じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 農場の田んぼの稲刈りが10月31日に完了した模様。写真は上から、田植え直後(6月12日)、稲刈り直前(10月27日)、稲刈り完了(10月31日)の比較。田植えの日から数えて、140日目の収穫。ちなみに昨年は2006年10月20日の日記に稲刈りが終わっていた。昨年のほうが田植えが10日ほど遅かったので、収穫までの日数は変わらないようだ。



10月31日(水)

【ちょっと思ったこと】

ホームズ彗星4回目

 31日夕刻、10月28日の早朝と夕刻、10月31日の早朝に続いて、4回目の観察ができた。

 明るさは、近くのペルセウス座δ星(3.0等)よりも暗くなっているように見えた。それでもまだまだ、肉眼ではっきり見えていた。

 双眼鏡では、中心部分と周辺部の明るさの違いが分かるようになってきた。

 翌11月1日の早朝は、曇りのため全く見えず。

【思ったこと】
_71031(水)[心理]日本心理学会第71回大会(37) 日本人は集団主義的か?(3)


 昨日の日記で、
  • 集団主義:個人より集団を優先
  • 個人主義:集団より個人を優先
というだけでは「利己主義vs利他主義」と区別がつかないのでは?と述べた。じっさい、高野氏の話題提供では、“通説における日本人の「国民性」”について、もう少し詳しい特徴が要約されていた。それは、
  1. 個我が確立していない
  2. 個性がない
  3. 人と同じでないと安心できない
  4. 同化を強要/異質を排除
  5. 甘え/もたれ合い
などであり、これらの特徴は社会現象の説明にも使われようとしてきた。具体的には、「いじめ」、「創造性の欠如」、「軍国主義」、「高度経済成長【の原動力】」などである。

 ちなみに、私自身は、8年ほど前に、

第27回京都心理学セミナー:「自己と他者--アイデンティティの根源を求めて」

という研究会の中で、

●自己高揚のアメリカ人、自己批判の日本人

というような内容の話題提供を拝聴したことがある。講演者は、今回の高野氏の「論敵?」にあたる北山忍氏であった。

 このほか、2005年に北京で開催されたThird International ABA Conferenceで、佐藤方哉氏が、East is East, West is West: A Behavior Analysis of Cultural Differenceという講演をされていたことも記憶に新しい。佐藤氏の講演の中では、

木を見る西洋人 森を見る東洋人思考の違いはいかにして生まれるか

にも言及されていた。

 昨日挙げた種々の日本人論の書物や、上記の諸講演の内容は、日本人と西洋人(もしくはアメリカ人)との文化差を強調するものであったが、これらがすべて「集団主義」という1つの枠の中で一括して論議できるものかどうかは、かなり疑わしいのではないか、というのが私の個人的な考えである。また、仮に平均値レベルで有意な差があったからといって、個々人がすべて同じ行動をとるわけではない。さらには、そうした違いをどうやって検出するのかという方法上の問題がある。日米の差を質問紙で比較しようとしても、訳語の問題がある。回答の比率などは、質問紙表現がちょっと変わっただけで大きく変化するものである。また、比較するサンプルが同質かどうかという問題もあるだろう。「日米の大学生を対象に調査した」などと言っても、調査対象の大学に在籍する学生たちが、同じレベルであるという保証はない。このあたりを意識しながら、引き続き、話題提供の感想を述べることにしたい。


 次回に続く。