された人の行動特徴はしばしば認知症由来に結びつけられがちだが、子ども時代のASD、ADHD、ADなどに由来する行動傾向が高齢になってから復活している可能性もあり、AIのまとめにもあるように、入居者について、

発達歴や特性を事前に把握し、個別対応(ルーチン尊重、刺激の制御)を行う。スタッフが「その人の生涯にわたる特性」を知っておく。

といった配慮が求められる。