じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
4月29日の日記で、
蕪村の句では、牡丹の花は1片ずつパラパラと散ることになっているが、本当にそういう落ち方をするのだろうか。いっぱんに花びらというと、サザンカやソメイヨシノのようにパラパラと落ちる場合のほか、椿のように花全体がドサッと落ちる場合もある。このほか、茎に付いたまま、しだいに色あせていく花というのもある。上の写真を掲載した花を含め、牡丹の花びらがどう落ちていくのか、これを機会に観察してみたいと思っている。と書いたところであったが、岡山に戻る当日の朝、ちょうど運良く? 強い雨に打たれて牡丹の花びらが落ちる様子を観察することができた。写真では、落ちた花びらが葉の上にくっついていたが、地面のほうで「打ちかさなりぬ(=幾重にも重なった)」状態を確認することができた。写真右上は、29日朝に撮影したもの。 |
【ちょっと思ったこと】
尼崎の鉄道事故その後 4月25日朝のJR宝塚線(福知山線)の脱線事故からまもなく一週間が過ぎようとしている。事故の原因をめぐっては当初はさまざまな憶測が飛び交い、ビデオ映像や噂話だけに基づいた無責任なコメントも寄せられていたが、その後の調査で、物理的な直接原因と、背景となった安全管理面の様々な問題点が明らかにされつつある。 この種の検討では
例えば、当初、原因の1つとして挙げられていた「置き石」は、今回の事故に限ってはどうやら可能性が否定された模様である。しかし、置き石が脱線事故を引き起こすこと危険性は何ら変わりない。現に鉄道トラブル:置き石か 粉砕痕相次ぐ−−大阪・京都・兵庫でなどというニュース(毎日、4月30日)もあるくらいだ。監視体制の強化とともに、犯罪者は無期懲役に科すぐらいの処置が必要である。 今回の事故は死者107名という鉄道史上稀に見る大惨事となってしまったが、実は、さらに大きな二重衝突事故となる可能性もあったようだ。5月1日夜のNHKニュースや、翌日の朝日新聞記事で報じられているように、この事故の直後には、現場付近を通りかかった下り特急電車が約100メートル手前で緊急停止して二重事故を免れていたことがわかったという。特急電車運転士の咄嗟の判断は、決してマニュアル通りに忠実に対応しただけということでは片付けられない。特急電車乗客の命を救った大英断と言うべきであろう。このほか、朝日新聞記事には 現場の約50メートル手前の踏切にある緊急停止用の特殊信号発光機も作動していた。事故調は踏切内には障害物がなかったことなどから、「事故に気付いた誰かが非常ボタンを押した可能性が高い」としている。という情報もあった。事故が起こってしまうと冷静さを失い、現場のほうばかりに気をとられてしまいがちであるが、非常ボタンを押すという機転と、上記の運転手の正確な対処が無ければ、どうなっていたか分からない。ちなみに、事故車両の車掌と運転司令室は、他の電車に対する緊急停止の信号を送っていなかったという。 このほか、安全管理面では、非人道的な「日勤」のあり方が問題になっているようだ。人の命を預かる運転士である以上、厳しい安全教育を行うことは当然のことであるが、伝え聞く限りでは、「日勤」の内容は「安全を守るための適切な行動」を形成するためのプログラムではなく、もっぱら精神主義、時にはイジメに近いものであったという。少し前のテレビで服部さん損害賠償請求訴状が紹介されていた。この文面を見る限りでは、「日勤」なるものが、安全を守る行動の形成に適した教育プログラムになっているとは到底思えない。 |