じぶん更新日記1999年5月6日開設Y.Hasegawa |
明け方の月と金星。2/3の節分の朝に1°21’まで接近する。 |
【思ったこと】 _00131(月)[心理]キャッチフレーズを読み解く(3):政治はキャッチフレーズのぶつけ合い このシリーズの1回目でも述べたように、 この忙しい世の中、いちいち時間をかけて理詰めで相手を説得していくのはなかなか困難。聞き手側もそんな相手をしている時間的余裕がない。そんなことよりも、分かりやすいうたい文句で人の心を惹きつけたほうがよっぽど効果的。そしてそのためには、相手が「これは絶対に正しい」、「これなら賛成」というように「当たり前」であると考えている内容に如何に結びつけていくか、そこで如何に琴線に触れるかというテクニックが大きく物を言うことになる。最近の政治の動きを見ると、まさにキャッチフレーズのぶつけ合い。もちろんその根底には、体系的な政治思想、経済理論、権力、利害などが絡み合っており、結局はそれらを総合した「力」が物を言うことになるのだろうが、言論が尊重される社会ではどんなに力が強くても一方的なごり押しはできない。そこで、誰にでも分かるようなキャッチフレーズでそれを補い(時にはカモフラージュし)少しでも自勢力に有利になるようにことを進めていくものと思われる。 国会審議の混乱をめぐる与野党の応酬をみると、いかに巧妙なキャッチフレーズを考案・使用するかということが、国民からの支持をとりつける最大の手段になっているように思える。
この問題、野党側は本来ならば、 国会定数削減分を「比例区:小選挙区=20:30」で同時に実施するというならば話は分かる。それを、比例区だけ一方的に削減しようとするのは大政党を有利にするものであり、少数意見封殺に繋がりかねない党利党略の暴挙だという形で反撃すれば分かりやすいロジックになったと思う。ところが最大野党の民主党が、比例区は廃止すべきだというような主張をしているからこの切り札が使えない。このあたりに最大の歯切れの悪さがあるように思える。 いずれにせよ、相手方の直前の行動を非難するためのキャッチフレーズばかり考案・使用していたのでは揚げ足取りになりかねない。1/25にも述べたように、しょせんキャッチフレーズは 相手が「これは絶対に正しい」、「これなら賛成」というように「当たり前」であると考えている内容に如何に結びつけていくか、そこで如何に琴線に触れるかというディベート上のテクニックのようなもので、筋道の通った体系的主張とは相容れないところがある。発端が何であったか、問題の本質は何なのか、といった根本に立ち返った議論が望まれるところだ。 余談だが、自民党の森幹事長は代表質問の中で「【野党は、】議会人としての自殺につながりかねない暴挙を敢行し...」と発言されたようだが[2/1朝日]、『新明解』をひもといてみると 敢行:悪条件を押し切って行うこと。という意味が記されており、「困難な諸条件があるなか、勇気をもって思い切って行った」という語感があるように見える。批判対象の行為を「敢行」と呼ぶのは、何となく相手の勇気を褒めているような印象を受けるのだが、私だけの個人的印象だろうか。 このほか、同じ森幹事長は、先日の吉野川可動堰投票に関して 住民投票ですべてを決めるのであれば、議員が必要なくなるのではないかという意見を表明しているとか[2/1/朝日]。 しかし、この「すべてをAとするなら、Bは必要なくなる」という論法には少々無理があるようだ。個別に制定され実施されている住民投票はすべてを決めているには該当しないからである。 |
【ちょっと思ったこと】
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【スクラップブック】
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【今日の畑仕事】
卒論提出締切日で多忙のため立ち寄れず。 |