じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] チリの標高4500mにあるタティオ間欠泉。看板上は「世界最高所の間欠泉」ということになっている。間欠泉という言葉から一定時間ごとにお湯を吹き上げる温泉を想像していたが、私が見る限りでは特に周期性はなく、常時熱湯が吹き出していた。温泉の規模自体は別府の地獄と大差無いが、周りの景色が素晴らしい。また、後ろの山はボリビア国境であり、後日、その山の向こう側を通った時に別の温泉を見物することができた。ボリビア側のほうの温泉は泥を吹き上げていた。
なお、大サイズの写真は、サーバー容量の関係で1日限りの公開とさせていただきます。


9月4日(土)

【思ったこと】
_40904(土)[旅行]アンデス最深部(3)「シュレック2」の美醜ステレオタイプと人種的特徴

 南米旅行の一番の苦労は、往復の搭乗時間が極端に長いことである。片道で正味22時間、乗り継ぎの待ち時間を入れると1日半以上の行程となる。

 そんななか、退屈を癒してくれるのが、機内で上映される映画である。今回私が観たのは、SHREK2と、Chasing Libertyの二本であった(←後者の感想は、また別の機会に)。

 さて、「SHREK2」の前作にあたる「SHREK」については2002年9月15日の日記に書いたことがあった。その時に

【続編では】まかり間違ってもあの二人がさらに冒険の旅に出て、美男子と美女になって、メデタシメデタシなんていう展開はヤメテもらいたいものだ。

と最後に記してあった。私の「期待」に沿ったわけでもあるまいが、今回もまた、ブサイクなままでハッピーエンドとなったので少々安心。

 とはいえ、外見上の「美醜」はステレオタイプに描かれている点は、前回同様、ちょっと気になった。つまり、この映画を納得するには、観客側に、

●元のままのシュレックや、第一作で変身したフィオーナは醜い姿をしている

という共通の前提がなければならない。それは、説明によって理解するのではなく、映像から直感的に受け止められなければならない。そうして、第二作で、シュレックがポーションを飲んで一時的に美男子に変身し、それに連動してフィオーナも元の姿を取り戻した時点では、観客はみな

●変身後のシュレックや、フィオーナの元の姿は、美男美女である。少なくとも、醜くはない。

と、説明抜きで受け止めなければ話が進まない。もし、そっちの姿のほうが醜いと感じる観客がいたらエンディングにならないのである。

 2作目で特に感じたのは、変身後のシュレックは、やはりどう見ても、白人系の顔立ち。「チャーミング王子」も、フィオーナの元の姿もまた、白人系である。その対比から言えば、シュレックとフィオーナの「醜い姿」には黒人系の顔立ちの特徴が含まれているように思えてならない。皮膚を緑色にしているだけで、人種的な偏見を回避できている言えるのだろうか。

[写真]  この映画は機内で何度も上映されていたが、私が3度目に観ていた時、斜め前の通路にたまたま、(耳の形以外は)シュレックそっくりの顔立ちの男性が座っていた。同じように映画を観ていたので、どんな反応を示すのだろうかとちょっぴり観察してみたが、最後に国王がカエルの姿に戻った時にはゲラゲラ笑っており、全体として楽しんでおられる様子だった。もはや人種的な問題は気にする必要がないということか。

 念のため言っておくが、この映画のストーリー自体には人種的な差別生は全く無い。あくまで、キャラの外見的特徴のことを問題にしているのである。本当のところ、これは観る側のステレオタイプとも言える。幼少の頃からディズニーのアニメですり込まれているせいだろうか、美女や美男子と言えば、一般には、白人系のお姫様や王子様が目に浮かんでしまう(中にはナディアのように黒人系女性を主人公にしたアニメもあるけれど)。

 なお、「シュレック1」の時にも紹介させていただいたが、この映画の原作はこの絵本だそうだ。いちど読んでみたいと思っている。