じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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時計台前の芝地で、今年もマツバウンランの群生が見られるようになった。楽天版(4月24日付)にも別の写真あり。マツバウンラン愛好会のサイトに全国各地の開花情報あり。
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【思ったこと】 _70424(火)[教育]第13回大学教育研究フォーラム(12)心理学者,大学教育への挑戦7−グループ活動を含む初年次教育の実践−(1) フォーラム2日目の夕刻にはいくつかのラウンドテーブル企画が開催された。私はその中の、 ●心理学者,大学教育への挑戦7 −グループ活動を含む初年次教育の実践− に参加させていただいた。この「心理学者,...」という連番企画は、2003年9月の日本心理学会ワークショップで1回目「理論と実践」が開催されたあと、日本心理学会年次大会およびこの大学教育研究フォーラムで「学生の視点に立つ学び支援」、「導入教育」、「体験型授業」、「心理学者,授業評価への挑戦1、2」というように、継続的な活動が続けられているとのことであった。このうち2005年には、溝上氏と藤田氏の共編で同名の書籍も刊行されているそうだ。もっとも、過去6回はいずれも同じ時間帯の別企画とバッティングしていたため、私個人にとっては、今回が全く初めての参加となった。 その第一印象をきわめて率直に述べさせていただくと、まず、とにかく、過去3年半にわたって大学教育の問題に継続的に真摯に取り組んでこられた姿勢は大いに評価できる。今回のグループ活動についての実践報告も有意義であったと思う。その反面、
配布資料によれば、今回のワークショップは
少人数初年次教育というと、昨年11月に行われた大学教育改革プログラム合同フォーラムの中の、学部横断型・少人数・初年次教育の報告が真っ先に頭に浮かぶ。その時に紹介された事例ではグループの規模は1クラス20名以内(少ないクラスでは4〜5名)であり、担当教員のもとで課題を追究するという特色があったように記憶しているが、今回のグループ活動は5名前後の人数規模であり、学術的なテーマについてグループ研究をするというよりは、身近なテーマについてアイデアを出し合うというタイプの活動であるように見受けられた。これらはおそらく、研究型大学少人数教育と、教育重視型大学の違いを反映しているものと思われる。 ちなみにこの種のグループ活動ではしばしば「フリーライダー(=他のメンバーに任せっきりで何もせず、単位だけもらう学生)」や「リタイア(グループ活動に馴染めず離脱してしまう学生)」が出るという問題がある。また、メンバーの数は偶数が良いという説もあるそうだ。 I氏の話題提供では、グループ活動を通じて知識が蓄積、構成、調整、再構成されていくプロセスがNorman(1982)のモデルに依拠して意義づけされていたが、うーむどうかなあ、個々人の学習プロセスや知識の構成・再構成の問題と、グループ活動の効用の問題は別であり、単にこじつけているだけでは?という印象をぬぐい去ることができなかった。また、グループ討論の方法はKJ法の応用であるようにも見えたが、「KJ法」についての特段の言及はなかった。但しKJ法は川喜田研究所によって商標登録されており、少し前に「野外科学KJ法」事件というのがあった。研究手法として言及する際には配慮が必要かと思う。 次回に続く。 |