じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
6月23日早朝の水田(5時40分頃撮影)。岡山では珍しい大雨となり、朝6時までの24時間積算雨量は74.5ミリ、72時間積算雨量は89.5ミリに達した。 |
【思ったこと】 _60622(木)[心理]学会誌論文査読は質保証になるか?(2) 昨日の日記で書き残したことの追記。 昨日の日記で、 と書いたが、1つ危惧されるのは、そのような形式にしても、誰もコメント(→ここでは「オープンリビュー」と同義)しないのではないかという点である。 1999年9月5日の日記に書いたことがあるが、日本心理学会第63回大会のワークショップで紹介された調査結果(日本心理学会の学会誌『心理学研究』について1982年〜1999年最新刊(第2号まで)をデータベース化して分析した結果。小野寺孝義氏の話題提供を長谷川が聴き取ったもの)によれば、 などとなっており、要するに、『心理学研究』レベルの学術雑誌は、第三者に対して有用な情報を発信するというよりも、学位取得や業績エビデンスとして利用されるために刊行されているという性格が強い。となると、オープンリビューの制度は逆に、論文の業績的価値を下げる恐れがある。それよりも、「編集委員長が依頼したレフェリー2名が採択に同意した」という形式を整えることのほうがよっぽど価値を高めることにつながるのである。 以上述べたような問題は別として、とにかく、学術論文は、公的なWebサイトに掲載し、無料で自由に閲覧できるようにすべきである。印刷体の学術誌は、講読するだけで莫大な費用がかかる。学術誌の印刷と郵送にお金をかけることによって学会年会費は、5000円、8000円、1万円、...というように高騰していく。1つの学会ならともかく、10も20も入会している時には、その総額は相当な負担になる(←個人負担はもちろん、研究費で機関購読することの負担も相当なものだ)。 いっぽう、2003年9月17日の日記に書いたように、電子ジャーナルは現状では「私企業による知的資産独占支配」といっても過言でないほど、大学に高額な負担を負わせている。私の大学でも数億単位が、私企業に支払われているという。これらを教育設備の充実に振り向ければ、校舎も教室設備も見違えるほどよくなるはずだ。 このほかオンライン化しておけば、論文テキストの類似度検索も可能となり、これによって、剽窃や盗用を容易に発見することができるようになる(←そういう意味では、画像化された電子ジャーナルなどは何の意味もなさない)。 この話題については他にも考えるところがいろいろある。随時、追記していきたいと思っている。 |