じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
アネモネ一番花。昨年は1月29日に開花していたので、なんと1か月以上の遅れ。 |
【思ったこと】 _50311(金)[心理]Google上位にランクされることは必ずしもホンモノの証明にはならない 日本心理学会のWebサイトにアクセスしたところ、Top画面に ■「社団法人日本心理学会と酷似した学会名を騙る団体への入会にご注意」 という注意書きがあることに気づいた。公共性のある内容なので転載させていただくと 日本心理学会理事長 辻 敬一郎となっていた。 2005年2月22日のニュースにもあるように、国家資格「医療心理士」というのは、まだ創設へ向けて超党派議連が発足した段階。資格が存在していないのに「医療心理士学会」が先にできるのは妙だと思ってGoogleで検索したところ、確かにそのような「学会」のWebサイトがあることを発見した。 しかし、そのサイト、どうもおかしい。通常、この種の学会であれば、理事長、役員などの名前や事務局の住所が明記されているはずなのだが、3月11日にアクセスした時点ではそれらしき記載がどこにも無い。また、学会誌として『メディカルライン』を刊行しているように書かれているが、ネットで検索する限りは、そのような学術誌の存在は確認できなかった。 このほか、「学会」の「定款」や認定資格の基準などの記述が他所の学会の基準と酷似していること(←パクリ?)、また、心理学のMLでいただいた情報によれば、「症例ニュース」の中にはこちらのコンテンツの丸写しがあることが判明した。けっきょく、唯一明記されているのは、郵便振込口座の番号とメイルアドレスだけ。これって、??? 今回のケースが該当するかどうかは分からないが、 ●GoogleでTopにランクされているということ と ●そのWebサイトがホンモノであること は全く別物であることに注意しておく必要があるだろう。Google検索のアルゴリズムが優れていることは確かだが、しょせん「たくさん見られていること」が第一条件であって、ホンモノであるかどうかはいちいち審査されていない。 そこで、例えば、「日本日記心理学会」なる団体が設立されたとする。その学会がWebサイトを開設する前に、何物かが同じタイトルでニセモノサイトを作り、各所からアクセスされてしまえばGoogleのTopにランクされることになる(ちなみに、3月13日の時点で「日本日記心理学会」を検索すると、なぜかこんな感じになる)。 でもって、ホンモノの学会に新たに入会した会員が、会費振込の口座を調べようとGoogle検索すれば、ニセモノの「日本日記心理学会」サイトにぶち当たることになる。そこにもっともらしく、定款や「日記心理学」に関するコンテンツが掲載されていれば、大して疑うことなく会費を払ってしまう恐れがある。これはかなり怖い。 この種の「振り込め」詐欺は、公式サイトをきっちり管理していない小規模学会で起こりうると思う。小規模学会の場合、公式サイトを外注するほどの資金がなく、役員がボランティア的にメンテすることになるが、その怠慢から、1年以上更新されないという事態もおこりかねない。その一方、学会サイトのurlなどはいちいち覚えられないので、Googleで固有名詞を入れて検索することになる。もしインチキサイトのほうが上位にランクされていれば、騙されて会費を払い込む人も出てくるに違いない。 同じことは、銀行や旅行会社、ホテルなどのWebサイトでも起こりうる。ビジネスホテルの固有名詞を入れて検索した場合、当該のホテルのオリジナルのWebサイトよりも、楽天、じゃらん、JTBなどのトラベルサービスの宿泊プランのほうが上位にくることが多いが、ひょっとすると、中には、そのホテルの名前を詐称したニセモノ予約サイトが混じっているかもしれない。そんなところに個人情報を入力したら大変なことになる。やはり、信頼できるサイトからのリンクに頼るか、複数の手段で確認するという手間を怠らないことが大切かと思う。 |