じぶん更新日記1997年5月6日開設Y.Hasegawa |
スミレ。一般教育棟の中庭の一角にスミレの群落があり、毎年この時期に美しい花を咲かせている。 |
【思ったこと】 _00413(木)[社会]犯罪の起源と騒擾 石原慎太郎・東京都知事は4/9の陸上自衛隊練馬駐屯地での発言: 三国人、外国人が凶悪な犯罪を繰り返しており、大きな災害では騒擾事件すら想定される。警察の力に限りがあるので、みなさんに出動していただき、治安の維持も大きな目的として遂行してほしい。の補足として、12日の記者会見の中で (阪神大震災では騒擾が起きていない点について)東京の場合はもっと凶悪な犯罪をしている不法駐留者がたくさんいる。宝石泥棒も手口が荒いし、危険な薬物が外国人によって蔓延している。神戸の不法滞在者による犯罪とは質も量も違う。それが大災害のときにどんな形で爆発するか、知事として寒心に堪えない。それに備えて演習をしろと私の責任で言ってきた。だれがそれをとがめられるのか。 ...............【中略】................ 歌舞伎町とか池袋に行ってごらんよ。十二時過ぎたらどこの国かわからんよ。日本のやくざだって、怖くて入れない。そういう現状がある。という発言をされたという。 ここでは、「三国人」発言問題や、外国人一般に対する差別問題とは全く別の問題として、宝石泥棒をしたり、危険な薬物を販売する組織が大災害時に治安出動を必要とするような騒擾(そうじょう)を起こすのかどうか、ちょっと考えてみた。 この騒擾というのはあまり見かけない言葉であるが、『新明解』によれば 不平分子が集まり騒いで、社会の秩序を乱すこと。とされている。私には、窃盗や薬物販売などの犯罪とその種の騒擾事件とは犯罪の構造が全く違うように思える。 日記読み日記にもちょっと書いたように、その種の犯罪組織は災害時はひっそり隠れているものではないだろうか。災害直後のわずかな時間に略奪したって、いずれ捕まってアジトも露わにされるだろう。 そもそも窃盗や薬物販売のような行動はどういう社会環境のもとで強化されるのだろうか。ここでちょっとした思考実験を考えてみよう。 まず、自給自足で成り立つ「泥棒ばかりの島」というのがありうるかどうか考えてみよう。泥棒というのは「他人のものを盗む」ことだが、お互いに他人の物を盗んでいたのでは物が移動するだけ。生産活動が行われないから全員飢え死にしてしまうだろう。 次に、半分が泥棒で半分が農民という島を考えてみる。この場合、もし農民が強力な武器を持っていたとしたらわざわざ泥棒などを島には置かない。あっというまに撲滅されてしまうだろう。いっぽう、泥棒のほうが力が強くて農民から意のままに物を奪ったとする。こういう状況はありうるだろうが、その場合は、「泥棒vs農民」というよりも、泥棒を支配階層とする奴隷制度と考えたほうがよさそうだ。 このように考えてくると、少なくとも現代の資本主義社会における犯罪組織というのは、その国の経済発展に寄生し、支配階級にはならず、あくまで少数派であり続け、かつ法体系を守らずに物やお金を手に入れる集団ということになる。となれば、大災害時に無用な混乱を起こして復興を遅らせることはかえってマイナス。逆にカモとなる人の懐が豊かになるように、復興活動に手を貸す可能性だってある。 犯罪組織にもいろいろなタイプがあるので一概には言えないけれど、一国の経済体制に依拠して収益をあげるような組織の場合は、まずは保守的になるはずだ。体制がコロコロ変わるようでは寄生できないからである。そのことがまた、いろいろな国の権力者が、犯罪組織の撲滅よりも反体制組織の弾圧に力をいれることの理由にもなっていると思う。 国際舞台で暗躍する犯罪組織の場合、国家および国際的な警察組織があまり堅固であってはやりづらいだろうけれども、逆に戦争状態になってはもっと困るはずだ。そういう意味では、少なくとも宝石泥棒や危険な薬物販売に関与する組織は、平和主義志向であるかもしれないと思う。 いずれにせよ、 平穏時に犯罪を犯す人=災害時に騒擾を起こす人 という図式は全く根拠がないように思う。「蛇頭など不法入国外国人犯罪常習者」による犯罪は、治安出動訓練ではなく、沿岸警備、入国管理の徹底、防犯体制の強化といった形で防止すべきもの。 |
【ちょっと思ったこと】
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【今日の畑仕事】
ホウレンソウとブロッコリーを収穫。 |
【スクラップブック】
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