じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa


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4月15日(土)

【思ったこと】
_00415(土)[教育]8割が公的に補助されるという通信教育

 少し前から新聞折り込みのチラシなどで、「受講料の8割が国から補助されます」という通信講座の広告を見かけるようになった。貸与型の奨学金ならともかく、そんなに多額の補助を出せるほど税金が余っているのだろうかと疑問に思っていたが、4/16の朝日新聞でこのことに関する記事を見かけた。

 それによればこの制度は正式には「教育訓練給付制度」と呼ばれるもので、財源は雇用保険。「働く人に技術を身につけてもらうことで雇用の安定と再就職の促進を図る」(労働省)という狙いで1998年12月より開始、4月からは対象講座を4割増の1万1千に広げたため利用者も急増。このための予算は19億円から273億円に増額、今年2月までに約13万人が補助を受けた。来年はさらに増額の予定だという。

 私が当初疑問に思ったのは、「8割補助」に目をつけた悪徳業者が、内容を伴わない講座を乱造。ニセ受講生をアルバイトに雇って補助金分を稼ぐなんていうことは無いのだろうかということ。しかし税金を使う以上、いくらなんでも講座の教育内容や実績にはちゃんとチェックがかけられているのだと思う。未だよく分からないのは、どの時点で補助を受けられるかということ。目的とする資格が取得できた時なのか、資格試験には失敗しても最後まで受講していればそれでよいのか、このあたりがよく分からない。

 自宅で時間に拘束されずにできるという気軽さがあるため、通信教育というのは申込み葉書を出せばそれだけで資格取得が約束されたような錯覚を引き起こしやすい。じっさいは大学や専門学校に通う以上に自律的な学習の積み重ねが必要なはずなんだけれど。ちなみに私自身は、一度だけ、妻が申し込んだ翻訳者養成講座を代理で受講したことがあったが、けっこう大変。成績もそんなに優秀ではなかった。その後に出版された翻訳書にはその成果が反映されたハズなんだけれど。

 ネットが普及しつつあるいま、これまでの郵送主体の通信教育に変わって、ネット経由の教育も盛んに行われるようになるものと思う。「雇用の安定と再就職の促進」はもとより、生涯教育の観点からも公的補助の充実自体は望ましいことではあると思うけれど、税金を使う以上は、カリキュラム、実施形態、成果などの点で厳格な監査を行ってもらいたいものだと思う。あとは、大学の公開講座の受講料値下げとか、社会人大学院生への学費補助などにも同様の配慮が欲しい。

 なお朝日新聞18日付くらし面にこの件についての実態ルポが掲載されるということなので期待したいと思う。
【ちょっと思ったこと】
  • 娘の授業参観/最後の桜

    [写真]  土曜日の午前中は小雨降りしきるなか娘の通う小学校まで授業参観へ。授業内容は、児童が一人ずつ「私の靴」というテーマで自分の靴の絵を見せながらスピーチをするもの。「この靴を履いたら記録が伸びた」とか「飼っているネコにかじられた」とか「今の足のサイズより1.5cmも大きい靴しか買ってもらえなかった」など面白い話が多かった。「記録が伸びた、っていうのは本当は自分が頑張ったからなんだよね」という先生の話が印象的だった。

     娘は来年は中学生となる。このクラスを見る限り校内暴力とか恐喝が起こりそうな兆候はどこにもない。4月8日の日記で森首相の演説に関連して、「道徳教育の不足が学級崩壊や校内暴力の一因であると考えるのは本質的に性悪説の立場だ」というようなことを書いたけれど、こういう授業を見ている限りは、教育の基本はやはり性善説でなければならない、だからこそ、何が問題行動や非行を強化しているのかを見極める必要があると感じた。

     校舎の横には、ソメイヨシノ(落花さかん)と、品種は分からないが白っぽい桜が綺麗に咲いていた。授業参観や運動会などでこの学校に足を運ぶことはまだ何度もあるけれど、桜の季節に訪れるのはこれが最後なんだなあとしみじみ。

  • 「下学年優先」の理由

     小学校ネタをもう1つ。新年度に娘が学校からもらってきた印刷物の中に、「配布物の配布方法変更について」という興味深いものを見つけた。二人以上の兄弟が学校に通っている場合、全戸配布の印刷物が重複しないよう、従来は兄や姉のほうだけに配布していたが、これを下学年、つまり弟や妹のほうだけに配布する方式に切り替えるという通知だ。

     その理由というのは、従来の方式では、低学年の子どもたちの中で印刷物を貰えない子どもが出てくる。そのさい「どうして、お便りをもらう人やもらわない人があるの?」という疑問がよく出るけれど説明を繰り返しても納得できにくい場合がある。高学年ならばその理由が容易に納得できるので、低学年のほうを全員配布にしたというものだった。ま、このあたり学校の方針なんで何とも言えないけれど、

    • そんなにコストがかかるもんでもないなら全員に配布すれば済むようにも思える。
    • どうしても節約を図ろうという場合、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)が届けてくれるからそれでいいのよ。紙が無駄になるでしょう。」と説明することはそんなに難しいことなのだろうか。「どうして、お便りをもらう人やもらわない人があるの?」というのはまことに健全な疑問。納得できるまで時間をかけて説明することこそ意義があるようにも思える。
    • もっとも、兄や姉に依存せず低学年の時から全員に配布物を親に手渡すこともそれなりの教育になるかもしれない。それなら「下学年では納得してもらえないことがあって大変だから」などと省エネ的な本音?を言わず、「(配布物を親に届ける)という役割を下学年全員に与えることで責任感を養う機会を公平に与える必要がある」という教育意義重視の理由づけをしたほうがカッコよかったかもしれない。
【今日の畑仕事】

雨のため何も作業できず。ミニトマト、キュウリ、ナス、カボチャ、ピーマンの苗を購入。
【スクラップブック】