じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 冬至が近づくにつれて、太陽の昇る位置が東南方向に移動している。私の住むアパートからは、この時期に限って、朝日に照らされて輝く建造物がある。写真は、岡山県総合グラウンドの照明塔。

 ちなみに、夕日に輝く建造物としては「光る輪」が有名(2006年9月27日の日記参照)。


12月18日(火)

【思ったこと】
_71218(火)[教育]学士教育課程のコンセプト(12)実質化と「国際・英語学部」というチャレンジ(3)「みる」ことのレベルアップ

 講演の後半は、当該大学における英語教育のポリシーについての紹介であった。少子・全入時代の大学の英語教育というと、日常的コミュニケーション英語主体の「すぐに使える英語」を思い浮かべてしまうが、そういうものは専門学校で教えればよい、というのが演者の御主張であった。演者によれば、英語教育には
  1. English for General Purposes(EGP):日常コミュニケーションに必要な英語教育
  2. English for Academic Purposes(EAP):大学での学問の基礎教育に必要な英語教育
  3. English for Professional Purposes(EPP):専門教育に必要な英語教育
という3つのタイプがあるが、当該大学では1.は扱わず、2.と3.を重視しているということであった。

 実際の教育では、コンテンツベースの授業展開とチームティーチングが重視される。つまり、どの教員が担当しても授業内容や質に差違は無い。1年次の基礎的教育を通じて、学生は英文でA4用紙5枚程度のリポートを書けるようになるということだ。また、専門課程では、英語教育に加えて専門実務教育も行われる。

 学士課程教育はレベル1(1年次)からレベル4までの積み上げになっているが、それぞれのレベルは「みる」という漢字の使い分けで的確に表現されていた。すなわち
  • レベル1:視る
  • レベル2:観る、察る
  • レベル3:観る、診る、看る
  • レベル4:看る、診る、観る
という点に重点が置かれるのだという。

 余談だが、「みる」の漢字表記に関しては、私が担当する「心理学研究法」の講義の中でも「観察法」の導入部で言及したことがあった。上記では
  • 「視る」は「直線的な視線」
  • 「観る」は「広く見渡す」
  • 「診る」は「どうしたらいいのか」
  • 「看る」は「どうしたらかかわれるのだろう」
というように使い分けされているようであったが【←長谷川の聞き取りのため不確か】、中国語の「看」は、ごく普通に「見る」という意味に使われていると聞いたことがある。日本語の「看る」は、やはり、「寝たきりのお年寄りを看る」というような意味に使われるのが一般ではないかと思う。このほか「広く見渡す」という意味では「覧る」が使われているように思う。


 次回に続く。