じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真]
6月24日の岡山は、朝5時頃から20時頃まで断続的に雨が降った。夕食後の散歩時にはすでに雨が上がっていたが、気になったのは半田山の北西方向の空が赤く染まっていたことである。

 昨日の日記にも記したように、半田山の緑の美しさは蒜山に引けをとるものではない。しかし、しょせん住宅地の中の山である。雲の高さや霧によって、山の向こうの町明かり(たぶん津高方面)が空に反射して赤っぽく見えてしまうのではないかと思われる。



6月24日(日)

【思ったこと】
_70624(日)[教育]FD活動10年を振り返る(1)トップダウンといえども...

 某所より、FD活動の10年間の歩みを紹介・総括し、今後の展望を示すような講演をしてほしいとの依頼を受けた。まだ未確定の部分もあり、講演ではなくシンポの中の話題提供の1つとして何かを喋るというように変更される可能性もあるとは思うが、とにかくこういう大きな仕事を依頼されるのは光栄である反面、少々、荷が重い気もする。

 そもそも何で私が、ということになるが、こちらの記録によれば、私がFD委員を仰せつかったのは、文学部FD委員が1999年度(平成11年度)〜2000年度(平成12年度)の2年間、全学FD委員が2000年度(平成12年度から2005年度(平成17年度)までの5年間、うち2001年の7月からの2006年3月までの4年9カ月となっている。過去10年間を振り返るのであれば、確かに私自身の在任期間が一番長いということになるが、うーむ、この期間のFD活動が停滞していたと評価された場合、その第一の責任は委員長の怠慢にあるということになってしまう。光栄ではあるが、矢面に立たされやすい任務でもあった。




 それぞれの大学におけるFD活動は、それぞれの大学の理念や教育目的、大学の規模、学部構成などによってさまざまであるが、例えば授業評価アンケート、シラバス充実、厳格で多元的な成績評価、GPA導入、ピアレビュー、...というように、どこの大学でも何かしら実施/検討されているような共通部分も多い。大学教育改革に関するシンポやフォーラムも年に数回以上開催されており、成功事例が紹介されると自分の大学でもぜひとも取り入れようとするので、結果的に似てくるという場合もある。

 多くの大学ですでに実施されているような取組を導入する場合には、学内でも比較的すんなりと受け入れられる。その一方、他大学に先駆けて新規(新奇?)な取組を始めようという場合は、必ずと言ってよいが時期尚早論が出てくる。新規提案の内容自体を整備し、導入の意義を強調することは当然の前提であるとしても、じつは一番重要なことは、いかにして合意形成をはかるかという問題であったりする。




 学内の合意形成にあたってまず求められるのは、提案者自身の献身的な努力と熱意であろう。「消極的な意見が多いので、もう少し様子をみます」程度の提案は、結局先延ばしされてしまう。

 副学長や委員長が先頭に立って突っ走るような提案は実施に移される可能性がきわめて高いが、その意義づけや真意が十分に伝わらないと、結局「一代限り」に終わってしまう。私の大学で言えば、クォーター制とか、SD(スタッフディベロップメント)などがそれにあたる。その時その時の副学長は強力に提唱していたが、交代するといつのまにか立ち消えになってしまう。ということもあって、単なるトップダウン的な実施では、必ずしも継続には結びつかない。トップダウンとは言っても、意義づけに基づく不断の合意形成の努力が必要である。

 合意形成にあたって結構幅をきかせているのが、いわゆる「言説」である。次回はこの問題を取り上げてみたいと思う。

 次回に続く。