じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

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[今日の写真] 夕刻、西の空に輝く月と金星。東の空の木星や土星とともに秋の夜空をにぎわすようになった。



10月30日(月)

【思ったこと】
_01030(月)[数学]300mlと500mlから400mlを測るクイズ

 一日前のことになるが、日曜の夕食時に「日曜ビッグスペシャル:芸能界“共通一次”テスト!!.....」というクイズ番組を見た。芸能人が有名小学校の入試問題などに答えるというものだが、出題内容は陳腐なものばかりでいまいちだった。芸能人にわざとミスを演じさせて、「視聴者の私のほうが賢いぞ」という優越感をくすぐる趣向かもしれないという気がした。そんななか、算数の問題で感じたことを1つだけ記しておきたい。

 出された問題は、
300mlと500mlの空のグラス2個だけを使って、400mlのジュースを計りとるにはどうすればよいか。但し、ジュースは別の容器にたくさんあり、計量の途中では捨ててもよい。
というもの。よく知られた解法は
  • 500mlを満杯にし、300mlグラスに移す。
  • 300mlグラスに移されたジュースは捨て、500mlグラスに残っているジュース200ml分を再度300mlグラスに移す。
  • 500mlグラスを再度満杯にし、300mlグラスの残り容量分である100ml分だけ300mlグラスに移す。これにより500mlグラスには400ml分だけ残る。
であるが、番組では、別の解法として
  • 300mlを満杯にし、500mlグラスに移す。
  • もういちど300mlグラスを満杯にし、再度500mlに移すと、100mlだけ残る。
  • 500mlグラスを空にして、300mlグラスに残っていた100ml分を移す。
  • 300mlグラスを満杯にして、500mlグラスに移せば、上記の100ml分と合わせて400ml分が計れる。
という方法も紹介していた。1つだけなら平凡だが、これら2つの解法を両方とも自力で直ちに思いつける人は、相当に頭の柔らかい人ではないかと思う。ちなみに私は、前者の方法しか思い浮かべることができなかった。

 ところで、この種の問題は数学的にはどう表現されるのだろう。前者の方法は、おそらく
500-[300-(500-300)]=400

と表せばよいように思う。ここでは足し算や引き算、プラスやマイナスの符号は、「移す」、「これだけ入った」、「これだけ残った」、「あとこれだけ入る」といった操作や状態に対応していると言える。

同様に、後者の方法は
(300+300-500)+300=400

と考えればよいのだろう。

 クイズ番組からは外れるが、上記によく似た問題として
AさんとBさんはそれぞれ500円玉と300「円玉」をいっぱい持っています。AさんがBさんに400円を支払うにはどういう方法がありますか。2通り示しなさい。
というものを考えることもできるだろう。この場合、前者は500円玉2枚を渡して300円玉2枚のおつりを貰う方法、後者は300円玉3枚を渡して500円玉1枚のお釣りをもらう方法に対応している。

 コインのやりとり問題とグラスの移し替え問題の操作の違いを比較してみるのも面白い。
  • オリジナルの問題ではグラス2個だけしか使えないので最大で800mlしか計れない。もし大きなバケツに移してもよいと考えると、コインやりとりと全く同じ操作を実現することができるだろうか。
  • コインのやりとりはもちろん、上記のバケツがあればグラスでも、100刻みであらゆる量(金額)を表現することができる。もう少し簡単に言い表すために100で割って考えるならば、「threeとfiveと足し算、引き算だけであらゆる整数を表現することができる」とも言える。これと同じように、2種類のコインだけであらゆる整数が表現できるためには、2つの数値(金額)がどういう関係にあることが必要か。
といった問題を家族で考えてみるのもよいかと思う。
【思ったこと(2)】
_01030(月)[一般]アサギマダラ/何はともあれ、子どもたちにデジカメを持たせよう


[Image] [Image]  同じく、日曜日の話題になるが、昼過ぎ、大学の花壇でフジバカマの花の蜜を吸っている珍しい蝶を見つけた。デジカメで撮影しておいて家の図鑑で検索したところでは、アサギマダラというマダラチョウの仲間であることが判明した。それほど珍しい蝶でも無さそうだが、私にとっては初めての目撃となる。

 このことでふと思ったのだが、もし手元にデジカメが無かったらこの種の蝶の名前を知ることは殆ど不可能。細かい模様が記録できているからこそ図鑑で調べられるわけだ。

 最近では1台1万円以下のデジカメというのも出回っているとか。となれば、子どもたちにとにかくデジカメを持たせ、自然公園を自由に探索させて珍しい光景を20枚ほど集めるという授業を行えば、自然に対する興味が倍増するのではないだろうか。自然の風景ばかりでなく、街角ウォッチング、あるいは放置自転車等やゴミのポイ捨てなどの記録にも役立てられる。ネットの普及も大事かもしれないが、まず直接体験を記録にとどめ、必要に応じてネット上で検索させるという教育を進めたほうが効果が大きいように思える。
【スクラップブック】