じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 霜柱。小学生の頃は、この季節、霜柱をザクザク踏みながら登校し、下校時には霜柱が溶けたどろんこで靴を汚して親に叱られたりしたものだが、最近は道路が殆どの舗装されたことと、都市の温暖化のせいか、霜柱に出合うことは滅多になくなった。


2月5日(月)

【思ったこと】
_70205(月)[心理]サステイナビリティ学連携研究機構公開シンポ(3)川口順子氏の講演

 2月3日に東京大学安田講堂で行われた

●サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S) 公開シンポジウム − 資源と環境が支える地球と人類の未来−

の参加感想の3回目。奥田碩氏に続いて、川口順子参議院議員(元外務大臣・元環境大臣)による講演が行われた。

 川口氏の演題は、当初は

●「もっと環境先進国へ − あなたの選択が温暖化を防ぐ」(仮題)

と紹介されていたが、最終的には

●「もっと環境先進国へ 〜私からの提案〜」

というように変更されていた。

 ウィキペディアによれば、川口順子氏は1941年のお生まれ。東京大学教養学部卒、エール大学大学院経済学修士課程御修了なので、安田講堂ではかつてご自身の卒業式にも出席されていたことになる。ウィキペディアでは
女性官僚の草分けの一人として、通商産業省で活躍した。官房審議官を最後に退職。サントリー常務を務めていたが、第2次森内閣で環境庁長官に就任。続く小泉内閣でも環境大臣を務めたが、国際会議などでの手腕が評価され、田中眞紀子の後任の外務大臣に任ぜられた。外相時代は「民間人に重要閣僚が務まるのか」と反小泉派や野党から批判され続けたが、その手腕は手堅く、アメリカのパウエル国務長官らの評価も高かったという。
と紹介されているが、今回も、豊富な実務経験と実績に裏付けられた、理路整然としたお話を拝聴することができた。なお、ご自身はこちらに公式サイトをお持ちで、その中からは公式ブログへもリンクされている。




 川口氏はまず、地球大で進行する環境破壊について、図にもとづいて簡単な説明をされた。重要な点は、地球環境の変化は、自然環境を破壊するばかりでなく、人間社会や経済のあらゆる場面にも打撃を与え、またそれらの悪循環がさらに大きな打撃をもたらすと予告されていることにある。

 例えば、異常気象の頻度が増加すれば災害も頻発し、それによって保険会社の支払い額が増加、ついには経営破綻に陥る。そして連鎖が経済に大打撃を与える。また、自然環境の破壊は原油価格高騰をもたらし、これによって途上国での貧困の悪化、難民の発生、政情不安,...といった安全面への打撃につながる。

 これらの御指摘はまことにもっともだと思う。仮に隠居の身になって悠々自適の生活を送ろうとしても、台風や竜巻で屋根が吹き飛ばされるかもしれないし、年金が受け取れず、頼りにしていた金融資産があいつぐ企業の経営破綻で無価値になってしまうということもありうる。老後はゆったりと海外旅行へ、などと思ってみても、政情不安で渡航自粛、どこの国にも旅行できなくなっているかもしれない。

 川口氏は、これらをふまえて、
  1. 地球環境問題は、理論的な話ではなく、現実に起こっている問題。
  2. 地球環境問題の影響は、人類の存続基盤を揺るがす深刻なもの
  3. 我々は、対策の手段を有している。
 という3点を強調された。にも関わらず、この問題が困難であるのはなぜだろうか。この点について、川口氏は一般的な理由としてつぎの3点を挙げられた。
  1. 科学的不確実性
  2. 原因と被害の乖離
  3. 国際協調の困難さ
 これらはすべて、行動分析の原理で説明できるように思うのだが、長くなりそうなので次回に続く。