じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] タイツリソウ(ケマンソウ)。鉢花として買ったあと地植えしたもの。枯れたものと思っていたが、ちゃんと花を咲かせた。


4月19日(土)

【ちょっと思ったこと】

「自転車1000台屋敷」で視たカウンセリングの極意

 昼食時、たまたまTVのチャンネルを変えたところ、「いきなり!黄金伝説」という番組の再放送をやっていた。この日の特集は、推定1000台と言われる自転車の残骸を屋敷の周囲に積み上げていた男性(60歳)にタレントの石本武士氏が近づき、自主撤去に着手させるという内容。

 映像によれば、この男性の自宅の敷地内には、どう見ても修理不能な自転車の残骸が山高く積まれており、一部は屋根の上にまで載せられていた。残骸からは廃油がこぼれだし悪臭をはなつ。屋敷の外壁の一部は自転車の山で歪み今にもくずれそうになっており、スポークが突き出していて小さい子供の目にあたる恐れがあった。さらに残骸の一部は周辺の道路にもはみ出しており、転がった部品でパンク事故が起こる可能性もあった。

 こうした異常事態にもかかわらず、周辺の住民はその男性を怖がっていて直接抗議しない。撤去要請に訪れた市役所職員に対しては、県財政の赤字を解消せよなどと市の行政に関係の無い悪口罵倒を浴びせいっこうに片付ける気配が無かった。

 この番組で私がスゴイと思ったのは、自転車の山よりもむしろ、家主の男性への接し方である。心理学を専門としているとはいえ、私のような気の短い人間が解決を頼まれたとしたら、強圧的に
さっさと片づけんかい、おっさん! モタモタしていると強制執行や。かかった金は後で払ろうてもらうぜ。払えなけりゃ、家の競売や。
と脅しをかけるだけだろう。これに対して石本氏は、「とりあえずおじさんと仲良くなる」に徹し、「自分も自転車が好きなんですよ」、「自転車は自分で動くからいいですねえ」などと話しかけ、少しずつ心を融かしながら片付けへの協力を申し出る。今回の前編は、周辺道路の残骸(一部は勝手に持ち込まれた不燃ゴミ)の自主撤去に着手したところで終了した。これぞ、カウンセリングの極意というべきだろう。




 もっとも、テレビ番組である以上、やはりどこかに不自然さがあるところは隠せない。そもそも、家主の男性にとって石本武士が全く見知らぬ人物であるという証拠が無い。家主が正体不明なのに最初から「お父さん」と呼ぶのも不自然。それと、取材をするからにはカメラが入らなければならないが、いつの時点から了解をとれたのか不明。本当に頑固な人なら、取材ネタに使われていたと知っただけで激昂するに違いない。

 ま、このあたりは娯楽目的の番組。半分フィクションとして素直に感動しておきたいと思う。




 さて、それでは、なぜこんなに多くの自転車残骸を集めたのか、結末がどうなったのかが気になるところだが、これらは来週のお楽しみということであった。来週は見落とすことのないよう、さっそくビデオ録画の予約を入れようかと思ったが、この番組はじつは再放送であったことに気づく。さっそくネットで検索したところ、すでに2月13日と20日に放送済みであり、次回のあらすじを含めて番組サイトに紹介されていることが分かった。なるほどそういうことだったのか。いや、やっぱり、結末を知らずに続きを視た方が感動が大きかったかも。