じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] サンダーソニア。行きつけの花屋で処分品の球根を買って鉢に植えたところ1株だけ見事に花をつけた。中国地方は梅雨明け宣言。ベランダに鉢を置いて「風鈴」にしてみた。右後ろの山は最近リニューアル・オープンした京山スカイパーク。


7月22日(木)

【思ったこと】
990722(木)[心理]ルール支配行動から生きがいを考える(9):楽しみを増やす方法(その4)不確実は時として楽しみを増やす

 昨日の日記までのところで、生得性好子と習得性好子について自分なりの考えを述べた。昨日の日記ではさらに「価値」の問題までふれてみたが、今回は7/19の分岐点に戻って、もう少し気楽に「楽しみ」を増す方法との関連について考えてみることにしたい。

 さて、今回は、7/19の分岐点のうち2番目の、どういう形で好子を出現させるのか、を考えてみることにしよう。

 同じ好子が同じ回数与えられても同じ程度に楽しめるとは限らない。これはスロットマシンを例にとればすぐに理解できる。仮に100枚のコイン投入に対して平均80枚が戻ってくるマシンを考えてみよう。もし、きわめて規則的に10枚入れるごとに8枚が戻ってくるようなマシンであったらわざわざ損をするために遊ぶお客は居ないだろう。それに対して、時には10個投入して1度も当たらない場合もあれば10回連続で大当たりになって10倍の枚数が戻ってくるようなマシンであるならば、長期的にみて平均2割分損することが分かっていても、それに興じるお客はたくさん出てくるはずである。この例にも見られるように、
【楽しみを増やす知恵その1】与えられ方が不確実であったり、大きさがそのつどランダムに変化するように与えられる結果は、規則的かつ一定量ずつ与えられる結果よりも、より大きな楽しみを与えることがある。
 もちろんこの「知恵」は1回に投入するコスト、結果が与えられない場合に付随する嫌子の有無などによって変わってくるのでゼッタイとは言えない。宝くじを楽しむ人は居るが、そんな人でも、給与の全部を宝くじ券で支給されることになったら猛反対するはずだ。また、
 結果を不確実に与える方法が巧妙であるとそれにはまりやすくなり、楽しみを越えて熱中による極度の疲労や仕事をおろそかして身を滅ぼすような事態も招きかねない点にも留意しておく必要がある。

 上記の「知恵」は行動分析学で言うところの強化スケジュールに対応している。動物を被験体とした実験研究でも、一定回数の反応に対して好子が随伴する定比率強化より、不定数の反応に対して好子が随伴する変比率強化のほうがより高率の反応を生み出すことが知られている。例えば、20回ボタンを押すごとに必ず1回餌が出るよりは、必要回数は平均では20回ながら、そのつど、1回、30回、10回、50回、3回、...というようにランダムに変わったほうがより多くの反応を生み出す。

 結果を不確実に与えることのほうがなぜより大きな楽しみを与えるかについては、いろいろな説明が考えられる。自然環境への適応という観点から見れば、獲物を獲る動物であれ、木の実や果物を食べる動物であれ、餌探しという行動に伴う結果は必ずしも一定とは言えない。堅実な結果よりもある程度不確実に与えられる結果に対して強化されやすい個体のほうが結果的に適応しやすく、生き残って今の人間を作り上げたと考えることもできるだろう。大量の食物を必要とするために不確実な餌の供給では個体を維持できないような動物、例えば、大量の草を食べるウシやヒツジ、ヤギなどの草食動物においても、同じように不確実に結果を与えられるほうが好まれるかどうかは、定かではない。そういう実験論文を読んだような記憶もあるのだが...。

 今回も「ルール支配行動」とはあまり関係のない内容になってしまった。次回は、累積的に結果を表示することと楽しみの関係について考察する予定。
【ちょっと思ったこと】

[写真]  写真は岡大北福利施設「マスカット・ユニオン」前の駐輪風景。岡大では今年度から7月いっぱい授業を行い8、9月を夏休みとすることに日程が変更されたが、それにしても自転車が多い。顔なじみの交通安全巡視員のおじさんに聞いてみたところ、ほぼ850台が停められているそうだ。

 マスカット・ユニオン前の通りは、本来は車が通れる道になっているが、とうとう歩行者天国化してしまった(←いや、こりゃ、駐輪天国と言うべきだろうなあ)。これだけ台数が増えたのはここ3日間ほどのことで、こんなに多いのは初めてだという。

 巡視員のおじさんと、どうしてこんなに増えたんだろうと考えた。いちばん可能性のあるのは
今週は前期の試験期間にあたっているので図書館で勉強したいのだが、図書館前が厳しく駐輪禁止になっているためやむを得ず隣りのマスカット・ユニオン前に駐輪した。
 もしその通りであれば岡大生は感心だということになるのだが、いやひょっとして
 家で勉強していると暑くてたまらないし、クーラー代も相当な額になるので、節約を兼ねて図書館にやってきた。
 ま、これも勉強のタメだから感心と言えるだろう。しかし、
 暑くてたまらないので、図書館に昼寝をしにやってきた。
 ということは無いんだろうか。残念ながら図書館の中まで調べに行くことはできなかった。
【新しく知ったこと】
【生活記録】
【今日の畑仕事】
  • トマト1個、ピーマン1個、ミニトマトいっぱい収穫。
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。)】