5月21日(金)
【思ったこと】
990521(金)[日記]Web日記取材に特ダネは無い(後編):日記猿人の得票ランキングが日記執筆に与える影響について
昨日の日記の続き。本日は、日記猿人で行われている投票制度について私の考えを述べることにしたい。今回の取材を含め、これまでに私あてにいただいているご質問を要約すると次のようになる。
- 「得票ランキング制」は参加者の競争意識を煽るものだとは思わないか?
- 「ランキング」に参加することで、日記の内容が、本来の日記から人気取りのための内容に変質することは無いか?
- 日記猿人に登録している日記作者は、他人に評価されることを求めているのか?
さて、これらに関して意見を述べる前に、日記猿人の投票システムの特質をもう少し正確に把握しておく必要があると思う。現行のシステムについて私が理解しているのは次の通り。もし誤りがあったらご指摘ください。
- 日記猿人に投票できるのは「投票者登録」をした人に限られる。これは、複数のパソコンを使ったりブラウザのメイルアドレスを架空のアドレスに書き換えたりして同じ人が複数の不正投票するのを防ぐために作られた制度であり、一昨年の5/10から施行されている。
- 登録の申請をすると自分のメイルアドレスあてにパスワードが発行される。それをもとに登録作業を行うとそのハードディスクに特別の情報が書き込まれる。その情報が書き込まれたパソコン(正式にはブラウザ)からの投票は、それぞれの日記について1日1票まで。仮に、同じボタンを2回以上押しても2票以上に増えることは無い。なお、1日1票までというのはそれぞれの日記別に1票ということであって、「投票者はその日に1つの日記だけにしか投票できない」という意味ではない。念のため。
- 投票者の登録情報は、メールアドレスとパスワードを組み合わせて暗号化されている。それゆえ、同じメイルアドレスとパスワードで登録する限りは、2台のパソコン(正式にはブラウザ)から別々に投票しても1票の扱いとなる。但し、2つ以上のEメイルアドレスを持っている人が、2台のパソコンを用いて別々のアドレスで登録すれば、同じ人でも2票登録することができる。パソコンにカメラがついているわけではないのでこれを防ぐ手だては原理的にあり得ないが、あまり更新されていない日記が同じような得票パターンをとると不正行為をしているのではないかとささやかれるケースもあるようだ。
- 実際の投票はブラウザを通じて使われるので、登録時のメイルアドレスからメイルを送れる状態にあるかどうかは別問題。私自身の場合も昔使っていた「okayama-u.ac.jp」ドメインのアドレスのままで登録されている(現在の私の[私用]メイルアドレスは「hasep@ma4.justnet.ne.jp」となっております)。
- 得票数リストや新作リストの登録番号をクリックすると、それぞれの日記の投票者がある程度分かるようになっている。但し、一部が省略されているので個人を正確に同定するのは不可能。たとえば、「foo@okayama-u.ac.jp」というのは私からの投票である可能性が高いけれども、別の岡大関係者である場合も考えられる。
- 大学の図書館や情報センターのパソコンは、一般にハードディスクへの私的書き込みが禁止されているので、そこで投票者登録をすることができない。仮に登録できても、1台(1ブラウザ)からは1票に制限される。
- どういう時に投票するかの基準は投票者によって著しく異なる。感動した時だけボタンを押す人もいれば、内容に関わらず読んだしるしに押す人もいる。中には内容は全く読まずに義理で押す人も居るらしい。例えば日記自体は1カ月に10回しか更新されていないのに同じ人が30回投票している、というようなケースを見かけるが、これなどは義理投票としか考えられない(もしくは↓)。
- 自分の日記に自分で投票することは不正投票とは見なされていない。更新のたびに自分に投票する人、よく書けたと思った時だけ投票する人、更新してなくても1日1回投票する人、ゼッタイに投票しない人などさまざまだ。私の場合は、得票データに影響を与えたくないので、自分の日記には原則的に投票していない(投票ボタンのスクリプトを書き換えた時の確認のために稀に「投票」することはある)。
- すでに多くの人が指摘しているように、得票数の多いことは必ずしもその日記の価値が高いということを意味しない。日記猿人参加者・特定読者という閉じた世界の中での投票である以上、日記猿人がらみの話題(例えばここに書いたような話題)や、オフミ関係の話題はそれなりの得票を集める。そのほか日記の中に投票ボタンを置いているかどうか、その作者が他の人の日記にも投票しているかどうか、掲示板に書き込んだり空メイルボタンを押したりオフミに熱心に参加しているかどうかということも、ある程度は得票に反映するだろう。
以上に挙げた点を見れば分かるように、日記猿人の投票システムは日記の内容についての単純な人気投票ではあり得ない。「行動の結果がその行動を変える」という行動分析学の視点からこの投票システムを考えてみても、影響を受ける可能性のある行動は日記の内容だけとは言い切れない。更新報告の仕方(一行コメントの付け方、文字の飾り方、更新時刻、不正なカラ更新...)にも影響を与えている可能性がある。また影響を与える範囲や程度は、それぞれの日記作者によってマチマチであり、一般論として「競争意識を煽るものだとは思わないか?」とか「日記の内容が、本来の日記から人気取りのための内容に変質することは無いか」というような問題を立てるのはナンセンス。「そういう人もいるし、そうでない人もいる」としか答えられない。
それを前提の上で私なりの主観的な感想を述べれば以下のようになる。
- 日記猿人に登録した当初は、多かれ少なかれその日の自分の日記の得票に関心を寄せるものだ。得票が集まらずにそのまま執筆を止めてしまう人もいれば、何かの話題で注目されたことがきっかけで執筆に没頭し日常生活に支障をきたすようになる場合(いわゆる「日記廃人」)もある。
- 得票の増減に引きずられることを嫌う人は、ランキング不参加として登録するようになる。
- ランキングには参加していても、日記本文ページには投票ボタンを設置せず、その結果をゼンゼン気にしない人もいる。
- 他の人に投票依頼のメイルを送りつけたり、一日に何度もカラ更新報告をしたり、有名日記作者の掲示板に出没して自分の日記の宣伝をしたりする人がいる。日常生活の対人関係に何らかの問題をかかえている人がネットに癒しの場を求めているようにも思えるが、他者の迷惑になるような行為は慎んでもらいたいものだ。
- 日記の執筆を2年も続けていたら、日々の得票の増減などあまり気にしなくなるのではないだろうか。だいいち、「人気とり」だけで2年も執筆を続けるなんて出来るわけがない。
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【ちょっと思ったこと】
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【新しく知ったこと】
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【生活記録】
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【5LDKKG作業】
昨日に引き続いて昼に水撒き。トマトに絡みつく奇怪な寄生植物は2株分に寄生していることが分かった。妻が、ソラマメとエンドウの実を一部収穫。二十日大根は全部取りきる。
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】
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