じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

8月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

[今日の写真] ザクロ。7月の晴天続きで、例年より早く実が熟しそうだ。


8月3日(火)

【ちょっと思ったこと】

NHKニュースのNG

 民放ではたまにTVドラマの「NG特集」というのをやっているが、真面目一筋のNHKニュースでもときたま「NG特集」に加える価値のありそうな場面がある。もっともニュースはすべて生放送なので、映像はそのまま流れてボツになることはないが。

 8月4日朝5時40分すぎの「とれたて マイビデオ」では、中條誠子アナが、男性アナの口調が滑稽に聞こえたせいか、笑いこけて喋れなくなっていた。そのあと6時台でも、男性アナと同時に同時に声を出してしまうなど、珍しくミスが続出。レギュラーの柿沼郭アナがお休みをとっているせいだろうか。もっとも、こちらによると、中條アナは、「天然ボケ」で有名らしい。

 少し前、これは、朝のニュースだったか昼のニュースだったか忘れたが、松井秀喜選手の打球についてアナウンサーが「大きな当たりでしたが、あらかじめフェンス際で守っていた外野手にとられました」というように喋っていたのに、流された映像は満塁ホームランであったというミスがあった。これなど、NG特集の有力候補に挙げられるだろう。

 これも少し前になるが、冷静沈着で定評のある?島津有理子アナが、スポーツコーナーで、「陸上競技の花、男子○○メートル競走」というべきところを「陸上競技のアナ、...ハナ」と言い換えていたのもなかなか面白かった。





職員定期健診でじぶんを更新

 8月3日、職員の定期健康診断が行われた。今回の検査では、2項目において、「自己記録を更新」した。

 1つ目は、最初に行われた視力検査である今回初めて「両眼とも2.0」という公式記録を達成したこと。小学校の頃「左2.0、右1.5」という記録はあったが、50年余りの人生において、両眼とも2.0というのは初めてであった。じつは私は、最近老眼の進行がひどく、昨日の日記に書いたように、薄暗い場所では自転車の番号カギさえ読み取れないほどである。その一方、というか多少連関しているのだろうが、若いときよりも、遠くの物や夜空の星がよく見えるようになった気がする。2003年11月23日の日記には、「オリオン座の四角形(三つ星と小三つ星を除く)や、ぎょしゃ座の五角形の中に、それぞれ10個程度の星を数えることができた」などと書いてあるほどだ。

 近くの物が見えにくくなったことによる不便さは尽きないが、とにかく、肉眼で、夜空の星をたくさん見られるのは結構なことである。

 さて、もう1つの自己記録更新は、体重である。とうとう、公式記録としては最悪の65.8キログラムとなってしまった。私の場合、毎朝20分、夕食後に20分、殆ど欠かさず散歩を続けており、また、食事量もそれなりに気をつけているはずなんだが、ここへきて、なぜか太りだしてしまった。日常の規則的生活を維持する中で無理なく痩せるにはどうしたらよいか、なかなか難しい問題である。

 ところで、一定年齢以上の希望者にずっと実施されてきた肝臓のエコー検査が今年は中止となった。原因は、この検査を担当していたセンター常勤医師(助教授)が急逝されたためであった。毎年、検査のたびに

●脂肪を減らす努力しないで検査だけ受けに来たって、改善されるはずが無い。

とか、

●朝食前の散歩は結構だが、起きたては血がドロドロしていて、突然死の危険が一番高い時間帯だ。気をつけるように。

とお説教ばかりされてきたが、今年はとうとう、そのお声を聞くことができなくなった。医者の不養生などと言うが、私にお説教したことをご自分にもあてはめていただければ、もっと長生きされたのではないかとまことに悔やまれる。

8/4追記]
この医師と最後にお会いしたのは昨年11月28日であった。
【思ったこと】
_40803(火)[心理]「活きる」ための心理学(19)高齢者福祉

 自治体主催の生涯学習講座の4回目(7月24日実施)の講義メモの続き。4回目の最後の部分では、あまり時間はとれなかったが「高齢者福祉」の問題に言及した。

 なお、この講座にはギリギリで間に合わなかったが、このたび、朱鷺書房から、全人ケアの実践という本が出版された。この中の58ページから65ページに

●第II部 ダイバージョナルセラピーの基礎理論 第1章 高齢者の理解 第1節 心と行動

という部分は私が分担執筆した箇所であり、今回の講義内容をより詳しく述べたものである。ご一読いただければ幸いだ。

 さて、私が提唱している高齢者福祉の基本理念は、7月25日の日記で引用したスキナーの次の言葉を前提とするものである【佐藤方哉訳、一部略】
  • 思いやりのある社会は、もちろん、援助が必要で自分ではそれができない人々を援助するでしょうが、自分でできる人々までも援助するのは大きな誤りです。.....人権を守るのだと主張している人たちはすべての権利のなかで最大の権利を見逃しています−−−−−それは強化への権利です。
  • 幸福とは、正の強化子を手にしていることではなく、正の強化子が結果としてもたらされたがゆえに行動することなのです。
 要するに、痴呆症のお年寄りを含めて、すべての高齢者に能動(=能動的オペラント行動)の機会を保障すること、かつ、それらの能動が適切に強化される(=成果が伴う)ような仕組みをサポートすることが基本である。

 高齢者の生きがいを考えるにあたって留意すべき点は、
  • 高齢者の価値観は人生経験が長い分、それだけ多様となり、時にはあまりにも特異であるために他者から理解しがたい部分も出てくる。
    • 高齢者の生きがいはこうあるべきだといった画一的な議論はできない。
    • 個性を尊重し、多様な要求を実現していくのかが高齢者ケアの決め手となる。
    • とはいえ、ご当人の健康状態、他者への迷惑、コスト上の制約などから、多様な要求のすべてを実現することは現実的には不可能。
    • ある程度の妥協はやむを得ないにせよ、創意工夫をこらして、最善の可能性を探っていくことが求められる。
  • 高齢者はしばしば無気力になり、極端な場合は鬱病であると診断されるが、やる気が起こらないのは必ずしも病気のせいとは限らない。
    • 一般に「やる気」と呼ばれるものは、外界に能動的に働きかけ、それに応じた結果が伴う時に限って高められ維持していくものである。
    • 不活発の原因を体の内部(=「無力感」や「鬱」)に求めても何の解決にもならない。
    • 年をとって体力が衰え、機能喪失や環境変化が起こると、若い頃と同じように頑張ってみても、それに見合う結果が伴わなくなってくる。そうなると、オペラント条件づけの基本原理により、能動的な行動は次第に「消去」されてしまう。これが不活発になる最大の原因。
    • そこで、(1)その行動を自発できる環境、用具を整える、(2)何らかの障害により、物理的に自発が困難な人には、それを補助する、(3)スムーズに結果が随伴するよう、難易度に配慮する、というように「能動的な行動に適切な結果が伴う機会」を保障する配慮が求められる。
 昨年来の年金未納問題、年金改革関連法成立、さらには、参院選を受けて年金改革関連法の廃止法案が臨時国会に提出されるなどと報じられている。もちろん、高齢者にとって、生活に必要な最低限度の収入を確保するということは切実な問題ではあるが、単に、年金を増やしたり施設を立派にするだけでは、福祉政策は決して十分とは言えない。いちばん必要なのは、生きがいのために高齢になっても働きたいと希望する人たちに対して、能動的労働の機会を保障することである。このほか、地域文化の伝承、知恵の伝授、スクールカウンセラーなど、お年寄りの活躍できる場を最大限に確保することが大切。

 ということで、講義メモはこれで終了。なお、次回は、受講者アンケートの結果を参照しながら、反省点などについて述べることにしたい。