じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
強い寒気の影響で、大学構内のグラウンドもうっすら雪化粧。 |
【ちょっと思ったこと】
チベットより寒いぞ 2月1日の岡山は、この冬一番の寒さとなった。最高気温は2.6度と真冬日は免れたが、これは午前10時前後の記録。その後、晴れ間があっても気温は下がり、13時には0.8度、15時には0.1度、16時以降は氷点下の寒さが翌朝まで続いた。また午前11時から16時頃までは風速10m以上の寒風が吹き荒れた。県北西部の新見市ではマイナス8.2度程度まで下がり、また鳥取との県境の人形峠では84cmを超える積雪を記録している。 年末年始にチベットに行った時は、なんでそんな寒いところへ?と変人扱いされたものだが、実際はそれほど大したことは無かった。いちばんの理由は、風が殆ど吹かなかったこと、それと日差しが強くて暖められたためであった。今回のトレッキングで標高が最も高かったのはミ・ラ(=峠)近くの丘であったが、ここでも体感温度は0度前後、特に寒いとは思わなかった。 同じ0度でも風速1mにつき体感温度は1度ないし2度下がるなどと言われているが、これを機械的にあてはめれば昨日の岡山の気温はマイナス10度まで下がったことになる。 |
【思ったこと】 _50201(火)[電脳]頑張れ、一太郎! 各種報道によれば、ワープロソフト「一太郎」などに使用される技術が特許権を侵害していると松下電器産業が製造差し止めなどを求めた訴訟で東京地裁(高部真規子裁判長)は1日、特許権侵害を認めてソフトの製造・販売の差し止めと在庫の廃棄を命じた。 この判決のことは、夕方のネットニュースで初めて知ったのだが、当初は「「一太郎」「花子」の製造・販売の中止と製品の廃棄を命じた」などと伝えられていたため、これはエライことになったと思い、とりあえずこの画面の下のほうにつけていた一太郎2005のバナーを外したところであったが、その後の詳しい報道によれば、判決に仮執行宣言が付いておらず、判決確定まで効力は生じないということであった。また判決は利用者の使用を妨げないという。 特許権侵害と認められた部分の詳しい機能はよく分からないのだが、ITmedeiaが伝えるところによれば 特許は「情報処理装置及び情報処理方法」(特許番号第2803236号)で、1989年10月に出願され、1998年7月17日に登録された。「アイコンの機能説明をさせる第1のアイコン」をクリックしてから第2のアイコンをクリックすると、第2のアイコンの機能説明をしてくれる処理、について。ワープロ用の技術だったとされる。と紹介されている。 このニュースを聞いてまず思ったのは、日本国産のワープロソフトが絶滅の危機に瀕している時に、なんで日本企業どうしがマイクロソフトを利するような争いで足をひっぱり、マイクロソフト寡占化の手助けをしなければならないのかということであった。 この日記でも何度か書いているように(※)、 お米とワープロソフトは国産で というのが私の持論である。しかしいまや、マイクロソフトの影響は絶大。大学の情報処理の入門授業や「コンピュータ入門」公開講座なども、大半は、ワードとエクセルのお稽古である。大学生協でも、Officeプレインストールのパソコンを「○○大学仕様」などと称して新入生向けに販売したりしている。 とりあえずパソコン一台を買ってレポート作成したいという新入生にとっては、こうした抱き合わせ販売は便利かもしれないが、いったん、ワード・ユーザーやエクセル・ユーザーで固まってしまえば、2台目以降を買う時にも、同じようにプレインストール版、もしくは2万円以上の単体ソフトを新たに購入し続けなければならない。しかも競争が無いので、今後も値段はメーカーの言い値で決まってしまう。 ジャストシステムを特別に贔屓にしているわけではないが、とにかく、国産のワープロソフトを絶滅させてはならない。特許侵害は重大な問題であるが、利便性にかかわるような技術はむしろオープンアーキテクチャとし、日本の将来の発展のためにどう行動すべきかということを長期的な視点から考えるべき時期に来ていると思う。 なお、これも何度か書いていることだが、印刷目的のワープロソフトだったらすでに何年も前に完成されている。ソフトメーカーが、バージョンアップ料や新規購入で収益を維持していくことには限界があると思う。今回、特許侵害とされた機能なども利便性の本質ではなく、どうでもよい(少なくとも私は使わない)ように思える。 今後の開発は、アメリカ人にはできないこと、つまり、単語や文節の変換機能を応用して、的確な英語表現に翻訳するとか、アイデアの連想を助けるといった機能を高めることだ。 キー入力に代わる方法、例えば音声入力などは、私自身も試したことがあるが、かえって思考が妨げられる。但し、複雑な数式、化学記号などを入力では、音声変換や手書き入力のほうが便利な場合もある。このあたりでも漢字変換の技術が活かされるはずだ。 ということもあって、昨晩慌てて削除した一太郎2005バナーは、本日中にはこの画面に復活させる予定。また、最近ではその時期さえ注目されなくなってしまった「一太郎バージョンアップ」だが、今度の判決で脚光を浴びたのを逆手にとって、国産ワープロの必要性、長い目で見た時のコストなどをアピールしながら、更なるキャンペーンを展開してほしいと思う。
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