じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 農学部前の楷の木(オス)の紅葉。11月9日の朝日新聞・岡山版によれば、閑谷学校でもライトアップが始まったとか。農学部前の楷の木の写真は毎年掲載しており、最近の主な写真は以下の通り。これらを比較すると、今年は紅葉の進み具合がかなり遅いことが分かる。



11月9日(金)

【ちょっと思ったこと】

ホームズ彗星、13、14回目

 11月9日夕食後と10日早朝に、ホームズ彗星を眺めることができた。肉眼ではかすかに見える程度。双眼鏡では、同心円状ではなく帚星型に変化してきたように見えた。また、数日前より、ペルセウス座α星に近づいており、δ星との3星で作っていた二等辺三角形から、彗星を直角とする直角三角形の位置関係になってきた。

 このほか、早朝5時半頃、天頂から南方向に流れ星1個を目撃。しし座流星群か、おうし座流星群か、独立系なのかは不明。

【思ったこと】
_71109(金)[心理]日本心理学会第71回大会(47) 日本人は集団主義的か?(12)リッカート尺度では文化差を検出できない

 高野氏の話題提供では、次に、「Likert尺度では、準拠集団効果があるため、文化差を検出できない」という興味深い御指摘があった。

 リッカート尺度(Likert尺度)についてはウィキペディアの当該項目などを参照されたい。ちなみに、リッカート尺度を用いることについては種々の批判がある(例えばこちら)。また、これ以外の尺度としては、サーストン尺度、ガットマン尺度などが知られているが、私のところの卒論研究でも、授業評価アンケートでも、大部分はリッカート尺度モドキとなっている。

 ここで例えば、「自分は背が高い」という質問に対して、
  • 「かなり」そう思う
  • 「やや」そう思う
  • 「どちらとも言えない」
  • 「やや」そう思わない
  • 「かなり」そう思わない
というような回答選択肢が与えられたとしよう【←この事例は、高野氏の話題提供ではなく、長谷川自身が勝手に作ったもの】。この時、回答者は、何を基準にして、自分は背が高いと思ったり思わなかったりするのだろうか。その際に基準となるのが、準拠集団の平均値である。

 例えば、身長175cmの日本人男性は、自分のクラスの中では背が高いほうだが、ドイツに留学すればむしろ低いほうになる。大相撲の力士になろうとする場合も同様だ。また同じ175cmであっても日本人女性であればかなり背が高いということになる。

 文化差に関する日米比較の調査の場合も同様であり、日本人回答者は日本人の平均値、米国人回答者は米国人の平均値を基準にして回答しようとするので、平均値が同じスコアになったからといって差がないと結論するわけにはいかないというわけだ。

 高野氏によれば、リッカート尺度を使わない質問紙研究では、「日本人=集団主義、米国人=個人主義」というような通説を支持する結果は出ていないという。

 次回に続く。