じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 幼稚園入園(←当時は、年中組からの入園が一般的であったようだ)後の最初の遠足は、としまえんであった。アルバムを見ると、翌年の年長組遠足でもここを訪れているが、何をして遊んだのか、全く記憶に残っていない。また、幼稚園遠足以外に訪れた記憶も全く無い。写真はどうやら、入口付近らしく、「豊島園事務所」と書かれた建物と、券売所が見えている。

 余談だが、「としまえん」は、東京都豊島区ではなく練馬区にある。名称は、豊島氏(豊嶋氏)が治めた練馬城の跡地に建てられたことに由来するらしい。子どもの頃遊んだ「二子玉川園」、「向ヶ丘遊園京王遊園地などが閉鎖されたなか、都心部にありながらいまなお健在で、多くのイベントが開催されているのはスゴイことだと思う。



10月3日(水)

【思ったこと】
_71003(水)[心理]日本心理学会第71回大会(14)環境保護行動を促す説得的コミュニケーション(5)

●Using persuasive communications to protect the environment環境保護行動を促す説得的コミュニケーション

という招待講演の感想の最終回。

 今回の講演は、環境保護行動を促す説得的コミュニケーションをテーマとしたものであったが、話題の中心は、公共広告やホテル客室内のメッセージの効果に限られていた。

 この範囲で思うのはやはり、

●説得されただけで行動するとは限らないし、ましてそれが持続するという保証はない。

という点に尽きるかと思う。

 もちろん、テレビから同じ曲を何度も聞かされるだけで、その歌を口ずさむということはありがちなことではあるし、ある場面を誇大に取り上げた映像や片寄った情報が繰り返し流されるだけで特定の価値観が形成されてしまうということも無いわけではないが、多くの場合、テレビCMや広告の与える影響というのは、きっかけを作るという程度に限られているのではないかと思う。

 例えば、新発売の清涼飲料水のCMが何度も流されれば、同じ商品が売られていた時に、とりあえず一本飲んでみようかという気にはなる。しかし、それを何本も買って飲み続けるかどうかは、結局は、おいしさや飲んだ直後の爽快感などによって決まってくる。

 広告の影響である行動が自発されるようになったとしても、それが持続するかどうかは、結局は、
  • その行動がどのように強化されているか
  • その行動を続けた場合に、どのようなコスト(嫌悪的な結果、手間、経費、時間)がかかるか
  • その行動と競合するような別の行動がどの程度強化されているか
に依存するはずである。

 複数の広告を注視させて質問紙で回答させれば、条件によって反応に有意な差がでるとは思うが、そこで有効とされたからといって、それがダイレクトに行動を引き起こし、持続させるというわけではない。

 例えば、スーパーのレジ袋削減のためのキャンペーンはいろいろ行われているが、けっきょくは、レジ袋有料化や、マイバック持参者へのポイント付与、というように、有料化によって非協力行動を弱化したり、協力行動をポイント付加によって強化するというように、行動随伴性によって直接、対象行動を改善していかなければ実効性は乏しいと思う。

 今回の講演の質疑でも実際、広告が与える長期的な効果についての質問が出されていたが、明快な証拠は示されていなかったように思う。10月1日の日記で取り上げた「タオルの再使用」に関しても、客室内のメッセージだけでは、他の(メッセージの無い)ホテルでの再仕様で促進するかどうかは不明。メッセージの違いだけで再使用率が変わるという実験結果があるということは、裏を返せば、その効果はきわめて局所的、短期的である可能性が否定できない。であるなら、いっそのこと、お客に面倒なお願いなどせずに、(環境保護目的であることを明記した上で)、フロントでタオルを有料貸出したほうが遙かに効果があるようにも思える。

 次回に続く。