じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 10月1日の朝、NHK総合で『MLB2025 ナ・リーグワイルドカードシリーズ第1戦 レッズ対ドジャース』を生中継していた。最近は、野球中継(日米のプロ野球、高校野球)を全く視ていないこともあって新鮮な光景であったが、そんななか、ドジャースの選手がユニフォームの上に着ているウィンドブレーカー(?)に「BUILT FOR FALL」というフレーズが印刷されていたことが目にとまった【写真参照】。さっそくChatGPTに尋ねたところ、以下のような説明をいただいた。


いいところに気づかれましたね。 ドジャースの選手が着ている「BUILT FOR FALL」というフレーズには、二重の意味が込められています。
  1. 直訳的な意味

    **BUILT FOR FALL** =「秋のために作られている」
    ここでの「Fall」は季節の「秋」のことです。
    野球のシーズンは春から始まり、夏を経て、クライマックスであるポストシーズン(プレーオフやワールドシリーズ)が秋に行われます。つまり「秋=勝負の時期」というニュアンスになります。
  2. スポーツ的な意味
    • 「秋の大舞台(ポストシーズン)に勝つために鍛えられたチーム」という自負を示すスローガンです。
    • MLBではよく、ポストシーズンを「Fall Classic(秋のクラシック=ワールドシリーズの別名)」と呼びます。
      したがって「BUILT FOR FALL」は「俺たちはワールドシリーズのために作られた(準備されている)」という意味合いを持ちます。
  3. ファン向けのメッセージ性
    * 単なる寒さ対策のウェアではなく、**「このチームは秋に強い」「秋に結果を出すためのチームだ」**というブランディング要素を込めてデザインされているんです。
    要するに、「BUILT FOR FALL」は「ポストシーズン仕様」「秋の決戦用」というチームのモットー的スローガンなんですね。



 「BUILT FOR FALL」は「BUILT FOR ALL」と発音が似ているように思えたので、さらに、

【質問】「BUILT FOR FALL」は元々英語で使われている言葉ですか? それとも「BUILT FOR ALL」をもじった新語ですか?

と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。



とても鋭いご質問ですね。

◆### 「BUILT FOR FALL」という表現について
* **英語に元から定着した慣用表現ではありません。**
 日常会話や一般的な英語で「BUILT FOR FALL」というフレーズが昔から使われていたわけではなく、MLBやスポーツマーケティングの文脈で作られた「スローガン的コピー」です。

* ただし、アメリカ野球界では「秋(Fall)」が特別な意味を持っています。
* 「The Fall Classic」=ワールドシリーズの別称
* ポストシーズン(10月野球)が「秋の決戦」と呼ばれる
という文化的背景があるため、「Built for Fall」は英語圏のファンにとって自然に理解できるフレーズです。

◆### 「BUILT FOR ALL」との関係

* 「BUILT FOR ALL」というスローガン自体は、スポーツブランドやキャンペーンで過去に使われています。
* 「BUILT FOR FALL」は、その韻(all と fall の響き)を意識している可能性は高いですが、完全に「もじり」というよりは、**「秋=勝負の季節」という野球独自の文脈に合わせた造語的コピー** と言えます。

◆まとめると:
* 「BUILT FOR FALL」は元々ある慣用表現ではなく、MLBやチームのマーケティング用に作られた新しいスローガン。
* 「BUILT FOR ALL」を意識している可能性はあるが、より直接的には「秋=ポストシーズン」を象徴したフレーズ。



 なお、ユニフォームの上に着ているウィンドブレーカーのような服については、別途、以下のように説明してもらった。




ドジャースの選手がユニフォームの上に着ている「BUILT FOR FALL」と書かれた上着は、一般的に **「バッティングプラクティスシャツ(Batting Practice Jacket)」** や **「ダグアウトジャケット」** と呼ばれるものです。
  • ### 呼び方の違い
    • **Batting Practice Jacket / BPジャケット**
      試合前の打撃練習やウォームアップのときに着る、軽めのウィンドブレーカー風ジャケット。最近はストレッチ素材で動きやすく、薄手。
    • **Dugout Jacket(ダグアウトジャケット)**
      試合中にベンチで羽織る防寒用の上着。昔は厚手が多かったですが、近年はBPジャケットと兼用のようなデザインが増えています。
  • ### 今のドジャースの場合
    写真を見る限り、選手が着ているのは薄手のフルジップタイプで、練習や試合前後にも着ているので **「バッティングプラクティスジャケット」** にあたります。
つまり「ユニフォームの上に着る正装」ではなく、 ? **公式の練習用ジャケット(BPジャケット)** というのが一番近い呼び方です。



2025年10月3日(金)



【小さな話題】『アンパンマンのマーチ』をめぐる2つの謎と『善人』の定義(2)書き換えられる前の「原詩」を探る
 昨日の日記の続き。
 今回は、『アンパンマンのマーチ』の歌詞が子ども向けに書き換えられた点について考察する。

 書き換えの話題は9月24日放送のNHK朝ドラ『あんぱん』第128話に関連シーンがあり、そこでは歌詞の原稿を前にしてテレビ局の担当者と以下のようなやりとりがあった。
  • 【担当者】実は一点だけ、ここのフレーズなんですけれども、「いのちが終わるとしても」、子どもにはふさわしくないという意見です。
  • 【のぶ】あの「いのちが終わるとしても」はこの中でいちばん大切だと私は思います。
  • 【担当者】私もそう思います。命を捧げて蘇る。アンパンマンの神髄です。...私が反対意見をねじ伏せます。テレビマン人生をかけて。
  • 【嵩】いやいや、そんなものをかけちゃいけない。分かった、書き直そう。
  • 【のぶ】嵩さん?...
  • 【嵩】子どもたちを喜ばせたいんだ。子ども向けの番組だからこそ僕は妥協したくない。でもれ以上に、この仕事にかかわってくれる人みんなを喜ばせたいんだ。
  • 【担当者】ありがとうございます。
  • 【嵩】ただ、主張すべきことは言わせてもらう。いい作品を作るために時間も情熱も惜しまないつもりだ。他には?
  • 【担当者】えっ?
  • 【嵩】直せと言われたとこ、他にもあるだろう?
  • 【担当者】すいません。


 歌詞の書き換えの話は最終回、居間でのぶが嵩に「ウチのいちばん好きなあの歌を歌って」と言ったシーンにも出てきた。嵩は最初は書き換えられた後の歌詞で歌ったが、嵩が「たとえ 胸の傷がいたんでも」のところでのぶから「ごめん、もういっぺん最初から。嵩さんが初めに書いた歌詞、それがいい」と要望され、「たとえいのちが終わるとしても」と歌い直した。さらにのぶは、
ウチ、今よう分かった。嵩さんがこの歌に込た思い。...命はいつか終わる。でもそれはすべての終わりやのうて、受け継がれていく。アンパンマンの顔みたいに。やき、生きることは空しいことやないがよ。...ウチのこの命、嵩さんにあげるきね。
と語っていた。

 では書き直す前の歌詞はどんなものだったのか? 複数サイトから収集した情報によれば、歌詞で書き換えられた部分(但し1番と2番)は以下の通りであったようだ。なお以下では【 】の中に書き換えられる前のフレーズを示す。

なんのために 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!

今を生きる ことで
熱い こころ 燃える【このいのちが燃える】
だから 君は いくんだ
ほほえんで【わらいながら】

そうだ うれしいんだ
生きる よろこび
たとえ 胸の傷がいたんでも【たとえいのちが終わるとしても】

ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため【いけ! 悲しみを消すために】

なにが 君の しあわせ
なにをして よろこぶ
わからないまま おわる
そんなのはいやだ!

忘れないで 夢を
こぼさないで 涙
だから 君は 飛ぶんだ
どこまでも【いのちかけて】

そうだ おそれないで
みんなのために
愛と 勇気だけが ともだちさ【たとえ傷つきよろめくときも】
ああ アンパンマン
やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため【いけ! 泣いてるひと救うため】
 以上についてChatGPTにこれが原詩であったかどうか事実確認を求めたところ、以下のような回答をいただいた。


とても丁寧に調べられていますね。ご提示の【 】内の部分は、「アンパンマンのマーチ」の**原詩(初稿)とされる内容**を、後世に伝わっている証言や資料をもとに再現した形に近いと思われます。ただし、次の点に注意が必要です。

◆## 事実関係
  1. **原詩が存在したことは確か**
    * やなせたかしさんは、自身の随筆やインタビューで「最初はもっと暗い歌詞だった」「“死”や“命をかける”といった言葉を書いたが、テレビ局に『子ども向けに』と直され、書き換えた」と語っています。
  2. **「命」「死」を直接的に書いた表現があった**
    * たとえば「このいのちが燃える」「たとえいのちが終わるとしても」「いのちかけて」などの表現は実際に入っていたことが証言されています。 * ただし完全な原稿が現存しているわけではなく、正確な全文が公表されたことはありません。
  3. **伝わっている“原詩”は二次資料による再構成**
    * ネットや書籍で紹介されている「原詩バージョン」は、やなせさんの発言をもとにした推定再現や、関係者の証言をまとめたものが多いです。
    * したがって【 】内の部分は方向性としては正しいのですが、「一字一句そのまま」だったかどうかは確認できません。

◆## まとめ
* ご提示の「原詩(【 】部分)」は、やなせたかしさんの証言内容と大筋一致しており、**事実にかなり近い再現**だといえます。
* ただし、公式に「これが原詩です」と公開されたものではなく、研究者やファンの間での**推定復元**に基づいています。
* したがって「間違いない」と断言はできませんが、方向性(=死や命を直接書いていた→子ども向けに和らげた)は間違いなく実話です。



 さらに、実際に残っている やなせたかしさん自身の発言や著作 をもとに、どの部分が「確実に書き換えられた」と確認できるかを整理してもらった。




承知しました。では、実際に残っている **やなせたかしさん自身の発言や著作** をもとに、どの部分が「確実に書き換えられた」と確認できるかを整理しますね。
  1. やなせたかしの証言(インタビュー・著作より)
    • ### 『遺言 ダ―やなせたかし』(講談社 2013)
      * 「『アンパンマンのマーチ』の歌詞は、最初はもっと暗かった。『命がけ』とか『死ぬ』とかそういう言葉を入れていたけど、テレビ局から『子ども番組にはふさわしくない』と言われて、書き直した」
      * 「僕の歌詞はいつも“死”が背後にある。死を知らなければ、命の尊さも、やさしさも書けない」
    • ### 『アンパンマンの遺書』(岩波書店 1996)
      * 「本当の正義というのは、かっこよく悪を倒すことではない。自分を犠牲にして人を助けることだ」
      * ここでも「アンパンマン=自己犠牲=死を覚悟した存在」と語られている。
  2. 確実に修正されたとされるフレーズ
    やなせさん自身の証言から、次の表現が **子ども向けに書き換えられたことは事実** とされています。
    • 【このいのちが燃える】 → 「熱いこころ燃える」
    • 【たとえいのちが終わるとしても】 → 「たとえ胸の傷がいたんでも」
    • 【いのちかけて】 → 「どこまでも」
    • 【いけ! 悲しみを消すために】 → 「いけ! みんなの夢 まもるため」
    • 【いけ! 泣いてるひと救うため】 → 「いけ! みんなの夢 まもるため」
    つまり、**命・死・悲しみ** といった直接的な言葉が、より **前向き・子ども向け** に置き換えられたことは確実です。

  3. まとめ
    • 原詩には「命」「死」「悲しみ」といった直接的な言葉が入っていた。
    • テレビ局(日本テレビ)からの要望で、それらは「胸の傷」「夢を守る」などの柔らかい表現に修正された。
    • やなせさん自身が「死を抜けば僕の歌詞じゃなくなる。でも子ども番組だから仕方なかった」と語っている。

    要するに、朝ドラ『あんぱん』で描かれた「当初は死を連想させる歌詞があり、局の要望で明るく書き換えられた」というエピソードは、史実に即したものだと言えます。



 以上、昨日と本日の日記で、
  • アニメのオープニングではなぜ2番が歌われるのか?
  • 書き換えられる前の歌詞はどんなものだったか?
についてはほぼ疑問が解消したが、もう1つ、歌詞の中に何度か現れる「みんなの夢」とは何だろうか? これについては
  • そもそもみんなが共通していだく夢はあるのか?
  • 個人個人の利己的な夢を寄せ集めたものは「みんなの夢」と言えるか?

といった疑問が残る。次回はこの点について考察する予定。