4月6日(木)
【思ったこと】 _00406(木)[社会]小渕前首相の「脳死説」と「幽閉説」
小渕前首相入院以来、何人かのWeb日記作者が脳死説、あるいはそれに基づく臓器移植の可能性を論じていた。これに対して、根拠なしに脳死説を流すのは本人や家族に対して甚だ失礼なことになるのではないかと指摘した方もあった(例えばまついさん4/5)。
確かに医師団からの正式な情報が無い時点で一個人の病状についてあれこれ推測することは人権上問題があるとは思う。しかし、4/2の日記に
一国の首相の病状が丸一日たっても国民に知らされないというのは、旧ソ連の歴代書記長の入院を思い起こさせてしまう
と書いたように、今回の入院、首相交代をめぐって、国民の前に政治的フィルターのかからないダイレクトな情報が伝えられてこないというのは見過ごすことのできない問題であるように思う。
ちょうど4/7の朝日新聞天声人語では「小渕前首相幽閉説」という噂が紹介されていた。言われてみれば、幽閉説をうち消す根拠もどこにもない。憲法の規定に基づいて内閣が総辞職するというのであれば、前首相の職務遂行能力の有無について、主治医のほか、政府が独自に派遣した医師による公的な確認があってしかるべきだ。天声人語には、後継者選びについて、「クレムリンのような密室主義」と英紙が書いていることも紹介されていた。同じような疑問をもつ人は外国にも居られるようだ。というか、国民主権の原則を重んじる人々のあいだからこうした声が出てこないこと自体がおかしいと思う。にも関わらず、内閣総辞職から首班指名の過程でこうした疑問が出てこなかったのはなぜだろうか? 推測してみるに、
- 日本人の国民性として、不幸な状態にある他人のことについて根掘り葉掘り問いただすのは失礼であると考える風潮があった。
- もしホンマに幽閉であるならば、小渕氏の側近や御家族から何らかの訴えが起こるはずである。それが無いということから間接的に納得してしまった。
- 政治の空白を作ってはいけない、臨時代理では国益を損なうというプラグマチックな考えから、原則論にこだわらず最善の策をとろうとした。
- 小渕首相を支持しない人は、プロセスの妥当性には注意が向かず、「辞める」という結果だけを歓迎してしまった。
- 首相が公選制になっていない現状では、前首相の病状がどうあれ、国会の多数派が首相交代を決めてしまえばそれを認めざるを得ないという諦め。
といったところだろうか。ほんらい、小渕氏を支持するかどうかということと、一国の首相の交代にあたって適切な情報公開があったかとうかというのは、全く別の問題のはずなんだけれど...。
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【ちょっと思ったこと】
- 養護学校出身の女流王将
4/6のNHK「にんげんドキュメント:女流王将・19の春」を見た。昨年6月に18歳で将棋の女流王将のタイトルを獲得した石橋幸緒さんは、東京都立小平養護学校出身。未熟児として生まれ、幼い時から消化器系の大手術を4回も乗り越えた。幼いときに食べたもので記憶に残っているのは錠剤ばかりだとか。
石橋さんは養護学校時代に担任の先生から将棋を教わりメキメキと上達。22戦21勝の好成績で中1の時にプロ棋士の資格を獲得した。その道のりには、ご本人の並々ならぬ努力があったことはもちろんだが、本人も言っておられたように、養護学校での、個人個人に合った教育が功を奏したとも言えよう。もし病弱でなかったら今頃は「ふつうの大学生」になっていただろう、どっちがよかったのか分からないというようにも話しておられた。
昨年6月の王将戦では、清水市代女流名人・王将を相手に2連敗のあと3連勝。3戦目で「横歩取り8五飛戦法」からの新構想を展開したほか、不利な展開となった最終戦では「4四香車」が相手の失策をさそう妙手であったとか。「4四香車」は相手が最善の手を指せば悪手になりかねない手だが、「理論的に最善の手」よりも「逆転の可能性が最も高い手」を選んだという点で評価されているそうだ。今年もまた5月から防衛戦が始まる。今後のご活躍に期待したい。
※女流王将戦の公式ページはこちら。
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【今日の畑仕事】
ハツカダイコン、ブロッコリー、ホウレンソウ、長ネギを収穫。
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【スクラップブック】
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