じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  夕食後の散歩に出かける時、月齢18.4の月が北東の空に見えた(写真の赤い光は、理科大のネオン)。ずいぶん北に偏っているなあと思って天文年鑑でチェックしたら、11月1日の赤緯は27度、11月2日の10時33分に赤緯最北となることが分かった。

 月がこれだけ北に偏ると、アパートの北側の窓のほうが月が見えやすくなる(写真左下は11月2日朝6時50分頃の様子。アパートの北側の壁越しに見える)。9月10日の日記に書いたように、北の方向を向いて月の動きを観察すれば、月は右から左に動くように見える。


11月1日(月)

【ちょっと思ったこと】

300MBその後

 昨日の日記で、Yahoo!ジオシティーズが10月5日より、10月下旬より、ホームページ容量が大幅にアップ。通常で50MB、ジオプラス(Yahoo! BB会員は無料)なら300MBをお使いいただけます。というキャンペーンを開始していながら、11月になっても25MB(BB会員の場合)までしか使えない状態を作っているのは、企業としての信頼性を損ねることにもなり、会員拡大をめざすための広告の公正性という点でも問題があるのではないかと書いた。

 この件について直接問い合わせたところ、発信から15時間後にお返事をいただいた。Yahooのサポート体制が迅速であることは評価できるのだが、お返事のほうは、

●ホームページ容量につきましては10月下旬以降、順次増量作業を進めておりますが、全体の作業完了までは今しばらくお時間をいただいております。

という抽象的な回答にとどまっていた。その後念のためファイルマネージャーをチェックしたが、25MB制限状態は変わっていなかった。私はこの種の曖昧さには厳しい態度をとる。毎日容量制限をチェックし、Yahoo!ジオシティーズの企業としての誠実性がどの程度のものか、確認していきたいと思う。

【思ったこと】
_41101(日)[心理]高齢化社会における共生の知恵(2)地域統合ケア/共生とは何か

 一昨日の日記に続いて、10月30日に行われた、日本社会心理学会・第48回公開シンポジュウム「高齢化社会における共生の知恵を探る〜加齢(エイジング)をめぐる社会心理学〜」の感想を述べたい。

 シンポの3番目は、原英二氏(岡山県保健福祉部長寿社会対策課)による

●行政が取り持つ高齢者との地縁 −ノーマライゼーション推進型地域統合ケアについて−

という話題提供であった。

 原氏によれば、岡山県では「地域統合ケア」を推進する施策が進められているという。これまで福祉対策は、「高齢者デイサービス」、「障害者デイサービス」、「母子デイサービス」、「児童保育」、それぞれが縦割りで別個に行われていたが、これを、住民参加と利用者相互のふれあいを活かした地域統合ケアに転換していくというものらしい。

 この種の施策は、富山県で「構造改革特区」として実施されているが、富山の場合の対象者は、高齢者、知的障害者、障害児に限られていた。岡山県は、限定的な規制緩和としての特区ではなく、地域再生構想の手法のもとで、高齢者、障害者(身体・知的・精神)、子どもを含んだ、広範かつ普遍的な仕組みづくりを目ざすという。

 では実際はどのように進められるのかということだが、さすが行政の発想である。要するに、補助金の交付基準を優遇することで、趣旨にあった事業を育成・活性化しようという目論見らしい。これまでに10例ほどが実現しているという。

 その後のディスカッションの中でも強調されたが、この構想は、単なる福祉保健目的ではなく、町おこし、村おこしを目的に広く進められるものらしい。その中では、「環境」も1つのテーマになるということだった。このあたりは、エコマネーやコミュニティビジネス構想(こちらこちらを参照)とも繋がりがあるように思えた。




 さて、今回のシンポのテーマである「共生」という考え方については、もう少し掘り下げて考えてみる必要がありそうだ。『新明解』では「共生」は

●共生:二種の違った生物が一緒にすむこと。

と記されている。また、ネットで「共生とは」を検索したところ
  • 北野共生システムプロジェクト:ここでいう共生とは、多様な要素が選択的に相互作用し、機能や形態を発現させるような系をいう
  • 「共生」とは:これまでにも「共生」に関する書物が数多く公表されている。しかし,中には「共生」と「共存」の混同,「搾取」を意味するもの,「共生」とはほど遠いものなどが,「共生」という概念で安易に用いられており,大きな問題がある。筆者は,共生とは「お互いの犠牲の上に成り立った関係であるが,生まれも育ちも違ったものがともに協力し合って,相互が利益を得られるような関係」,すなわち「犠牲を伴う双利関係」と考える。
  • 『「共生」とは何か』(現代書館):共生と搾取は初めから矛盾していない。少なくとも生態学でいう広義の共生関係には、双利共生関係だけでなく寄生関係も含まれている。共生への模索とは、あるいはすぐに相手を殺して食べる捕食関係を改め、相手を生かしながら搾取する寄生関係に改めるというだけの意味かもしれない。
    ....【中略】
     共生とは、敵も味方もすべて自分とは独立した主体であり、しかも互いの生殺与奪に深く影響を与える相手として理解するという思想である。・・・
     もう一つ忘れてはならない点は、本書で説明する共生とは近代西洋合理主義の思想から生まれた概念であり、その否定の上に成り立つ概念ではない、ということである。共生とは、個々人の利害が完全には一致しないということを認めあった上で、互いにそれぞれの利益追求の自由を認めた上でなりたつ関係である。
というように記されている。

 「高齢化社会における共生の知恵」という時の「共生」についても、まずその概念を明確にし、「共生」が望ましいということを主張するのか、他に道が無いのでやむを得ず選択するのか、といったことを含めて議論していく必要があると思っている。

 次回に続く。