【思ったこと】 _00205(土)[一般]京都の事件、その後
昨年12月21日に京都の小学校の校庭で小学2年生が殺害された事件に関連して、任意同行を求められた21歳の男性が公園での捜査員の説得中に突然逃走、近くの団地から飛び降りて自殺したという。2/6朝のNHKニュースでは、家宅捜索により有力な証拠物件が見つかったことなどが報じられ、この男性の氏名も公表された。
現時点で私が知り得たことは
- この男性は市営住宅に母親と2人で住んでいたこと
- 府立高校在学中は授業を休みがちで、補習授業を受けてやっと卒業。本人は「単位が足りないのに“卒業させられた”ことに納得がいかない」というような悩みを出身校の教諭に相談していたこと
- この男性は日野小学校の卒業ではないこと
- 大学進学を目指して浪人中であったこと
といったところ。男の逃走・自殺を引き起こしてしまったことについては、「任意同行であっても
突然逃げ出した場合は“不審事由”として追いかけて問いただす必要がある」(2/6朝日、土本・元検事)、「自殺は究極の証拠隠滅だ」(2/6NHK、田宮・元警視庁捜査課長)といったコメントが寄せられていた。
現時点ではこれ以外の情報が無い。もっとも何か新しい情報が入ったからといって「犯罪心理」などを軽々しくコメントできる立場ではないが...。とりあえず、思ったことをいくつか。
- 警察の不手際について種々の批判が寄せられているようだが、これは結果論であって事件の本質とは別の問題。
- 2月2日の日記でも記したが、類似の事件の再発をどう防ぐかということが最大の課題。今回の場合でも、容疑者の男性が高校在学中に授業を休みがちであったと報じられているが、これに対して学校や臨床家がどう対応したのか、「人間発達に必要なモラトリアム期」などと誤認して、「話を聞く」、「ただ待つ」という形で現状を放置するようなことはなかっただろうか、事実関係を明らかにしていく必要がある。
- この問題を受験戦争の犠牲者であるかのように主張するのは早計。これについては現在連載中の“『受験勉強は子どもを救う』か”のなかでふれていきたいと思う。
- 当初、この事件の容疑者は未成年であるかのような先入観は無かっただろうか。碓井さんの京都小学生殺害事件と神戸小学生殺害事件(「酒鬼薔薇」と「てるくはのる」)のページなどを拝見しても、多くの識者がもっと若い男が犯人であるかのようなコメント(←犯人を「少年」と呼んでいる)を寄せている。
- 余談だが、私はこのニュースの第一報を、日経ネットで知った。このときは
.....捜査本部の事情聴取に応じるそぶりをしながら、刃物を出して逃走。午後1時前、京都市伏見区の団地から飛び降りたという。〔共同〕
という文面だったけれど、刃物というのは誤報だったのだろうか。
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