じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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11月19日の岡山はほぼ一日中雨となり、総雨量は18日と合わせて22ミリとなった。この秋はずっと少雨傾向が続いていたが、これで11月の合計雨量は46ミリとなり、11月の平年値51.2ミリを上回りそうな勢い。
写真は一般教育棟構内。黄葉は主としてケヤキ。左側の紅葉はサクラ。雨の日曜日ということもあって、ひっそりとしていた。 |
【ちょっと思ったこと】
JR津山線始発列車は危険レベル最大? 各種報道によれば11月19日の午前5時半頃、JR津山線の牧山〜玉柏(たまがし)間で、津山発岡山行きの始発列車(2両編成)が脱線、乗客25人全員が負傷した。事故現場の線路近くには推定100トンの巨石が落石しており、レールが10〜20メートルにわたって大きく曲がっていた。なお、この線路と並行して走る県道では、事故発生の1時間前の午前4時半頃、道路が陥没しているのを通行人からの通報で警察官が確認し、県道・玉柏−野々口線を通行止めにしていたが、岡山県警はその情報をJRには伝えていなかった。この区間では、1972年に土砂崩れが発生してるほか、昨年2月にも現場の1.5km南で回送列車が落石にぶつかって脱線する事故があった。 JR津山線は、旭川沿いの緩やかな山間部を走る区間が多いが、こちらの航空写真から見て取れるように、この区間は旭川が山間部から平野に流れ出す直前に蛇行しながら山あいを流れていて、山の斜面の傾斜がきつい地帯となっている。 この事故に対するJR西日本岡山支社長のコメントは、「30年以上土砂崩落もなく、(斜面の状態が)安定していたと認識しており、落石は全く予期しておらず対策を実施していなかった」、「自然が相手ということもあり、なかなか万全にはいかない」などときわめて冷淡であった。 本来ならば、地元住民から強硬な反発があってもよさそうなところだが、どうやら弱味もあるらしい。岡山〜津山といえば、自家用車やバス利用でも1時間ちょっとで移動できる区間。岡山〜鳥取間を往復する「スーパーいなば」という特急も津山線経由ではなく智頭急行(上郡〜智頭)経由で運転されている。安全対策のために巨額の負担を強いられるくらいならば廃線にしたほうがいいという意見も出てくるに違いない。 そういや、少し昔、JR姫新線でも土砂や倒木が線路に流入し、普通列車が乗り上げて脱線したという事故があった。いずれも、想定外というより、「始発で走ってみたら線路が壊れていて、ブレーキをかけたが間に合わなかった。自然現象なのでしようがない」という部類に扱われている。 そうは言っても、そんな呑気なことを続けていたらいつかは死亡事故が発生するに違いない。 毎朝、始発列車運転の前に、時速20kmくらいのスピードで点検列車を走らせていれば、今回のような事故は防げたはず。危険箇所に監視カメラをつけるだけでも防止効果がある。始発列車に安全点検を兼ねさせるようなことはやめてもらいたいところだ。 |
【思ったこと】 _61119(日)[教育]大学教育改革プログラム合同フォーラム(7)特色GP分科会(2)研究大学型少人数教育 昨日の続き。11月12日午後開催の分科会ではまず、TH大学のS氏から ●『学びの転換」を育む研究大学型少人数教育〜基礎ゼミを起点とした「大学での学び」の構築〜 という事例報告があった。このプログラムの特徴は、なんといっても、受講生2550名(1年次学生ほぼ全員)、154クラス、担当教員数200名という、規模の大きさにある。また、実施内容面では、学部横断型クラス編成、つまり、各学部、研究科、研究所、研究センター、病院などの教員、あるいは名誉教授が担当する基礎ゼミに、異なる学部の学生が参加できるという点に最大の特徴がある。実際には、9学部からの学生が受講している基礎ゼミが4クラス、8学部が7クラス、7学部が16クラス、6学部が31クラス、5学部が26クラス、4学部が35クラス(→引き算すると、3学部未満は35クラスということになる)。1クラスは20名以内、少ないクラスでは4〜5名というところもあったという。 各基礎ゼミで取り組むテーマは、入学前に配布されたシラバスで明示されている。具体的には
この種の取組を始めるにあたっては全学的な合意と全教員の参加・協力が不可欠であろうと思ったが、TH大学の場合は、基礎ゼミの前身として学部別の専門導入科目「プレゼミ」が実施されており、これが、導入当時の学内外の諸状況と学長の強力なリーダーシップのもとで、今ある形に進化したということであった。 この種の基礎ゼミで気になるのは、
ゼミの成果は、年度末に学生主体の発表会で公開されるという。長期的に現れる教育効果についてはまだ未知数であるが、学生たちには評判がいいようだ。研究中心の総合大学であり、かなりの数の大学院生がTAに従事できるというのも、この大学の強味であろうと思った。 次回に続く。 |